ゼンマイカーはミニ四駆のルーツ
お手軽で楽しいゼンマイカー
 さしものミニ四駆ブームにもかげりが見え、TAMIYAからは新しくダンガンレーサーがリリースされています。ダンガンレーサーは700円で、恐ろしく良くできた機械です。単三アルカリ電池は量販店などで二本50円程度で求めることができます。 ※ミニ四駆とダンガンレーサーは田宮模型の登録商標

私が小学2〜3年生の頃はゼンマイカーが主流でした。ゼンマイカーは100円程度で買え、何回も遊べますが、モーターライズはたとえ手に入れても電池(単三)が二本で50円と高く、おいそれと動かせるものではありませんでした。

ねじを巻いて直線でのスピードを競えば、その楽しさは今のミニ四駆と何ら変わりなかったでしょう。もちろんチューンナップなどは考えられず、たまたまよく走るものを手に入れた仲間が勝つだけですが・・。

またフェラリー、フォードGT、ポルシェ904GTSなど海外の車はここで知りました。

イマイのフェラリー

イッコーモケイのボンネビルシリーズ エルコ

ステアリング付き。部品点数も多い。
「さあ、みんなでボンネビル・レースをしよう!!」との指示あり。

このキットには特に深い印象がある。

ボンネビルシリーズ、すなわちこれはユタ州のソルトレイクで行われるスピード競技のこと。

このような流体形状の車などは見たことがなかったから、非常に魅力的だった。後尾にはパラシュートがついている。ああ、これを見て子供の夢は膨らむのだ。

この車はまっすぐに速く走った。ホイルベースが長かったからだろうか。まさか空力?

組み立て説明書には英文も併記されている。輸出もされたのだろう。

クラウンモデルのフォードGT(100円)

「20mをハイスピードでとばす!」・・らしい。

部品点数極少。シャフトに少量の「ポマード」をつけるように指示あり。

父はポマードを使っていなかったので、自転車用のオイルを使った記憶が・・。

「お友達と競争してください」との指示あり。

学校でのブームはあの日で終了
ゼンマイカーはみんなが学校に持ち込み、休み時間にレースが繰り返されました。木造の学校の廊下は必ずしも平坦ではありませんでしたが・・。

学校でのブームは程なく終わります。授業中に突然、担任の先生が叫びました。「みんなプラモデルを出せ!! 前に持ってこい!!」・・。

みんなは凍りつきました。逆らうこともできず、教壇の脇にはゼンマイカーがうずたかく積まれました。先生はそれを何度も何度も踏みつけました。「バキバキ、ピキッ。グキャッ。」と音が教室に響きます。

先生は全てのゼンマイカーが破壊されたのを確認し、それを何度もすくってゴミ箱に入れ、そのゴミ箱を片手で持ち上げてぶらぶら揺すりながら無言で教務室に帰っていきました。

番外編・・・日本ホビー工業の 砕氷艦 ふじ
日本ホビー工業の製品には、一つ一つに非常なこだわりを感じます。だからこそ今でもファンは多いのでしょう。

カムと歯車で複雑な動きをする1/35のM24チャーフィーなどは、完成させれば確かに見事に動きましたが、その仕組みはよくわからないままでした。

「ふじ」はおそらく小学校高学年の時に買ったもの。小さなゼンマイ船にすぎないのですが、普段は飾っておき、走るときはいくつかの部品を外すよう指示があります。これを飾る人はあまりいないと思いますけど・・。

ちなみに説明書のいくつかの注意書きを抜粋します。

・此のスプリングは特に高級品が使ってありますから水が侵入しないように注意して組み立てて下さい。いつまでも使えます。
・指先でスクリューをおさえ、煙突の上の部分を180度回転で12回ほどまいて走らせてください。スバラシクよく走ります。
・スクリュー回転1000回以上

 「子供にはもったいない高級品だが、どうしても欲しいなら買ってもいいぞ。 ただし!!! デリケートなので、よくいいつけを守って遊ぶように。」と言われているような気がします。