タカヤマ 「こ、ここですか? 伝説の模型チューナーの店って。」
ヤマ 「ああ、経験だけは豊富だという話だ。腕は良くわからないけど。」 タカヤマ 「あんまり流行ってるって感じはしないですね。」
ヤマ 「この看板で損してるよなー。」 タカヤマ 「入ってみますか? あ、結構完成品が並んでますね。」
タカヤマ 「ごめんください!誰かいますか?」 電動士 「誰だい?」 タカヤマ 「あ、こんにちわ。この店のオーナーの電動士さんですね?」 電動士 「・・・違うよ。」 タカヤマ 「違うったって、”自己紹介”のページに出てる人じゃないですか。」 電動士 「違うったら違う。本人が言ってるんだから間違いない。」 ヤマ 「聞きしに勝る偏屈だな。」 電動士 「どうでもいいけど、用がなかったらさっさと帰ってくれ。」 タカヤマ 「どうします?あんまり仲良くなりたくないタイプの人ですけど。」 ヤマ 「まあ、一応頼んでみるか。 あのー、車のチューニングとドレスアップ、できますか?」 電動士 「あ、借金取りじゃないのか・・・。 タカヤマ 「全然自慢になってないんですけど。」 電動士 「で、車は何を持ってきたんだ? ポルシェか? GT−Rか?」 タカヤマ 「これなんですけど。」 電動士 「何だ?これ。」 タカヤマ 「・・・・セルシオですけど。」 電動士 「せ・る・し・お〜! お前ら何考えてるんだ。これでどうやってタイム出すんだ?」 タカヤマ 「いや、そう言う車じゃないんですけど。」 電動士 「サーキットで勝てない車は車じゃない! ささ、帰った帰った。」
タカヤマ 「どうします?こんな偏屈オヤジじゃなくて、ちゃんとした店に行きましょうよ。」 ヤマ 「まあまあ、おれにまかせてみー。えっへん、じゃあ帰りますけど、ここではこういう車のチューニングはできないんですね?」 電動士 「ぴくっ。」 ヤマ 「手に負えないんだ。」 電動士 「ぴくっ。ぴくっ。」 ヤマ 「じゃあさようなら。」 電動士 「・・・・ちょっと待て。ふーんこれがアオシマか。ほほー、ひゃー! うわっ!!なんだこれ・・ホントかよ。 ここはこうした方がいいのにな。けけけ・・・。」 タカヤマ 「あ、ちょっとその気になっているようですよ。」 ヤマ 「ほら見ろ、単純だろ。気が変わらないうちに置いて逃げろ!」
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タカヤマ 「こんにちわー、あれから一週間経ちましたけど、進みましたか〜。
電動士 「あー君たちか。ちゃんとやってるから心配するなよ。あ、これ? まずは足回りのフィッティングからよ。」 タカヤマ 「なんでここからやってるんです?」 電動士 「VIPカーは”ツライチ”が命なんだろ? だけどこのキットは、そうなるという保証がない。だいたいにして、ホイルハウスの肉厚が厚すぎる。まずここは削らなくっちゃ。」
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電動士 「それにホイルがなー。 ジャンクション(JUNCTION UCF31)の方はいいんだけど、アンクエルシオン(ANCELTION UCF21)の方はリムが引っ込んでいてVIPカーっぽくない。だから右のようにずらした。」 |
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タカヤマ 「うわ、何ですかこのナットは。」
電動士 「アンクエルシオンのキャンバーをきっちり合わせるための微調整用よ。」 タカヤマ 「かっこいいハの字にしてくださいね。」 電動士 「バカ言え。キャンバーつけすぎるとサーキットでタイムが出せない。タイヤも偏摩耗する。」 タカヤマ 「だから、そう言う車じゃないんですけど・・・。」 |
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電動士 「このようにネジが立ててあるんだな。どうだ、思い知ったか!」
ヤマ 「誰に言ってるんですか?」 電動士 「とにかく。 全ては足回りの位置が決まってからだっ!」 |
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電動士 「だいたいいいようだ。こんどまた一週間後においでっ!」 |