フェラーリディーノ206コンペティツィオーネ その1 下ごしらえ

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このディーノ206は「ひろっしJP」さんがご自分で原型を作り、オリジナルレジンキットとして販売 していたものです。

「ひろっしJP」さんとは毎年、静岡の展示会で楽しくお話しさせていただいていましたが、2012年の5月に闘病むなしく逝去されました。

「ひろっしJP」さんのレジンキットはどれもすごく形がよく、私もいつかは作りたいなと思っていましたが、もう追加で世に出ることはありません。訃報を耳にしてすぐネットで検索し、かろうじて入手したのがこの一台です。

来年の静岡の展示会には追悼の気持ちも込めて持参する予定です。

まずはキットを確認。
シャフトは金属棒ですが、ここまでのパーツは全てレジンです。
ウインドウは塩ビのバキューム。ぱっと見た目では仕上がりがすごく良く、「ひろっしJP」さんの丁寧な 仕事ぶりがうかがえます。
何を置いても仮組み。

リアスポイラーのステーはこのようになっています。

これを取り付けるには、ボディーに切り込みを入れる必要があります。
差し込むとこうなる。

実車はもちろん違っていて、ステーも二つに分割されています。

「ひろっしJP」さんがこのように作ったのは、強度確保のためと思われます。

また、ボディーには二度に分けてレジンを流したと思われる跡がいくつかあります。

私 「これはもしかしたら、ディテールの複雑なところに緩めのレジンを流し、できるだけ気泡を生じさせない工夫なんでしょうかねえ」

天国の「ひろっしJP」さんに心の中で問いかけながら制作しています。

 

タイヤをセットしてみました。

ホイールハウスとの位置関係は、こんな感じが私の好みですが・・・、

私が開けたシャフトの位置は指定よりも3ミリほど下。

つまり指定通りにシャフトをセットすると、さらに車高が下がるわけですね。

「ひろっしJP」さんはさらにぺったんこの車高が好ましいと考えていたことがわかります。

位置調整は塗装後でもできますから、作りながらどうするか考えます。

さて、この作業をやりながら、どうしても気になっていたことがありました。それはフジミのディーノ206 との違いです。

「ひろっしJP」さんのディーノはもう販売されていませんから、新たな入手は困難。一方フジミのキットは絶版ではないようなので、もし私のサイトを見てディーノを作りたいと思った人がいた場合のことも考え ると、両者を作り比べる意味もあるかなと思います。

 

荷物は2013年の元旦に届きました。年末年始休みに入った12月29日にネットで注文したんですが、まさか1月1日に届くとは思わなかった。

私の子供の頃、元旦は店も開いていなかったし車もほとんど走っていなかった。届くのは新聞と年賀状くらいでしたが、今ではコンビニやスーパー、家電量販店も普通に開いている。確かに便利ではあるものの、何か釈然としないものがありますね。

まずは仮組み。

フロントトレッドやリアのタイヤの位置を修正(だって、ずれてるんだもん)しています。

 

上から見てみましょう。

全長がかなり違いますね。

調べてみると、より実車サイズに近いのはフジミの方。

これはちょっと意外でした。

真横から見てみます。
ここまで違うのかとびっくりです。
実車を見たことがないので結論じみたことは言えませんけど、数多くの実車写真(その中には真横からの写真もある)と見比べての印象は、

○どちらが実車に近いかと言えば、トータルではフジミの方かな

○ただし、フジミのノーズの跳ね上がり方は変だし、細部のライン取りに容認できない個所がある

○ひろっしJPの方は実車とかなり異なるプロポーションだが、模型的に「かっこいい」方向にいじられている

これから先、完成に近づいていけばまた感じ方も変わってくるかもしれませんが、今のところの評価はこんなところです。

サフを吹き、ウインドウもカットして当てはめてみました。

「ひろっしJP」と・・・、

「フジミ」です。

 

わかった! ひろっしJPさんにはディーノがあのように見え、フジミの設計者さんには同じディーノがこのように見えたんだ。

そう考えなきゃこの差は説明できないな。

あー、気分すっきり。これでゆっくり寝られる。

 

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