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素材はこれにしました。
誰もが知っている人気車種で作りたい人も多いだろうし、古いキットながら再販されて現役であることが理由です。
どうせ作るならアオシマから良いのが出たばかりじゃない?って言われそうですが・・・、
これはストックなんです。何年か前に展示会仲間のKADさんから回ってきたもので、いつか作りたいと思っていました。
また個人的にはLP400やLP5000 QuattroValvoleよりもLP500Sが好きで、アオシマからはまだそれが出ていないこともあります。
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ちなみに当時の定価は700円。名古屋市南区の道徳模型さん(10年ほど前に廃業とか・・・)で一割引で売られていたものです。
タミヤのカウンタック、再販前は絶版キットとして、特にLP400はかなり高値で売り買いされていたようですが、まあそんなことはどうでもいい。早速箱を開けて制作にかかって行きます。
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いきなりサフ(サーフェイーサー)が吹かれていますが、これはボディーの状況をわかりやすく説明するため。本来はある程度ボディーを仕上げてからサフを吹くのがセオリーです。
例えば右の写真では、パネルの面が滑らかでないこと、溝が浅いことがわかります。この溝には最後に墨入れをしますから、このままではちょっとまずいかもしれません。
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ここにもパーティングラインが見えますね。
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このあたりもバリが目立ちます。
古いキットとは言え、当時生産されたものですから金型が痛んでいるわけではない。当時のレベルがこのくらいだっただけです。
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開閉式のエンジンカバーは、ボディーとのスキマをなるべく均一にしたいですね。
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そのスキマは狭いに越したことはないのでしょうが、塗装の厚みも想定して調整しないと、後ではまらなくなってしまいます。
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ちなみにサフ(サーフェイーサー)には色々なものがあります。瓶入りもありますが、使いやすい缶入りではこのあたりが一般的でしょうか。 左・・・GSIクレオスのMr.サーフェイサーのグレー
写真は1200番ですが、他にも500、1000番があります。
クレオスのホームページから各番手の解説を引っ張ってきます。
(引用開始)
サーフェイサー500・・・パーツにあるキズや凹凸、改造して新たに出来た気泡や隙間などを無くす下地の目止め塗料です。
サーフェイサー1000・・・サーフェイサー500よりも粒子が細かいので、小さなキズの修正用に最適です。
サーフェイサー1200・・・サーフェイサー1000よりもさらに粒子が細かいので、小さなキズの修正・塗装前の下地作り用に最適です。
(引用終了)
つまり、数字が小さい方が傷隠しの力が強く、数字が大きい方が仕上げに向いていることがわかります。私の場合、改造や大きな修正で表面が荒れている場合は500番を使うこともありますが、普通にキットを作る場合は1200番だけで済ますことが多いです。
真ん中・・・タミヤのグレー
使い方はクレオスと同じ。番手は書いていないけど、感覚的には1000程度。
右・・・再びGSIクレオスのホワイト
白・黄色・赤などを塗る時は、発色が下の色に影響されやすいので、グレーじゃ嫌だと言う場合に・・・。
白サフはタミヤからも出ています。ただ白は表面の様子があまり良くわからないので、私はあんまり使いません。
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さて、最初にサフを吹いたことから、工作の最初にやることはボディーの整えと思われたかもしれませんが、おそらくそれはちょっと違う。
何を置いてもやることは「仮組み」です。
ボディーとシャーシ、タイヤなどがちゃんとあるべき姿に納まっているかを確認し、もし変なところがあれば修正した方がいいからです。また車高などは好みに合わせて調整したくなる時もあります。大抵の場合は車高を低くしたくなります。
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足回りを組んだシャーシとボディーをはめてみて様子を見ます。
そうですね・・・、実車はもうちょっと高いと思います。
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念のため内装も入れて再度仮組み。
ありゃ、これはちょっといただけない。内装パーツが干渉して、シャーシを下に押し下げてます。
そのお陰でタイヤとホイールアーチとの関係はいい感じになりましたが、このように腹をこすりそうな状況はカウンタックの軽快感を損ねるんじゃないかと・・・。
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そこで内装パーツを一部削って干渉を極力なくしました。タイヤ取り付け位置も、車高を高くする方向に調整。
これが好みです。
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ではそのやり方の説明です。
シャーシが若干下側に湾曲している感じですね。ここは力任せに修正することにします。
また、ボディーとの干渉は内装パーツですから、これを下げたいところ。
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そこで、内装の下側とシャーシにあるリブを削り取って内装を下ろすことにします。
ただ上の写真を見てわかるように、内装の背中部分とシャーシの電池ケースにクリアランスがなく、リブを削っても真下に下げることができません。
内装が前に出てしまいます。
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そこでシャーシの一部を切り取り・・・、
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このようにすることで・・・、
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真下に持って行くことができました。
ただリブを削ってしまったことで、最終組立時に内装の位置が決まらなくなります。
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そこで事前にこの位置にシャーシまで貫く穴を開け・・・、
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裏側をこうしておけば・・・、
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組立時に位置が決まります。
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なお、ここまでやってもダッシュボードが若干ボディーに当たったりしたので、その取り付け位置もやや下げました。
そこまで写真付きで説明するとくどくなるため省略しましたが、もし私と同じようにタミヤカウンタックの出っ腹が気になった人は、以上の話を参考にしてください。
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干渉がなくなったことからタイヤの位置も戻ってしまったので、タイヤ取り付け位置をずらして車高を高くする方向に調整しました。
続いてその説明です。
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やり方は簡単。
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リアはこう。
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フロントはアオシマのキットから、余っていたピンを調達し、少し下にずらして接着しました。
これをやると、トレッドが片側1ミリずつ拡がってしまいますが・・・、
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修正前と・・・、
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修正後を見比べると、決してタイヤハウスからはみ出るほどではない。この方が力強くて良いかも知れません。
また修正前はタイヤがガタガタしていることから(モーターライズだし)タイヤがややネガキャンになりますが、こっちは真っ直ぐ。
そのあたりも好ましいと思います。
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おさらいです。
内装のつっぱりでシャーシが下に垂れ下がった状況。
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修正後です。
この差を気にしない人は、今までの話を読み飛ばして、次に進んでください(それにしちゃあ長々書いたけど)。
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続いてクリアーパーツの確認です。
チェックポイントは表面の状況と、ボディーとのはめ合い。
キットのパーツは透明度が高いものの、表面に小さな傷があったり・・・、
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面の乱れもあります。
レベル2であれば、ここにコンパウンドをかけても良いかもしれません。
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それは後回しにすることにし、まずはウインドウをボディーにはめてみると、かなり引っ込んでいるのが気になります。
原因は二つ。
一つは、ウインドウパーツが一体成型のため、やや変形が見られること。
二つ目は、ボディーにはめたときに当たる部分があることです。
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そこでタミヤの「薄刃クラフトのこ」を使い・・・、
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パーツを三つに分割しました。
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その後、溝の部分を中心に少し削りを入れたり・・・、
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ボディー裏側もやや削ることで・・・、
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ここまでスキマを減らすことができました。
完全ツライチにはなってませんが、実車にも若干の段差があるので、十分としましょう。
とにかくまずやることは、このような仮組みです。
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なお、思うところがあって、さらにもう一台を使って突っ込んだ工作をすることにしました。
「他人に”秋刀魚(サンマ)は美味しいよ、栄養あるよ”と薦めておいて、自分だけトロ食べるのかよ!」
と言われそうですが、その理由はあちらのページに書きました。
これ以降は素組みの工作手順をしっかり説明させていただきます。
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