ホンダF-1(RA273)の制作 その2 エンジンのディテールアップ

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(2024/02/3)

今回の工作の目的は

「ちゃんと走るように作って、皆さんにお見せする」

ですが、せっかく作るからには中学生の時に感じた”もやもや”も解決できればと思っています。

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タミヤのホンダF-1のエンジンはそれまでのプラモの水準をはるかに超える精密なものでしたが、それでも当時作っていて気になるところがいくつかありました。

 

その一つは集合管マフラーがエンジンの上にただ置かれているだけの構造です。

中学生の私も

「いくら何でもそれはないだろう」

と感じました。

もう一つはコード類の取り回し。

黒い方がプラグコード、白い方が燃料チューブですが・・・、

キットではこのようにリング状の穴だけあって・・・、
ここにコードを適当に挿すことになってます。

これも不満でした。

 
タミヤの集合管マフラーの取り付け方に不満を感じた理由、それは同時期に発売されたイマイのホンダF-1を見ていたからです。

こちらがそのイマイです。2017年の静岡ホビーショーの伝説ブースに展示されていたもの。

 

 

タミヤの陰に隠れちゃってますが、イマイのホンダF-1にも優れたところはあったんですよ。

ギアボックスがしっかりしていてちゃんと走る所はタミヤより上だったし・・・、

マフラーは一本一本エンジンに繋がっている。

そういうところはいいんですけど、他は全体的に物足りなかった。ユニバーサルジョイントもいいかげんでした。

だから当時私も迷わずタミヤを買いました。

ちなみにイマイはこの後もロータス49やマトラMS11を商品化しています。そう、かわいそうなくらいタミヤとかぶってましたね。

 

さて加工ですが、こんなものを作りました。
配管はアルミワイヤーに熱収縮チューブをかぶせ て作成、 これを現物合わせで取り付けていきます。

簡単に書いていますが、12本の配管を所定の位置に収めるのはとてもとても大変でした。

それでもこんな感じになり・・・、
何とか収まりました。
ぱっと見た感じでは苦労の跡は良くわかりません 。

でも56年前の宿題を一つ解決したような気がしています。

 

なお、プラグコードや燃料チューブの取り付け部分もそれなりに手を入れています。
エンジンの外面(そとづら)はいいとして肝心の動力部分ですが、 ギアボックスを回してみると今一つ力強さが感じられないのが気になりました。

理由として、

1.減速比がまだ足りない

2.モーターパワーが不足

そして、

3.ギアボックス内に無駄な歯車があってエネルギーをロスしている

が考えられます。

3については「なんのこっちゃ」ですが、順次説明していきますね。

これがマブチ130モーターのスペック。

適正負荷時の回転数はこんな感じです。

こちらは手持ちのミニ四駆用モーター。

値段がわけのわからないことになってますが、どこかでたたき売りしていたのをまとめ買いしていたんでした。

リモコン戦車やおもちゃなどに利用した残りです。

スペックはこんな感じ。

かけている電圧が違うので直接比較はできませんが、回してみた印象としてはノーマルの1.5倍のトルクって感じでした。

こちらを使います。

動力はピンクの経路でドライブシャフトに伝わります。

問題は青い方。このルートの歯車は何の役にも立っていません。ただゆっくりと回っているだけ。

なぜこんな無駄なことをしているんでしょう。わからん・・・。

理由はわからなくても、とにかくこの部分はエネルギーロス の原因になっていますので、除去することにします。
全部は外せませんでしたが、こうなりました。
P2011105.mov動画でお見せします。

外せなかった歯車は適当に空回りしているだけなので、ほとんどエネルギーロスにはならないでしょう。

P2031085.movミッションケースに組み込みました 。

あちこち干渉する部分があって中は相当削っていますが、そのおかげもあってか無理して回っている感じはしないかなと。

おそら完成時にはちゃんと走るでしょう。

とまあ比較的順調にここまで来たものの、なぜ無駄なギアが・・・と考えるとどうにも寝付きがよろしくない。

そこでしつこく考察を続けていたら・・・、

わかりました!
 

ご覧のように一番左のギアを180度ひっくり返したとしましょう(※)。そうすると動力は無駄と思えたギア群を通してドライブシャフトに伝わるではありませんか。

(※すでにギアボックスはミッションケースに組み込まれていましたので、加工された画像で説明しています)

その場合回転数はずいぶん落ちますが、逆にトルクは稼げますので、ゆっくり力強くマシンを走らせることができるでしょう。

おそらくこれで間違いない。

ノーマルの状態はこうでしたね。

それにしてもこのギアボックス、ここまで必死に構造を考え、コストをかけてまで作る意味があったんだろうか。

今度はそっちが気になってしまいます。

何はともあれここまで来ました。次はリアの足回り です。

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