童夢再生 その4 スライドマーク貼りの2

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デカールを進めていますが、説明し残したことがありました。
スリットを薄くしています。

 

 

突然ですがここで実車のスリットについて解説させていただきます。
(興味ない人は読み飛ばしてね)

童夢・零RLは1979年6月のル・マン24時間耐久レースに出場した車ですが、プロトタイプや、5月にシルバーストンで走った車にこのスリットはありません。

ではなぜ途中でスリットが開けられたか・・・。理由はおそらくダウンフォースの強化ではないかと思われます。

レーシングカーが走ると正面から当たった空気はボディー上面に沿って後ろに流れていきます。ところが高速域ではタイヤハウスの上で流れがボディーから剥離してしまう(乱流発生)。こうなると十分なダウンフォースが得られません。

そこでこの部分にスリットを設けると、下から上がってくる流れの効果で剥離が抑えられ、本来のダウンフォースが得られるのです。

スリットはこのような理由で追加されたのでしょう。右はキットの箱絵に写っている7号車のスリットですが、いかにも慌てて手加工した感じです。

またル・マンでの写真を見ると、リアのスポイラーもリップが追加されているように見えます。

ストレートの速度向上を目的に、トレッドを狭くしてまでも前面投影面積を小さくし、しかも全長が異常に長い童夢・零RL、別名「レーシング界の一反木綿(おいおい)」ですが、設計段階でもくろんだダウンフォースは実戦では少々もの足りなかったようですね。

(ちなみにラジコンでもフロントのダウンフォースを増すための最終手段としてスリットを開ける方法が使われることがあります。私の経験ではスピードのある1/8エンジンカーなどでその効果を実感することができました。)

以上説明したように、このスリットは後加工で「コの字形」に切り下げているようですので、それっぽさを表現したい。

そこでこのようにマスキングしてグレーを筆塗り。

こうなりました。
とても情けなくていい感じです。

ちなみに上の実車写真が7号車のものだと説明しましたが、今作っているのは6号車。

そちらはそちらでまた微妙にスリットの感じが違うんですが、こっちの方が好きなんでそうします。

ちなみに前に作った時はこうでした。

こういうところにこだわることに意味があるのかは人それぞれでしょう。仕上げの美しさが大きく変わるわけではないし、手間もかかります。

でも、今回はやりたかった。

ただそれだけ。

デカールがほぼ貼り終わりましたが、どうにも気に入らないところがここ。

タイヤハウスの上の黒い線がよれています。

この写真ではあまりわかりませんが・・・、

こうするとわかります。きっちり貼ろうとしてマークセッターを使っているんですが、柔らかくなってゆがんでしまった。
仕方ないので、マスキングしてスプレーすることにしました。

ご存知のように、デカール面にマスキングテープを貼るのは非常にリスキー。はがした時に持っていかれる可能性があります。そこで粘着力を落としてから軽〜く乗せるように貼って作業したのですが・・・、

はがすときに一枚ついてきてしまいました。

非常にやばいです。

でも何とかはがせました。あー心臓に悪い。
この後はクリアー吹き。ラインの修正結果はその後お見せしますね。

クリアーは休み休みじっくりかけていきますので、その間は暇になります。

同時進行でこちらも進めることにします。

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