大魔神

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(2025/05/05)

右のポスターをご覧ください。この展示会の主催者「シン・新潟特撮模型狂、」はその名の通りゴジラ・ウルトラマン・仮面ライダーなどの特撮キャラ模型を得意とする凄腕集団です。

今回その展示会に出品したんですが、どうせならイベント内の企画「ムビモン改造コンテスト」にも参加して二倍楽しもうと思いました。

私が選んだ素材はこちら。

おそらく他の人はゴジラやウルトラマン方面で攻めてくると思うので、それにかぶらないようにしたってこともありますが、小学生の時(1966年)に映画館で見た「大魔神」に強い刺激を受けたのも 理由の一つです。

公開時、「大魔神」は「大怪獣決闘 ガメラ対バルゴン」と同時上映でした。ガメラを目的に行ったら無理矢理大魔神も見せられたわけです。

大魔神の魅力は色々ありますが、身長が5メートル前後で一般的な怪獣と比べてかなり小さいところが面白い。このサイズですと戦う側も何とか対策できないかと考え 、例えば鎖を絡めて倒そうとしたりします。そのあたりの生々しさにぞくぞくします。

「ムビモン改造コンテスト」の”ムビモン”ですが、これはバンダイが出している「ムービーモンスターシリーズ」のこと。いわゆるソフビ人形です。

 

「大魔神」の場合、一部を除いて塗装はされていないのでリペイントするだけでも十分作品になりますが、せっかくならポーズもいじりたい。

映画のポスターを参考に改造します。

草摺(※)を切り取り、足と胴体をアルミワイヤーでつなぎます。

※ くさずり。剣道では垂(たれ)と呼ばれる部分

パテで埋めます。
おゆまるで草摺の型を取って・・・、
パテで複製を作ります。
八割方固まった時点で型から取り出します。

いったん両腕を外し、上からかぶせるように草摺を穿かせ、完全に固まらないうちに形を整えます。
修正完了。

腕はいじりませんでした。完成後もポーズ変化を楽しめるので。

続いて大魔神に襲われる家老一派のフィギュアです。

大魔神本体のスケールはおおむね1/35なので、同縮尺の武士フィギュアを探してみたらこんなのがありました。

 

定価は200円。
発売は1975年、50年前ですね。

駿河屋からネット購入しましたが、価格は・・・言いづらいくらい高かったです。まあしょうがない。

問題が二つほどありました。

キットの出で立ち(いでたち)は合戦出陣用なのでこんな感じになっていますが、映画の場合は砦が大魔神に襲われて慌てて武装したって設定ですからフル装備ではない。

具足は一部削り取る必要があります。

そして二つ目の問題はフィギュアの出来がものすごく悪いってことです。

イラストと比べると萎えます。

こんなことなら最初からスクラッチした方が良かったのかもしれませんが、制作に取り掛かったのが松本の展示会から戻った後の四月中旬、そして展示会が5月頭。

実質三週間ありませんので出来には目をつぶり、スピード重視で作業することにしました。

続いて物見やぐら。

角材とバルサで作りました。

やぐらに登っている手下達の目の高さが大魔神と一緒なので、このシーンは特に怖かったです。

やぐらはこの後大魔神によって破壊されます。木材で作ったのは、最後に実際にぐしゃっと破壊しようと思ってです。

もう一つ、建物の一部を作りました。

映画では足軽長屋のようにも見えますが、戦国時代の長屋の屋根に瓦なんて高級品が使われていたのかな・・・、とか考え始めると手が止まるので疑問は無視無視。

瓦はマスターを一個作り、おゆまるやUVレジンで複製しました。

これは大八車の車輪。バルサで作りました。
大魔神とフィギュアはこのように配置します。
地面を作り、建物もさらに汚します。
ベースと建物ができました。
以上で完成です。

建物の方は一部破壊しましたが、物見やぐらは壊すのがもったいなくてそのままです。こういうところの思い切りの悪さや、がっつり汚そうと思っても汚しきれない臆病なところがまだまだだなあと思います。

5月5日が締め切りでしたが、完成したのが4月27日なので実質二週間作業。もっと時間をかければさらに良い作品になったのでしょうが、サクッと完成品が手に入る嬉しさはまた別のもの、作っていて とても楽しかった。


さてこちらは5月5日の展示会の様子。

コンテストには10作品が並び、お陰様で大魔神は来場者による人気投票で金賞をいただきました。

大魔神