トヨタ クラウンロイヤル(GMS125)の制作 その1 下ごしらえ

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(2024/11/24)

新たなネタはこちら、フジミの7代目クラウンです。実車は1985年に発売されています。

7代目のキャッチフレーズは「いつかはクラウン」
「今の愛車は〇〇だけど、頑張って昇進していつかはクラウンのオーナーになりたいな」・・・そんな希望を抱かせる言葉です。

では「今は〇〇」の〇〇ですが、トヨタなら

平社員・係長・・・スターレット・カローラ
課長・・・コロナ
部長・・・マークU三兄弟
中小企業の社長・・・クラウン
大企業の社長・・・センチュリー

あたりがざっくりとしたイメージだったでしょうか。当時はマイカーの多くがセダンでしたし、収入や立場で車を選ぶ、いわゆるヒエラルキーってやつが重視されていて、
「今はカローラだけど昇進したらコロナにステップアップしたいな。そして頑張ればいつかはクラウンに乗れるかも」
が働くモチベーションになっていた人もいたと思います。

今や国産セダンはほとんど絶滅危惧種になってしまいましたが、SUVやミニバンが売れ出したのは実用性でセダンを凌駕しているだけでなく、セダンほどヒエラルキーが明確でなかった部分もあったような気がします。

さてこのキット、現役ですが設計はとても古いやつ。
モーターライズの基本モデルをベースにシャーシを別設計にし、エンジン内蔵にしたのがこちらになります。

ではなぜこれを作るのか、それは展示会用の持ち駒を増やしたいからです。

右は二年前に作ったクレスタ。やはりフジミのキットですが、この時代の国産旧車プラモはとても人気があり、しかもこの作品はそれなりにディテールアップしてあることから、展示会に持って行くと 思った以上に注目を浴びます。

そのため初めて参加する展示会には挨拶代わりに 必ず連れて行きたい作品になっています。

今回のクラウンにもその役目を担ってもらいたいんですね。

キットの出来ですが、もともとがモーターライズだってこともあり残念な部分が多い。そのまま作っても「何だかな〜」になってしまうので、そこをいかにリカバーするかがキモになります。

まず気になったのはヘッドライトの上下の厚み。私にはちょっと薄く感じました。

(ページの一番上にある箱絵を見てください)

また、中に豆電球を仕込める構造なので、反射鏡は再現されていません。

そこでこの辺りはちょいと改造することにします。

まずレンズカバーですが、手持ちのジャンクに使えそうなものがなかったので、タミヤの1.7mm透明プラ板を絞ることにしました。

型はパテで自作しました。

こうなって・・・、
こうなります。
反射鏡はこんな風にしてみました。
まずはこう。

悪くはないが理想にはもう一息届いていません。もしかしたら作り直すかもしれませんが、とりあえず次に行きます。

室内を覗いてみると、ダッシュボードとフロントガラスの間にかなりのスキマがあります。
見過ごせないので直しちゃいます。
サイドビューです。

何か微妙な違和感があるんですよね。キャビン、特に後ろの部分が狭苦しくて、後席に大事な人を乗せる車って感じに乏しい。

試しに実車写真と重ねてみました。上半分がキット、下半分が実車です。

これを見ると後ろのドアが2mmほど狭い。これが違和感の原因の一つでしょう。

ではここを修正するかですが、作業自体はそれほど難しくないものの、今回は無理にそこまでしなくてもいいかなと思い、手を付けないことにします。

ちなみにリアはこんな感じです。

やっぱり微妙に似ていないと感じるんですが、このままいきます。

さて、エンジンルームです。

キットのエンジン本体はとても良くできているなあと感じますが、問題は周囲の補器類が上げ底表現だってこと。

このあたりはクレスタも同様で、いくらきれいに塗り分けてもリアリティーに欠けます。

またウインドウの下部分にも大き なスキマがあります。

外観だけのキットなら問題はないのですが、曲がりなりにもエンジン付きキットと言うからにはこの辺りはちゃんとやって欲しかった。

と言うわけでやることは決まってきます。

この部分はざっくりと切除して・・・、

スキマをパテで埋めます。

ウインドウの下部分も同様に埋めます。

ここに補器類を配置していきます。

各パーツですが、キットのものを流用したものありますが、半分くらいは自作です。

そしてここにエンジン、エアインテークパーツ、ワイパーを乗せると・・・、
こんな感じです。
取り付けるパーツはまだあるし、コードや配管類もこれからですが、オリジナルよりも良いものが出来そうな感じです。

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