ロータス49B(タミヤ 1/12)の制作 その1 構想と下ごしらえ

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(2022/01/16)

この一年ほどはどちらかと言えば”小品”をたくさん作ってきました。

新型コロナの影響で静岡の展示会も2年続けて中止、持って行くつもりで作った”大物”もたまっています。これ以上でかいキットを作ってもしょうがないかと思って頂き物や在庫を作り倒してきたんですが、それはそれでフラストレーションが溜まるんですね。

やはり私が好きなのはビッグスケール。そこで久しぶりに大型キットを作りたいと思います。

写真は高校性の時に作ったロータス49B。稚拙な出来ですが、当時は満足していました。

これを今の技術で作ってみたい。

だがあらためて調べていくと、このキット、実は到底49Bとは言えないものだとわかってきました。

タミヤの49Bは、その前に発売された49を改修して仕立てられています。

改修箇所は

・リアのオイルタンク&オイルクーラー追加

・ウイングの追加とそれに伴う一部金型の修正

・フロントカウルの修正によるエアアウトレット追加

程度ですが、本物の49Bはもっと色々違っていて、見方によれば”別物”と言っても良いくらいです。でも当時はそんなことを知る由もなく、これがロータス49Bだと信じていたんです。

今回はそのあたりも極力直していきたいと思います。

用意したのはこれ。

基本的にはモーターライズ版49Bをベースに、必要とあらばマトラやティレルからパーツもいただこうって算段です。

もったいない?

いやいや、キットなんかその気になれば手に入るし、ケチケチする気はありません。大物ですから。

ちなみに二台の49Bの価格はこう。最初のモーターライズ版は1,300円ですが、当時の私にはとても高額でしたね。

4,000円の方は走行機構をオミットした時のもの。

ちなみに2015年の再販品は12,000円となっています。

ではキットの確認と下ごしらえに入っていきます。

まずはタイヤ。

前から気になっていたんですが、キットのタイヤは妙に幅広で面白くない。またサイドウオール部からショルダー部にかけてのふくらみが足りない感じがします。

 

これは組立説明書の写真ですが、接地面が狭い。

これが私の脳内理想です。

また金型の合せ目の乱れもものすごく気になる。
あともう一つ気付いたのは、モーターライズ版とディスプレイ版でリアタイヤの金型が違うってこと。
(右がモーターライズ版)

途中で壊れたのかなあ。

 

どの道モーターライズ版のタイヤは劣化や変形が見られるので、安全のため使わないことにします。

ちなみにこれは高校生の時に作ったポルシェ910のもの。

捨てりゃいいいんですけど、なんかもったいなくて残してあります。

数年後にこんな風になったら泣きますし。

幅を詰めるため中央をカット(これはフロントタイヤ)。
ショルダー部に切り込みを入れ、”引っ張りタイヤ”にした時のトレッド面の変形を防止します(そのままだと凹む)。
一個できました。

まだ微調整は必要ですが、脳内理想に近くなった。

なお左側はモーターライズ版のタイヤ。経年変化でゆがみがありました。

フロントもこんな感じ。

出来が今一つですが、許容範囲かな。

次はエンジン。

理想としてはマトラの時のように走らせたいんですが、そもそも49Bはミッションが違ううので(ZF → ヒューランド)、このままでは作れません。

マトラのキットはまだ持っているので、そこからミッションパーツだけいただいて 、ギヤボックスを押し込めないかと考えたんですが ・・・、
それ以前にエンジン本体が気に入らない。

最初からディスプレイ用として企画されたティレルのDFVエンジンと比べると、エンジン自体が見劣りするし、何よりもでかい。

特に横幅がでかい。

どちらが正しいのかと様々な写真や図面を確認しましたが、やはりディスプレイ用の方が正確でした。

幅広の理由はモーターが入るスペースを確保したため。

色々考えた末、今回走行は諦め完全ディスプレイとして作ることにします。

ちょっと残念ですが仕方ない。

 

このように色々調べながら改造計画を煉っているんですが、集めた画像などではどうしてもイメージが掴めない部分もあり、行き詰ってしまった。

そこでこれを買いました。エブロの49Cです。

本当は49Bが欲しかったんですが、どうも今売ってないみたいだし、49Bと49Cにはそれほど大きな違いはないのでまあいいかと。

軽く組んでみると、ボディーの下側に大きな切り欠きがあることがわかります。

もちろん違うことは知っていましたが、キットがあればイメージが掴みやすいのでありがたいです。

じゃあここを直すのか? 面倒くさいしやりたくないんですけど。

フロントカウルが上下分割になっています。
タミヤはこう。一体です。

またエアアウトレットの隙間がとても狭い。

エブロはこう。ラジエーターが丸見えになるほど広いです。もちろんこっちが正しい。

タミヤのカウルは49の一体型をベースにしていますから、カウルを前後に出し入れする関係上、アウトレットを正しく作ることができなかったと考えます。

要するに切れってことですね。
フロントアッパーアームの角度も違います。

エブロの方が不自然に前傾していますが、これが正しい。

実車ではフロントタイヤを前に移動させ、相対的にリアの荷重配分を増やしてトラクションを稼いでいるんです(これの極端なのがドラッグスター)。

今回はここにも手を付けると思いますが、そうなるとステアリング機構含めあちこち自作しなければならない。

とても面倒くさそうです。

エブロのコックピット周りはこんな風になっています。

このあたりはネットや本で写真を探しても良くわからないのでありがたい。

もともとのタミヤの出来がこうなので、最低限どこをいじるかが見えてきます。
少し直してみました。

 

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以上ざっくりと眺めてきましたが、直したいところはまだ色々あります。

特に面倒そうなのはリアのサスペンション周りですね。49と49Bでは全く違っているので。

こんな風にこれからやらなきゃいけない作業をイメージしてゆくと、ため息しか出ません。もし上手にできたとしても、ある程度ロータス49Bに詳しい人じゃないとその差に気付くこともないでしょう。

やめようかな、どうしようかな・・・。

ちょっと高校生の私に会いに行ってきます。

 

 

 

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