ディーノ206コンペティツィオーネ その 3 ボディー仕上げ 

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「ひろっしJP」は面倒なところが終わり、後は一気かと思っていたら、ラジエターオープニングのスミ入れで引っかかり、一週間も足踏みしてしまいました。

右の写真はフジミの方。インジェクションキットですし、金型の仕上げもすごくいいので、スリットもきれいに抜けている。組んでいて気持ち良いほどです。

一方「ひろっしJP」はレジンですし、この部分も一体表現。正直言ってスリットのピッチやモールドもびしっとしていなくて、何とかできる範囲で仕上げたのが右の状態。

 

ではここをどうするかですが、まずは定番の薄いグレーやスモークを流し込んでみた ものの、もうどうにもならないくらいダメダメで困ってしまいました。

きちんと形ができていれば、びしっとスミが入っても絵になるんですが、このキットはそうではないのが痛いところ。しかも色が黄色ですから、ちょっとした形の乱れが目立つんですね。

他の部分にどんなに力を入れても、一か所でも明らかに変なところがあれば、全体の価値をスポイルしてしまいますから。

そこでベースの黄色から少し濃い目に振った色を流し込んだり、あるいはタミヤのウエザリングマスターを使ったりと色々やったのですが、これもなかなか上手く行かず、「こうなったら何もしない方がバランス的に良いのかなあ」とまで思いましたが・・・、
最終的にクリアーにイエローと若干のブラウン、グリーン、フラットベース(すべてタミヤエナメル)を混ぜたものを塗ったところ、微妙な半透明感とエッジの柔らかさで、まあ自分ではOKの仕上がりになりました。

ちなみにここはラジエターで温められた空気を排出する部分らしいのですが、その割には真ん中に大きな穴が開いているし、そもそも前面に冷却空気を取り込む 開口がない。

この車、内部で一体どうやって風が流れているんでしょうか。

タイヤはホイールと一体になってるので、塗り分けが必要でした。

正直言ってあまり出来が良いとは言えず、出来ればフジミのホイールに適当なタイヤを組み込みたいところですが、このキットは何が何でもそのまま作るのが「縛り」だと思ってますから、そういうことはしません。

フジミの方は特に工作過程を説明していませんが、同時並行でここまで来ています。

フロントスポイラーをつけたら、ノーズの違和感が少し感じられなくなりました。

こっちが「ひろっしJP」の方。
横からのフジミ(写真は完成後のものに差し替え)。

「ひろっしJP」(同じく写真は完成後のものに差し替え)です。

ここまで来ると両者の設計思想の差がはっきりしました。

室内を仕上げます。

「ひろっしJP」はこんな感じ。メーターはモールド仕上げで、針や目盛りは塗り分けろってことなのかもしれませんが、流石にそれは辛かったので、デカールをジャンクから持ってきてでっち上げました。

こちらはフジミ。メーターのデカールはもちろんついています。

ハンドルの形状は「ひろっしJP」の方が実車に近いでしょうか。困るほどの違いじゃないですが。

それより問題なのはペダル。

まず「ひろっしJP」のペダルはこんな感じで 、特に違和感はないのですが・・・、

フジミの方は指示通りにつけるとこうなります。何でアクセルペダルが左側に来るのかが良くわからない。

実車のペダルがこうなのかなとも考えましたが、いや、いくらなんでもそれはないだろう。

じゃあこのキットが間違い? いやまさかそんな初歩的なところでメーカーがミスするとも思えないし。

・・・ってことは私が何か間違えていると? 

 

この件に関しては「えりあん」さんが調査した結果、
「アクセルペダルは右が正解で、 しかも下からではなく上から生えている」
ことが判明。結局フジミが間違えているみたいです。

修正は簡単ですよ。パーツを180度回転させて、垂直な部分に斜めに貼り付ければいいだけですが、 いまさら何もしません。 フジミの方は何かもうどうでも良くなっているんです。

さて、作業も最終段階。ヘッドライトやテールランプの工作です。

「ひろっしJP」のパーツは透明レジンでできているようです。

普通のプラモですと金型を作って透明のプラを射出成型しますが、手内職のレジンキットではそんなことできませんから、原型を作ってシリコンで型を作り、透明レジンを流し込む。

できた部品は表面がなかなかピカピカにはならないようで、これをコンパウンドで磨く必要があります。

「ひろっしJP」はこんな感じに仕上がりました。塗装したクリアーレッドとクリアーオレンジも結構きれいに見えてます。
ヘッドライトもこんな感じ。レンズの透明度は今一つですが、雰囲気は出ています。
フジミの方はどうでしょう。

何かくすんだ感じがするのは、クリアーパーツにスモークが入っているから。

ヘッドライトも、レンズカバーのスモークのせいで、左右二つずつあるライトの存在感がスポイルされています。

それにしてもフジミのクリアーパーツに何でスモークが入っているんだろう・・・。
 

ウインドウも含め全体のイメージを引き締める効果はあると思いますが、 ただでさえ真っ黒な室内がなおさらわからなくなっちゃいますし、テールランプの色が出にくくなったりヘッドライトが良くわからなくなったりとマイナス面も 大きい。

おそらくスモークについては、その方がウケるとでも思ったんでしょうけど、このキットを買う人はそれを望んではいないと思うんだけどなぁ。

工作の最後は、ヘッドライトカバーを止める金具の表現。

真鍮パイプを削ってポンチを作り・・・、

厚手のキッチンテープから丸いリベット状にくり抜きます。

実際はこういう形ではないのですが、雰囲気重視です。

 

と言うわけで、完成しました。

「ひろっしJP」がこちら

「フジミ」がこちら

 

ただこの二つのキットについては、まだ書きたいことがあります。

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