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一か月ぶりの更新です。期間が空いたのは展示会に二回出ていたこともありますが、仕上げに妙に時間がかかったのも理由。 サスペンションの動きがなかなか安定しなかったり、自作デカールが上手く貼れなかったりと、細かいトラブルが重なっていまして・・・。 それでも何とか完成に近づいています。
内部の仕上げはこんな感じ。若干のディテールアップは行っていますが、元が元ですのであんまりやってもウソにウソを重ねることになるかな。 |
基本的に白と緑のツートーンですが、境界に金色の細い線が入っているのが悩ましい。 やり方はいくつか考えられますが、今回はこうしました。 @ まずボディーを金色に塗る(主に線の部分) A 細いマスキングテープを境界部分に貼る B 全体を白で塗る C ボディーの上半身をマスクする(右写真)
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仕上がりは写真の通りです。もっと楽な方法はないかと思いますが、まあ上手くいったので良しとしましょう。 |
普通だったら黒く塗ったスポイラーに白文字のデカールを貼れば一丁あがりですが、今回デカールはインクジェットプリンタによる自作ですから白が表現できない。 そこでスポイラー本体は白く塗り、デカールを貼ってから文字部分をマスキングし、再度全体を黒で塗ることにしました。 |
黒で印刷したはずのデカール、実際には純黒ではないので調色はとても面倒。 頑張りましたが完全一致とまでは行きませんでした。 |
![]() 彼はフィンランド人なので、ヘルメットには個人スポンサーになっているフィンランド企業のロゴが見られます。 |
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※不思議なことにタミヤから型取りしたかのようにそっくり(したんだろ?) 左はそれをやや修正したもの。あごの部分を広くしています。理由はここにもデカールを貼らなくてはならないからです。 |
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![]() 移動電話は1970年代の終わりごろに自動車電話としてスタートしていますが、この機能をそのまま持ち運べるようにしたのが、いわゆる「ショルダーホン」です。 肩から下げるのはでっかいバッテリー。 平野ノラが「しもしも〜」ってやってるイメージですね。 FW09が走った1983年はまさにこのタイプの移動電話が誕生した頃ですね。時代を感じます。 |
![]() そして「MCM」はドイツの鞄・リュックのメーカーです。これもフィンランドではないんですね。
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もうちょっと丁寧に作業すればよかったなと思うものの、正直言って早くおしまいにして次にかかりたいので勘弁してください。 なおシートベルトはモールドそのまま。またSabeltは実際とは違うことは知っていますが、赤が映えると思ってあえてそうしました。 |
今まで書いたものも含めて整理してみると、 ・見た目はどう見てもウィリアムズFW09なのだが、メーカーはオリジナルボデーと言い張っている ・箱絵はどう見てもウィリアムズFW09なのだが、スポンサーロゴの一部が改竄されている ・実車とは全く関係ないデカールが入っている ・フィギュアがタミヤそっくり ・可動式サスペンションのはずだが、フロントはガチガチに固まってしまう構造 ・リアの軸受けの設計が甘く、リアタイヤがグラグラになってしまう ・ディスプレイも兼ねた精密キットなのに、大きなピニオンを使ってまでスピードを出そうとしている ・プラの材質が特殊で、プラモデル用接着剤では上手く接着できない ・モーターライズなのにスイッチらしきものがどこにもない! 電池を入れたら即走り出す。止める時は電池を抜かなければならない(説明書画像参照) ・組立説明書に怪しげな手書きの文字が”印刷”されている(説明書画像参照) まだまだありますが、このあたりにしましょうか。
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こうやって発売年度を見ると1970年代後半にたくさん出ていますが、これは1976〜77年に日本でF1の選手権があったりして多くの人々がF1を知ったことが大きいのではないかと思います。 また1980年代後半からはホンダエンジンの活躍、中嶋悟の挑戦、テレビ放映等でF1ブームが到来。タミヤも毎年数多くのF1キットをラインナップに加え るようになっています。 これに対して1980年代前半の数年間は今一つ地味と言うか印象が薄い感じがあります。実際タミヤもちょっと一休みって感覚です。 |
そしてタミヤが数多くのキットを出している中、どうやって差別化を図るか考えた場合、 ・モーターをエンジンブロック内ではなく燃料タンク内にセットすることでディスプレイとモーターライズが高次元で共存できる ・サスペンションを可動にしステアリングもタイヤと連動させることで、タミヤの1/12キットにも匹敵する魅力が得られる ・リアにデファレンシャルギアを仕込むことで走行性能もアップする あたりのアイディアには説得力があり、これらが全て上手くいけば歴史に残るキットになった可能性もありますね、かつてのマルイのカウンタックみたいに。 だが現実的にはその思想を製品としてまとめあげる実力がなかったのでしょう。結局シリーズ化もできませんでしたし。 でもこのキットからは一つの理想に果敢にチャレンジした心意気を強く感じます。幸いなことに現在でもネットで数多く出回っていますし、皆さんも一度お作りになることをお勧めします。プラモデルに対する概念が変わりますよ。
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