セルシオの4 ボディーの塗装 中半

次の工程へ   前の工程へ  工作机INDEXへ   
電動士 「あ、君たちか。待ってたよ。」

タカヤマ 「おはようございます。」

ヤマ 「今日あたりボディー塗装も終わったかなと思いまして。」 

電動士 「いやいや、そう簡単には進まないね。今回は一応ちゃんとやってるからさ。」

タカヤマ 「カーモデルはほとんどボディー塗装で決まっちゃいますからね。良かったらもう一回整理して説明してくれませんか?」

電動士 「じゃあ赤い方からね。

1.ペーパーでパーティングラインを削ったり、ボディーの”うねうね”を整えたりして。
2.サーフェイサー吹いて、一部はペーパーかけて。
3.グランベリーレッドパールをエアブラシで4回ほど吹いて。
4.一回クリア吹いて。
5.サイドのスラーイドマークが貼られるところを磨いて。
6.スライドマーク貼って。
7.乾燥したらつなぎ目を切って、熱いお湯をつけた麺棒を押してなじませて(写真)。
8.クリアを2〜3回吹いて。
9.研ぎだして。
10.メタルモールを貼って仕上げ。

って感じかな。今はまだ8番の段階ね。」

ヤマ 「スライドマークを貼る前にクリアを吹いて磨くのはなぜですか?」

電動士 「スライドマークはなるべく平らな面に貼りたいんだけど、グランベリーレッドパールを吹いた面を研ぎ出すわけにはいかないからさ。まあ、気分の問題。」

タカヤマ 「モールですけど、キットにはメタルシールがついていましたよね。あれを使うんですか?」

電動士 「あ、あれ・・。結論から言おう。使い物になりません(きっぱり)。ラミネートかかってるから、ボディーになじまない。」

ヤマ 「じゃあメタルックですか?」

電動士 「確かに普通はメタルックか塗装なんだろうけど、メタルックはどうも好きになれないんだよね。表面が今ひとつなめらかにならなくて・・。そこで厚手のアルミシールを貼って、研ぎ出しすることにした。手間はかかるけど、仕上がりは良いと思う。」

電動士 「ちょっとボディーに重ねてみようっと。」


 

電動士 「黒い方もおおむね同じだけど、アルミシールをクリア塗装の前に貼ってみることにする。その方が自然な感じになるかなと思ってね。」

タカヤマ 「電動士さんって失敗なんかしないんですか?」

電動士 「余の辞書には失敗という言葉はないのだ。」

 

 

電動士 「さて、クリアーを吹くぞ。見ていてくれ。」

プシュー ボトッ あうっ・・。

ヤマ 「どうしたんですか!?」

電動士 「塗装ブースの上からホコリの固まりが・・・。」(注:実話です。)

 

タカヤマ 「うわー、どうします?」

電動士 「あわてない、あわてない。こういうときは乾燥してからペーパーかけて、部分的に塗装し直せば大丈夫。何度も言うが、余の辞書には失敗という言葉はないのだ!

ヤマ 「要するにごまかし方が上手いってことか・・。
ところで”やっちゃった”の写真ですけど、センターピラーに貼ったメタルシールがないんですけど。」

電動士 「いかにもVIPカーみたいになったんで、剥がしちゃった。」

タカヤマ・・(ボクがこんなにVIPカー好きなのに、この人、何てこと言うんだろう。ああ、ガツンと言ってやりたい・・。でも高校生のボクに言えるんだろうか。いや、勇気を出して・・。)

タカヤマ 「い、いま何今を作って・・」

ヤマ 「今何作ってるのか、わかってんのかい!」

タカヤマ・・(先越されちゃった。)

 

電動士 「もうお昼か。お、ステーキでも食べに行くか?近くに最高の店があるんだ。値段も最高だけどね。」

タカヤマ 「またこの前みたいな偏屈な店ですか・・?」

電動士 「そんなことはない。普通の店だぞ。」

 

ヤマ 「いやー、旨かったですねー。」

電動士 「だろー、だろー? ・・・じゃヤマ、勘定は頼むね。」

ヤマ 「えーっ、何で私が! せめて割り勘にしましょうよーっ!!」

電動士 「いいか良く聞けよ。割り勘にしたら一人一人の”幸せ指数”マイナス1になって、合計マイナス3だ。ところがヤマがみんなの分を払ったらヤマの”幸せ指数”マイナス3だけど、俺とタカヤマ君はプラス1。グループ全体としてはどっちが幸せだと思う?」

ヤマ 「えーっと”1+1−3”でマイナス1、マイナス1マイナスマイナス3は・・・。」

電動士 「指を使うな、指を!!」

ヤマ 「計算は合っているような・・。でもおかしい、絶対何かがおかしい!

タカヤマ・・(さっきガツンと言わなくて良かった。)