電動士 「あ、君たちか。待ってたよ。」
タカヤマ 「おはようございます。」 ヤマ 「今日あたりボディー塗装も終わったかなと思いまして。」 電動士 「いやいや、そう簡単には進まないね。今回は一応ちゃんとやってるからさ。」 タカヤマ 「カーモデルはほとんどボディー塗装で決まっちゃいますからね。良かったらもう一回整理して説明してくれませんか?」 |
電動士 「じゃあ赤い方からね。
って感じかな。今はまだ8番の段階ね。」 ヤマ 「スライドマークを貼る前にクリアを吹いて磨くのはなぜですか?」 電動士 「スライドマークはなるべく平らな面に貼りたいんだけど、グランベリーレッドパールを吹いた面を研ぎ出すわけにはいかないからさ。まあ、気分の問題。」 タカヤマ 「モールですけど、キットにはメタルシールがついていましたよね。あれを使うんですか?」 電動士 「あ、あれ・・。結論から言おう。使い物になりません(きっぱり)。ラミネートかかってるから、ボディーになじまない。」 ヤマ 「じゃあメタルックですか?」 電動士 「確かに普通はメタルックか塗装なんだろうけど、メタルックはどうも好きになれないんだよね。表面が今ひとつなめらかにならなくて・・。そこで厚手のアルミシールを貼って、研ぎ出しすることにした。手間はかかるけど、仕上がりは良いと思う。」
電動士 「ちょっとボディーに重ねてみようっと。」
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電動士 「黒い方もおおむね同じだけど、アルミシールをクリア塗装の前に貼ってみることにする。その方が自然な感じになるかなと思ってね。」
タカヤマ 「電動士さんって失敗なんかしないんですか?」 電動士 「余の辞書には失敗という言葉はないのだ。」
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電動士 「さて、クリアーを吹くぞ。見ていてくれ。」
プシュー ボトッ あうっ・・。 ヤマ 「どうしたんですか!?」 電動士 「塗装ブースの上からホコリの固まりが・・・。」(注:実話です。)
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タカヤマ 「うわー、どうします?」
電動士 「あわてない、あわてない。こういうときは乾燥してからペーパーかけて、部分的に塗装し直せば大丈夫。何度も言うが、余の辞書には失敗という言葉はないのだ!」 ヤマ 「要するにごまかし方が上手いってことか・・。 電動士 「いかにもVIPカーみたいになったんで、剥がしちゃった。」 タカヤマ・・(ボクがこんなにVIPカー好きなのに、この人、何てこと言うんだろう。ああ、ガツンと言ってやりたい・・。でも高校生のボクに言えるんだろうか。いや、勇気を出して・・。) タカヤマ 「い、いま何今を作って・・」 ヤマ 「今何作ってるのか、わかってんのかい!」 タカヤマ・・(先越されちゃった。)
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電動士 「もうお昼か。お、ステーキでも食べに行くか?近くに最高の店があるんだ。値段も最高だけどね。」
タカヤマ 「またこの前みたいな偏屈な店ですか・・?」 電動士 「そんなことはない。普通の店だぞ。」
ヤマ 「いやー、旨かったですねー。」 電動士 「だろー、だろー? ・・・じゃヤマ、勘定は頼むね。」 ヤマ 「えーっ、何で私が! せめて割り勘にしましょうよーっ!!」 電動士 「いいか良く聞けよ。割り勘にしたら一人一人の”幸せ指数”はマイナス1になって、合計マイナス3だ。ところがヤマがみんなの分を払ったらヤマの”幸せ指数”はマイナス3だけど、俺とタカヤマ君はプラス1。グループ全体としてはどっちが幸せだと思う?」 ヤマ 「えーっと”1+1−3”でマイナス1、マイナス1マイナスマイナス3は・・・。」 電動士 「指を使うな、指を!!」 ヤマ 「計算は合っているような・・。でもおかしい、絶対何かがおかしい!」 タカヤマ・・(さっきガツンと言わなくて良かった。) |