カウンタック その3 ボディー塗装

 次の工程へ   前の行程へ   工作机INDEXへ   
ボディー塗装はカーモデル作りのハイライト。

色によって完成品の印象はがらりと変わりますし、きれいに塗れると嬉しいですよね。ただ失敗しやすいのもボディー塗装の宿命。私もしょっちゅうやらかしてます。

そこで今回は色々実験してみます。

 

まず、プラ板にホワイトサフとグレーサフを塗ります(真ん中は塗らずに残しておきます)。

これをカットして塗装試験片をいくつか作り、様々な色を缶スプレーでたっぷり一回塗ってみます。

 

まずは赤。クレオスのモンザレッド(68番)です。

赤や黄色は下地の色が出やすいことをご存知かと思いますが、ご覧のようにグレーサフを吹いた右側は、色がくすんでいます。

逆にホワイトサフを吹いた左側は、何も塗っていない真ん中よりも明るく見えます。

赤や黄色を塗る場合は、ホワイトサフを使ったり、最初に白を塗る方が良いことがわかります。

次はクレオスのシルバー(8番)。

この色は隠ぺい力があるので下地は出ませんが、真ん中部分がむしろ暗くなっているのが面白いですね。

サフの上に塗料が塗られた場合、溶けあって互いが支え合うのに対し、直接プラスチックに塗った場合は、乾燥するまでに塗料や粒子が動き回る(泳ぐ)ことで厚さにムラが出たり、粒子が立ったりするからではないかと思われます。

タミヤのマイカシルバー(TS−76番)。

同じシルバー系でもマイカは粒子が粗いので光が通りやすく、隠ぺい力は落ちます(今回はその差があまりわかりませんが)。

また、真ん中の部分の仕上がりが今ひとつ。この理由は上と同じでしょう。

比較的塗りやすいのは、濃い目のソリッドカラーです。

こちらはタミヤのブルー(15番)。

真ん中部分はやはり塗料が泳いで薄い部分ができてしまい、やや色が浅くなっているのがわかりますが、左右の差はほとんどないことから、とても隠ぺい力があることがわかります。

一回でこれですから、乾燥後にもう一回塗ればほとんど問題はないでしょう。

 

同じブルー系でも、メタリックになると様子が変わってきます。

こちらはクレオスのメタリックブルー(76番)。メタリックカラーのベースはソリッドではなくクリアーブルーですから、下地が出やすいんです。さらにこの色は銀の粒子も大きめで、不利になります。

 

また、このような平らな試験片では良くわからないものの・・・、

例えばこんなものを作って塗ってみると・・・、
こういう風になってしまいます。

塗りにくい色は様々あるものの、これはその代表のような色でしょうねぇ。

塗料を拭き取り、今度はクレオスのブラック(2番)を塗ってみました。

全然違うことがわかると思います。

 

ただ良くみるとエッジの部分などに下地が出ているのがわかります。

光沢のブラックも意外と注意が必要な色なんです。

結局塗ったのはメタリックブルーです。

塗りにくい色の代表と言いながら、これを選んだ理由は、私が今回わざわざタミヤを選ぶほどの天邪鬼だからです。

ただ残念なことに、この色を缶スプレーで塗るのは無理でした。ボディーが角ばっていることもありますが、どうしてもエッジの部分の色が薄くなってしまう。

ベースに明るいブルーでも塗れば何とかなったかもしれませんが、今回は素直に塗料をエアブラシに移してから吹きました。

エアブラシは塗料を薄く均一に塗る力で缶スプレーを遥かに上回ります。それは認めざるを得ません。

 

ボディー塗装に関するおさらいです。

○ボディーカラーの発色は下地に影響されます。透けやすい赤、黄色、粒子の大きいメタリック色などの場合は、下地にホワイトサフや白の塗料、もしくは目的の色になるべく近いソリッドカラーを塗るなどの工夫が必要でしょう。

○そういう色は、缶スプレーよりもエアブラシで塗った方が遥かに上手く行きます。

○濃い目のソリッドカラーは比較的下地が出にくいので、缶スプレーで塗る場合は安全性が高くなります。初心者の方は、まずはそんな方向の色から試していく方法もありかなと思います。もし不安だったら、今回のようにプラ板で塗装チップを作って試し塗りすると良いかもね。

 

ちなみにウイングのように表裏に塗装する場合、片面ずつ塗るより両面一気に塗る方が効率的ですしきれいに行きます。

例えばこのようにくぼみ部分に細切り両面テープを貼って、浮かせるようにして塗る方法はお薦めです。

塗り終わりました。

エアブラシを使ったのは不本意でしたが、かなりきれいに塗れました。

カウンタック その3 ボディー塗装

 次の工程へ   前の行程へ   工作机INDEXへ