バンダイ 1/16 イターラの制作 その6 小物の加工

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(2020/07/05)

カーモデル中心にやっている私ですが、実車の知識は褒められたものではありません。

展示会仲間には実車やバイクいじりが好きだとか、子供の頃何度もレースを見に行ったとか、ジムカーナやラリーに参加したことがあるなど、車好きが高じてプラモもやっている人 も結構います。

私は車というより模型工作が好きなだけ。子供の頃は戦車や軍用機、戦艦などもたくさん作りましたが、どうも戦いの道具となるとその背景が自分にとって重すぎることや、どちらかと言えばカラフルできれいなものを作るのが性に合っているので車に落ち着いただけです。

だから毎回工作するたびに知識のなさに不安を抱えているのですが、特に今回のイターラはなおさら知らない20世紀初頭の車ですから不安も増大。

そこで自動車メーカーの黎明期の歴史・当時の技術・社会情勢なども調べながら工作してます。逆にそれが面白くてたまりません。

技術では例えば電気。当時はまだバッテリーが載っておらず、燃料供給も密閉タンクを加圧する方法だったりします(前に書きましたね)。

またヘッドライトも電球じゃなくてカーバイドランプでした。

カーバイドランプはアセチレンランプとも言います。炭化カルシウム(カルシウムカーバイド)に水をたらすとアセチレンガスが発生し、これを燃やすと明るい光がでる仕組みです。

化学式はこうですね。

私が子供の頃、お祭りの夜店の照明はアセチレンランプが普通だった記憶があります。独特のニオイも懐かしかったです。

また手塚治虫の描くマンガには「アセチレン・ランプ」というキャラクターが出てきますが(大体悪役)、彼の後頭部ではロウソクのような炎が燃えてます。でもあれはロウソクではなくアセチレンバーナーだったんですね。キャラクターの名前になるくらいアセチレンランプは一般的だったってことでしょうか。

 

脱線しちゃいました。

エンジンカバーはこんな感じで進んでます。

反対側から。

もともとあった大きな切り欠きを埋めることができて良かった。

 

シートの座面も直してます。

キットだとこうなんですが、妙に座布団がフカフカしているし、左右の腰にあたる部分にパッドがない。

コーナーリング中に腰が痛くなったり車外に放り出されそうな感じがして、気分的に落ち着きません。

パテで自作。
前よりは運転しやすそうです。
 

(2020/07/11)

面倒な工作はもう終わりだろうか・・・。

ならばいよいよ塗装や組み立てに移れるだろうかと思いながら各パーツを眺めていたら、ここが気になってしまった。

本物のスポークはこんな感じ。

木で出来ていて、やはり曲木でできているリムと組んだ後に黒い金属部品(ハブ、あるいはブラケットと呼ぶのかな?)で締め付ける構造です。

根本が太くなっていて魅力的な形をしていますが、キットのものはただの丸棒。

おそらくですが、金型を作る際に少しでも楽をしたかったのではないかと思われます。

ちなみにこの時代の車のホイールは、木のスポークのものとワイヤースポークのものがあります。

木のスポークは馬車作りの技術の横展開ですね。

スルーしてもいいんですが、せっかくあちこちいじっているんだし、ついでにもう一頑張りしてみましょうか。

ちなみに何回か紹介している 大陸横断ラリーの本では、レースの後半にロシアでホイールの一つが完全に壊れ、地元のテレガ大工に新造してもらったエピソードが書かれています。
テレガとは四輪馬車の一種で、 穀物、干し草、その他の農産物の運搬に使われるもの。

車輪の構造は欧米の馬車とすごく似ています。

そんなエピソードを読んでしまったのも直したい理由の一つでしょうか。

あ、皆さんは興味ないかもしれませんが、曲木と聞いてすぐ思い出すのは「トーネット no.14」という椅子ですね。名前は知らなくても、画像検索すれば「あ、これ見たことある奴や」と思うはず。

「トーネット no.14」は1859年に商品化されていますが、デザインが魅力的なのはもちろんのこと、工場からお店までバラバラの状態で届けられて店で組み立てる構造ですから、一度に何十脚か送っても荷物がかさばらないので運賃が安くなるんですよ。これはライバルと比べてものすごく有利。しかも今でも売られている超ロングセラー商品。

「トーネット no.14」は工業デザインの歴史を見ていくと必ず出てくる成功事例なので、覚えておいて損はないです。

 

また脱線してしまった・・・。

で、やり始めたらエライ大変。

時間もかかるし、なかなかいい感じになりません。

でもロシアのテレガ大工にバカにされたくない。頑張ります。

 
(2020/07/16)

前回の更新から5日、だんだん形がまとまってきました。

中央の金色のパーツは裏表からスポークを締めつけるハブですが、本物とは相当イメージが違うので加工します。

伸ばしランナーの先端を丸めたものを数十個作りました。

疲れました。

面倒くさい。すごく面倒くさい。
前輪、何とか形になりました。
前輪の裏側です。
後輪にはブレーキドラムが取り付けられるので、こんなものを使ってみます。
四つできました。

何か文章少ないのは、とても疲れたからです。

スキマ時間にこれもちょっとディテールアップしました。
何のためのレバーか。

どうやらその一つはエンジンの点火タイミングを調節するものらしいんですが、あと一つは良くわかりません。

いずれにせよハンドルについているってことは、運転中に結構な頻度でいじるものなんでしょう。

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