痛車 その14 仕上げ

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研ぎ出しも終わったので、ボディーはいよいよ細かい仕上げに移ります。

また、シャーシ、内装も急ピッチで作って行きます。

グロリアのヘッドライトは一体成型。ここに銀を塗るのはものすごくめんどくさいです。

筆塗りすればあっという間に終わりなんですが、それでは輝きが出ない。メタルシールを貼ろうにも、平らじゃないから上手くいきません。

そこでこのようにマスキングテープを使い・・・、

ボディーを完全に覆って・・・、

 

 

メッキ調塗料を塗って・・・、
マスキングテープを剥がしてゆく。

ここでのコツは、「ゆっくりゆっくり剥がすこと」、そして「垂直に引っ張らないこと」でしょうか。

ここでデカールを持って行ってしまったら、今までの苦労が水の泡ですからね。

こんな風になりました。筆塗りよりはるかにきれいなはずです。
マジェスタのフロントフォグも同様。
それにしてもこういうところを塗り分けなきゃならないのは辛いです。
どちらも結構古いキットなんで仕方ないとは言え、例えばグロリアだったらヘッドライトをメッキの別パーツにし、クリアーレンズも挟み込んで接着するようにすれば、何の苦労もなく組めるのにねえ。

まあ、最近のキットはそれなりに考えられているものが多くなったけど、私に言わせればまだまだ。

最近のメーカーは完全に大人狙いの商品開発にシフトしています。キットだけでなく、高価なエッチングパーツを別売したりして、一セット揃えるだけで何千円。

プラモを作る子供が少なくなっている中で仕方がないとは言え、その方向が主流でいいのかなとも思います。

要するに、「プラモ売れない」→「マニア狙いで値段を上げ、売り上げを確保しよう」→「作るのが大変になって、なかなか完成しない」→「さらに売れなくなる (´д`)マズー」の悪循環ではないかと・・・。

私の小学生の頃は、かなり頻繁にプラモを買っていたような気がします。安いものが多かったし、塗装なんかしないからすぐ出来てしまう。友達の家に集まって、半日もかからず完成し、遊んで、壊して、また買うの繰り返し。だからたくさんプラモが売れたんですね。

今はそうも行かないのは知ってるけれど、とにかく完成までの工程を考え、時間がかかりそうな部分を設計努力で何とかすれば、今よりも売り上げが上がる可能性はあると思う。

「作りやすい」→「完成までの時間が短い」→「次々に買ってもらえる」→「メーカーも儲かる (゚д゚)ウマーなんて良循環にならないかな。

そのための具体的方法はちょっと考えただけでも五つや六つはすぐ思いつきます。メーカーならさらに数多くのアイディアを持っているでしょう。後はやるかやらないかだけですが、もたもたしていると痛車ブームが終わった後に困ることになるんじゃない?って思ったりする。

 

 

後は完成までの作業を淡々とこなすだけ。
ナンバープレートは、0.3ミリのプラ板にホワイトを塗った後デカールを貼り、乾燥後にフラットクリアーでコーティング。

本物のナンバープレートには結構艶がありますが、フラットにすると光の加減に関わらず文字が読めるメリットがあります。

室内のダッシュボードやコンソールはある程度マスキングして塗り分けてるけど、ドアの内張りは実車どおりにはしていません。

また、細かいところは一発筆塗り。

今回は見る人のお目当てはボディーにあると思うし・・・。

 

こちらなんかさらに手抜き。

ただし、何にも新しいことをしないのも工夫がないので・・・、

マジェスタの一部は試しに超ザラザラ仕上げにしてみました。

完成しての印象は・・・やりすぎですね。

でもいいや、次がんばろー。

以上で痛車6台連続制作は終了です(一台はすでに依頼者の友人の所に行ってます)。

最初はこんなにたくさん作るつもりはなかったんですが、どうしてこうなっちゃったかまとめてみます。

  作ったきっかけ キットの出所
トヨタチェイサー
(リリカルなのは)
友人が「作って〜」と持ち込んできた 支給(ちなみに謝礼分を合わせて支給は二台)
ホンダバラードCR-X
(リリカルなのは)
チェイサーを作っていたら、デカールが余りそうだった 以前友人からもらったもの
カマロZ28レーシング
(鏡音リン・レン)
静岡の展示会でGSRの人からデカールをもらった 以前知人にプラモを作ってあげた時、「お礼に何か持ってって」と言われ、ストックから適当に選んだもの
日産グロリア
(リリカルなのは)
「リリカルなのは」の絵柄が気に入って自分用に作りたくなった 昔、あるおもちゃ屋にプラモ探索に寄った時に義理で買ったもの
日産スカイラインGT-R
(灼眼のシャナ2)
柏崎の展示会でGSRの人からデカールをもらった 以前友人からもらったもの
トヨタマクラウンジェスタ
(デモンベイン)
デカールが貼りやすそうなキットとして購入
 

きっかけは色々だったりしたものの、自分一人では手がけようとは思わなかっただろう痛車をこれだけ楽しめたことは良い経験でした。

はっきり言って痛車は難しいです。大判のデカールをきれいに貼るにはかなりの根気と経験が必要。また、貼る場所がフリーなデカールの場合、どこに何をレイアウトするかには作る人のセンスが問われます。

時期を同じくしてGSRさんでは架空の痛車レースをテーマにした「秋葉原GP」という投稿企画を実施、私もカマロで参加させていただきましたが、GSRさんのデカールを使ったGT-Rとマジェスタを投稿しなかったのは、この二つが「ぶっとび度」や「情熱」、そして「センス」で他の参加者の作品に完敗したと思ったことが理由の一つでした。

何年やってもプラモは難しい・・・でも面白い。

 

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