15.模型を趣味とすることを誇る・・・02/08/24ネオテニー(幼形成熟)という言葉をご存じでしょうか。簡単に言えば子どもの姿のまま成長して大人になることです。よく知られた例としてウーパールーパー(アホロートル)がありますが、自然界で最たるネオテニーば、何と言っても人間(ヒト)でしょう。
ヒトとチンパンジーはわずか数百万年前に枝分かれしたと言われ、遺伝子レベルでは98%程度まで同一だそうです。同時期に生まれたヒトとチンパンジーの成長を見ていると、2歳程度まではあまり差がなく、一緒に遊ばせることもできるとか。しかし、ヒトが言葉を覚えはじめると急激に差が目立っていく。
では両者は何が違うのか・・。それは成長期間(幼児期〜青年前期)の長さだと言います。チンパンジーが早く大人になり、脳の成長も止まってしまうのに対し、ヒトはそれまでの年数が異常に長い。まあ、チンパンジーに限らず、普通の動物はいち早く大人になってしまわないと、他の動物に襲われる危険が大きくなりますが、ヒトは知恵を持つことで例外的にそのような危険から免れる存在になってしまった。
だからヒトは成長するまでに、例えば”言葉”や複雑な社会のルールを覚えなくてはなりません。そのためには脳が色々なことを吸収できる期間、すなわち若い時代をできるだけ長く持つことが有利です。
この他、チンパンジーの赤ん坊と成長した人の頭部骨格が似ていることも考え合わせ、ヒトはチンパンジーのネオテニーであるという説には信憑性があるのです。
だが、そんな人間もいつかは大人になり、
「あー、本を読んでも右から左に抜けていく〜。」
とか、
「子どもの時放送していた8マンはテレビで2回聞いただけで歌詞を全部覚えたのに、今の歌は何回聞いても・・。」
と、新しいことを覚え、理解する能力は落ちていきます(実感)。
これはまあ仕方がないのでしょうが、さらに深刻なのは、新しいこと、未知のものへの興味がなくなってしまうことでしょう。
しかし、こちらの方には非常な個人差があります。早くから大人になり、20代ですでに「枯れて」いる人もいれば、年をとっても旺盛な知識欲を持ち続ける人もいます。実年齢で簡単に判断してはいけません。
以前、遊びには四つの要素があると書きました。
模擬はいわゆる「○○ごっこ」でして、ここに「おままごと」「戦争」「お医者さん」などの言葉を入れることができ、主に子どもが興味を持つ遊びです。
模型も「本物ごっこ」だとすると、”模擬”のジャンルであると言えるでしょうが、では大人でこれに興味がある人たちを、どう評価したら良いか。
結論はもうおわかりでしょう。
我々はまだ成長過程にあるのです。模型を趣味にしているのは想像力が豊富で、柔軟な頭を持っている証拠なのです。
我々はこれまで「いい年をしてプラモですか。」と言われたり、言われないまでもそのような目で見られたりしたかもしれません。
でも大丈夫。以上の根元的原理を理解していれば怖いものはありません。今は柔軟な吸収力と感性が求められる時代。プラモには追い風が吹いているのです。
(いいのだろうか、ここまで言い切って・・・。)
14.プロのモデラー・・・02/05/18ごくたまーにですが、メールでプラモの製作依頼を受けることがあります。ありがたいことなんでしょうが、お断りさせていただいています。
プロとしてサイトを開いているなら別ですが、私は趣味で模型を作っていますし、例えわずかであってもこの方面でお金を手にしようとは思いません。
で、プロとアマの違いについてちょっと考えてみました。
○プロはアマよりも技量が上である。
ほとんどの場合、そうでしょう。でも高校野球や社会人野球のトップクラスは、下手なプロよりも上の場合がありますが。
○お金をもらってやるのがプロ。それを職業としているのがプロ。
アマチュアスポーツ選手などで、大金を稼いでいる人はいますが、一般的にあまり異論がない考えでしょう。
職業とするからには、クライアントの要望を確実に満足させる必要があります。Q(品質)、C(コスト)、D(デリバリー・・納期)ってことで、「今日は気が乗らないからパス」ってわけには参りません。
模型の場合も締め切りに縛られないアマの方が、プロの雑誌作例より手間をかけた作品を作れる場合もあります。ただしその人が職業として模型作りをした場合、プロとしてやっていけるかは疑問。アマの場合はやるもやめるも基本的に自由ですが、仕事には締め切りがあります。また作品は常に一定以上のレベルを維持していないとなりません。
こんなことを考えると、プロってのは、
○仕事結果にムラがあってははならない。
となります。
毎日外食をしていると飽きる・・この理由の一つに、「店屋物はいつも味が同じ」ってのがあるそうです。家庭料理は毎日微妙に味が変わるから飽きないんだそうですが、これはプロでないありがたさか!
ただ、
○プロは他人を喜ばせるために存在し、アマは自分が満足するためにそれをやる。
ってことを考えると、毎日おいしいご飯を作ってくれるおかあさんは、立派なプロであります。
自分が楽しいからやるのが趣味であって、これを職業とした場合、楽しさだけでない色々なものを抱えることになります。
模型を作って仕事にする・・、一見楽しいようですが、そう簡単なものではないと思いますよ。
話が落ちないんで、完成模型の値段について・・。
相互リンク先の皆さんも、あるいは「作ってくれ」なんて依頼を受けることがあるんでしょうか?
最近は作るより集める方を趣味とする人が多くなっていますから、プラモも出来の良いものがあったら購入したいと言う人がいてもおかしくない。
では、例えば1/24のカーモデル完成品はどのくらいの対価を払う価値があるのか・・。
ネットで完成品を販売しているところを眺めていますと、大体2万円〜6万円あたりが多いようです。キットが2000円程度、これに塗料なども加えても原価は3000円から4000円くらいか。
とすればずいぶん高いと思われるかもしれませんが、おそらく完成まで30〜40時間はかかることを考えると、仮に人件費がバイトに毛の生えた程度の、時給1000円としても・・。ね。
だから私なんぞは、プロが作ったキットを3〜4万円で買えるのなら、これはほとんど「持ってけドロボー」の世界だと思っています。
12.プラモと女性・・・02/03/29先週に続き、しつこくこのテーマに切り込んでみます。女性にとってプラモ・模型ってどういう存在なのか・・これに関し、掲示板で色々な感想・意見をいただきました。
ハンドル |
意見・考え
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タナヤン |
昔、大学生の頃
学祭でプラモの展示会を数回行いましたが、 一番受けたのは
1/144のガンプラの隣に置いたNゲージのストラクチャーの岐阜市営バスだな。 |
KAD |
一般的な女性が「かわいい」と感じるものにミニチュア模型(車、戦車ets)は入っていないとは思いますが、
身近な女性(かみさん)を見ていると(その友人も)、一般的ではない趣味の女性も結構いるような気がします。
模型自体はしょっちゅう作りはしませんが、
「ガンプラ」「フィギュア以外のキャラクターもの」「戦車」「ジオラマ用の小物」
などが好きなようで、模型屋についてくると戦車やら艦載機セットやら、最近ではあの、でっかいガンプラ(1mの1/144のあれ)を欲しそうな目で見つめています(買えないよ〜)。 |
TAC |
ワタシの乏しくセツナイ経験から言わせていただきますと、模型にも様々なジャンルがありますが、自動車を綺麗に作るヒトがいちばん「もて」ます。
ですから、カーモデルを緻密に美しく仕上げられ、なおかつ”ダンディライオンフェロモン拡散波動砲全開ウンチクグランドスラムボマー633爆撃隊状態”の電動士さんは23〜26歳あたりの女性にウハウハのハズです。
昔は「趣味がプラモ」と言っただけで女性にはけっこう引かれましたが、最近はそうでもないようですね。
ただ、作り方を教えてほしいとか何とか言われたとき、当初は「やっぱガンダム系が作りたいっていうのかな?」と思いましたが、統計的に言えばたいてい「スープラが作りたい」「ゼファーが作りたい」「おっきな4駆が欲しいのぅ(はぁと)」……みたいな。
戦車はダメか?と聞くと……ドロの固まりにしか見えないみたいっすよ(T_T)。 |
モーリー |
女性にモテるのは・・・これまた難しいのかなぁ? 私も飲み屋で「私の趣味はプラモです。」
って言ったところで、「プ・プラモ〜???」ですものねぇ(苦笑)。
まっ、こっちはモテる目的でやってはいないにしても、多少はモテたい???のかなぁ・・・。 |
jimmy |
女性はかわいい物にひかれます。例えばカフェテラスセットもお菓子で出来てるとか、宝石がちりばめられてるとかすれば興味も湧くかと思いますが、男性はというと最新技術で本物そっくりに精巧に出来ている方が興味湧くと思います。
つまり女性は現実を見ると言うより、空想物や柔らかい物
そしてかわいい物に興味ひかれるのではないでしょうか。そうすると堅くてかわいくもない現実物のミニチュア模型なんかは見向きもしないと言うのが分かるような気がします。
つまり夢が違うのではないでしょうか。 |
謎だ!OHara
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プラモデルと女性に関して研究中なのですが(そんなの研究してどーする?)
「かわいい」は感嘆詞である。それに落ち着きました。
つまり、素人さんが、どこにインパクトを感じたか!のようなもので、
車はもてるとか戦車はダメだとか色々とご意見があるようですが
基本的にそのようなジャンルでの境など無い事もわかりました。
ただ我々がスケールモデルに対して求めるのとは、方向性がまったく違うのは確かで、
精密さ・正確さ・技法の難しさ表現などには関心は無く、単なる第一印象みたいなものが重要。
要はミニチュア、スケールモデルである必要はないのです。
(アニメ系での設定資料との整合性とかも、これに近い問題か!) |
小豆色の所は、私が特に共感した部分です。例外もあるのはもちろんですが、一般的に女性は、精密さとか、再現性とか、いわゆる「模型」が大事に考える部分は重要ではなく、手に取った対象そのものに対し、「好き・嫌い」を判断するようですね。
♪男の子と違う女の子って 好きと嫌いだけで 普通がないの〜♪
おお、これはまさに私が歴代アニメ個人的ベストテンに入れている「クリーミーマミ」ではないか!
(しまった! ステージが下がる)
何はともあれ、楽しくプラモを作っていきましょう〜。
11.プラモでモテる・・・02/03/23リアカーにワイヤースポークなどを張りながら、ふと思った。このホームページを開いた目的は何だったっけ・・・・。と思いながらあわててここを見る。
実はこのページ、定期的には見直していて、最初は「ラジコンのセッティングをまとめたい」などと書いていたけど、こっちの方は正直開店休業に近く、自分でもプラモの方が面白くなっているので、ある時ばっさり切ってしまった。
だが「子供が遊べる模型のアイディアを出してみたい」は本当。「模型界の発展」のための活動はライフワークだし、常に考え続け、提案は続けていこうと思っている。
さて、今までの考えの流れとしては、
子供に模型の楽しさを伝える→子供が模型を買うことで、メーカーも喜ぶ→模型を通して子供が科学技術に興味を示す→日本が発展する→ウマー。
だったのだが、どうもこの作戦は簡単にはうまくいかないようだ。
最近の掲示板でのやりとりや、「I LOVE TAMIYA展」のにぎわいなどから考えるに、いっそのことターゲットを女性まで広げてはどうだろうなどと思ったりする。
多くの女性はプラモ屋に出入りしない。理由はまず「メカもの、兵器もの自体に女性は興味を示さない」があると思うが、この他に「部屋が汚れる」「手が汚れる」「模型はかわいくない」「塗装は臭い」などを挙げてもいいだろう。
だが「ミニチュア」に女性が興味がないわけではなく、「工芸」「クラフト」「アート」「ドールハウス」などの方面なら女性はいくらでも活躍している・・。いったいどこが違うのか。やはり「エンジンブルルル」「大砲ちゅどーん」ではないか。
では「模型」のテリトリーの中で女性を引きつけることができるものは何か・・。女性はどうやら「かわいいもの」「ちまちましたもの」「きれいなもの」が好きらしいから、例えば・・、
○おしゃれなショウウィンドゥを持った店舗のキットを作り、別売りの「ブティックセット」「カフェセット」「ジュエリー店セット」などを買えば、たちまち好みのお店ができます。
○チロリアンハウスとサンタクロースセットでクリスマスの季節に集中拡販。
なんてのは「あり」だと思ったりする。最新の技術でリアルに作るんだよー。
こういうものがはやると、プラモが作れる男は「ねえ、私に作って〜。」とモテモテになるかもしれないのだ(←これはあくまでも余録です)。
10.プラモ業界よ、「食玩」に負けるな・・・02/03/09色々情報を集めてみると、「チョコエッグ」などに代表される食玩(精巧なおまけのついた菓子)の市場は大きいらしい。
●2001年の市場は540億円とも600億円とも言われている。
●フルタ製菓のチョコエッグシリーズは、これまで累計で7500万個売れたらしい(これからはアレがナニだけど)。
●昨年11月に発売開始した江崎グリコの「タイムスリップグリコ」は年間10億円の予想を早くも上方修正、20億円はいける勢いとか。
●タカラではチョロQの入った子供向けシャンプーを販売したが、今後は「リカちゃん人形」の入った女児向けシャンプーも出すらしい。もしこれが1/24サイズくらいのフィギュアだったら、色んな人が買うと思うぞ。
一方プラモの業界だが・・。
いつも行きつけのクリヤマ模型さんは、ラジコンからプラモ、フィギュア、鉄道模型、ミニカーなど、まんべんなく品揃えのある店なんだが、この前聞いたところではプラモは売り上げの6割くらいで、その内訳は、
●ガンダムなど・・6割
●クルマ・・2割
●戦車、飛行機、船など・・2割
くらいとのこと。
これに業界大手の田宮模型の売り上げ(推定140億円)を加味し、適当にアタマの中で計算してみると・・・どうやら「食玩」はプラモより大きな市場かもしれないという推定がでてくるのだ。何ということだろう。
考えてみれば、2000円のプラモを買って、塗料などを揃え、さあ!と取りかかっても、完成までは1ヶ月かかるかもしれない。それに引き替え「タイムスリップグリコ」は一個が僅か200円だけど、ついつい10箱も買うのは簡単なこと。プラモは誰でも作れるものではないから、確かに分が悪い。
それに今の食玩の出来のいいこと! やっぱり努力しているんだ。
まいったな〜、これじゃイマイも倒産するわけだ・・・。何とかしなくてはと焦るけど、まずはメーカーがアタマをひねって、売れる企画を考えなくてはならないだろう。タミヤのように、10万円のラジコン戦車や栄エンジンの音がでる零戦も一つの方向だろうが、大きな流れとしては、
●手軽に
●でも出来はちゃんとしている
がキーワードになると思う。また残念ながら第二次大戦までの兵器は、特に若い人を集めるにはつらいかもしれない。だから・・、
●1/43でクルマやカーポート、家、ショールーム、家具、家電製品までもキット化します。
●それらは一部は彩色済み、パチパチと接着剤なしで組んでいきます。
●クルマは小型モーターで走らせることもできます。
●一つ一つはとっても安価です。
と言った箱庭方向もありではないかと思っているのです。
6.何で模型作りはこんなに楽しいの?・・・01/12/01ル・マン ギャラリーが終わりました。参加者は27人、のべ46台の車両が並びました。
最終日ぎりぎりまで塗装、撮影に追われた人もいて、回りから「がんばれ」の声がかけられていました。
私もこの二ヶ月、童夢の製作と工作室の執筆(おいおい)で思いっきり遊ばせていただきました。祭りが終わった後の心地よい気怠さに浸っています。このような楽しい遊びの場所を提供してくれた、Mizさん、さかもっちゃんに心より感謝いたします。
ところで、皆さんはなぜ模型作りが面白いか、考えたことはありますか?
「だって面白いからだもん。」・・・いや、それでは話が進まない。
社会科学者のロジェ・カイヨワさんという奇特な方は、「遊び」を4つに大別したそうです。
競技・模擬・運・眩暈(げんうん・・・めまい)
なるほど、ではこれにいわゆる個々の「遊び」を当てはめていきましょう(いろいろな資料を見て、私なりにまとめました)。
1.競技・・・スポーツ、コンテストなどですね。等しい条件で、知力体力を競えば、勝者には優越感という快楽が与えられます。今回のルマンは商品が出るようなものではありませんが、12月1日の午前零時までにMizさんに画像を送ったものが「あがり」という、はっきりとしたルールのある、一つの競技でした。
2.模擬・・・いわゆる「○○ごっこ」です(最近は○○プレイとも言う・・コスプレとか)。子供の時の遊びはかなりこれ。また広く考えれば、演劇、映画なども入るでしょう。模型の楽しみは基本的にここにあるようです。ものの本によると、「ごっこ」は絶え間ない創作なんだそうです。
3.運・・・ギャンブルですね。私はあまり興味がない。
4.眩暈(めまい)・・・スノボなどの多くのスポーツ、ジェットコースター、あるいはスポーツドライブもこれにあたるでしょう。危険な領域に踏み込むスリルかもしれませんね。
多くの遊びはこれら4つの要素が複数絡み合っているそうです。
なぜ模型は楽しいか、何となく見えてきませんか? 作り込んだ模型は究極の模擬と言える、レベルの高い趣味だと断言します。
ついでに・・。ラジコンやスロットレースって、よく見たら4つの要素をすべて兼ね備えているんですね。
5.「できた」と「作った」の差・・・01/10/27先日、某勉強会のからみで、朝日酒造さんに行ってきました。(もう4,5回は行っています)。「久保田」と言えば、酒好きさんはご存じの会社でしょう。
新潟には「越の寒梅」「雪中梅」「八海山」「〆張鶴」など、中には東京でウソみたいな値段で取引されている銘柄が多数あります。
「久保田」もその一つかもしれませんが、このところ新潟の酒の評価が高いのは、
・原料となる米や水の良さ
(ちなみに朝日酒造では、酒造りに最適な特殊な品種を、自分の田んぼで栽培したりしている)
・技術力の高さ
・端麗辛口方向が現在の消費者の指向と合っている
さらには
・杜氏の目配りが隅々まで届くくらいの生産規模
ってところもあるかもしれません。
朝日酒造の工場は超近代的です。ただし、生産工程は決してオートメーションではなく、力仕事の部分や機械に任せておけば良いところ以外は、かたくなに伝統的なやり方を続けています。
工場長さんから色々説明を受けたのですが、その中で特に心に残った言葉を紹介しましょう。
「今の技術があれば、機械に任せて酒を造ることはできます。だが、米や麹は生き物。ウチでは工程の隅々まで人が目を配り、狙った味に仕立てて行きます。そうすることで、”できた酒”ではなく、”作った酒”になるのです。」
かっこいいです。このフレーズは他にも応用できそうです。
「プラモが完成したとき、”できた” と思うのではなく、”俺が作った”
と思いたいもの。そのためにも、作品にどんな情熱や工夫を込めましょうか。」
○新潟には蔵本が数十社ありますが、その全部の生産量を合わせても、灘、伏見方面にある最大手の某社一社に届かないんだそうです。
○お米のタンパク質は粒の外側に多く集まっています。タンパク質はすっきりした味にはじゃまなので、米を磨き、外側を削り落とします。高級な酒になるほどたくさん磨く(精白率を高める)ので、原料費は高くなるわけです。
もちろん米作りに適した品種の選定や、有機肥料を減らした農法(減肥栽培)などもポイントです。
3.武器の模型を作るということ・・・01/9/15アメリカの同時多発テロは、信じられないほどの人的被害をもたらしました。なくなった一般市民の方々、救助にあたり殉職した、消防士、警察官の方々のご冥福を心からお祈り申し上げます。
先の100年間は「戦争の世紀」と言われました。それは21世紀こそは戦争のない世界になってほしいという願いも込められた言葉だと思いますが、想いはかなえられないかもしれません。人間の歴史はまさに戦争と共にあり、規模の大小こそあれ、人類の歴史が始まってからこの方、世界のどこかで紛争は起こり、止むときはありませんでした。
太古の昔、石や動物の骨などを掴んだ者は、それが獣を獲るためだけでなく、実に効果的な武器であることを知りました。骨は青銅や鉄の剣に形を変え、あるいは弓矢などの発明で威力は増していきました。現在の戦車や飛行機、あるいは核兵器も、その延長線上にあるに過ぎません。
「ヒト」は他の動物よりはるかに好奇心に富み、欲が深く、同種の他の個体に対する意識も過剰です。だからこそ「ヒト」は便利な道具や文明を生み出し、あらゆる生き物の中で圧倒的に優位な位置を得たわけですが、その力はいったん争いに使われると過剰なまでにエスカレートしていきます。「文明」と「戦争」はヒトそのものの、形を変えた表現なのかもしれません。
考えれば車も不思議な「道具」です。どんな強力なエンジンをつけても、その力を発揮する場所などほとんどないことを知りながら、多くの人はハイパワーでスタイルの良い車を求めます。また機能的にはそれほど変わらないはずなのに、高級車を欲しがります。これは一見無意味なことのように見えますが、「より腕力の強いこと」「より(財産などを)持てる者であること」が回りの誰にでも認識できた古代に比べ、その人の力がなかなかわかりにくい現代では、車は形を変えた「武器」なのかもしれません。
特に男性にとって、武器や戦いにある種のあこがれを持つことは本能と言えましょう。特に戦車や軍用機、軍艦などは力強さの象徴。今私は「たまたま」車の模型を作っていますが、零戦、大和、パンサー戦車などは原点であり、いつかはまたそういうジャンルにも復帰したいと思っています。
なぜ私が無性に兵器の模型を作りたいのか。なぜ模型屋のショーウインドーで兵器模型の完成品を見るとワクワクするのか、なぜ本物の兵器に対してもあこがれを抱くか。それはきっと男の子の本能がそうさせているのです。
もちろん、私は戦争賛美者ではありません。兵器は実戦で使われないまま朽ちていってほしいと思っています。
このことは、私の心の中では全く矛盾していません。本能は本能として認め、それを英知でコントロールしていくことが「ヒト」の成長なのだと思うのです。
2.プラスチックがわかればプラモもわかる・・・01/5/12世の中にあふれる様々なプラスチック製品がいったいどのように作られているのか、はたまたその材料にはいったいどんな種類があるのか・・、まあ、大多数の人にとってはどーでもいいことで、ある意味でそれは正しい。
だが俺の場合は耐久消費財メーカーに勤めていて、商品企画にも参加しているから、材料としてのプラスチックの強さ、光沢、発色、コスト、精度、生産性
などは一応知っておかないと仕事にならない。
とは言っても、プラスチックに対する知識は、ほとんど幼少の砌(みぎり)からのプラモ作りで得たと言っても良いだろう。
だいたいプラモをやっていれば、
同じスチロール樹脂でもメーカーによってずいぶん硬さや艶などに差があるのが興味深かったし、子供の頃から「バリ」「ランナー」「ひけ」「ゲート」
「突き出しピン」「クラック」などの言葉とは”おともだち”。
その後に覚えた、
「ショート・ショット=充填不足」
「ウエルドライン=射出成型機から金型へ送り出された
樹脂が、合流した合わせ目のところで筋状にみえる部分。当然強度としては弱くなりがち」
「シボ=一例は1/25パンサーで強調された”梨地仕上げ”」
「抜き勾配」
などの用語も、プラモを思い出せば、「ああ、あのことか」
とすぐ理解する。
小学校4〜5年の時作った大滝の疾風は、モーターライズでフル可動の大型キットだった(推定※1/30)。で、完成して遊んでいたら、左主脚がいとも簡単に
ポッキリ(根本から)!
親父に頼んで何とか繋いでもらい、また遊んでいたら、今度は右主脚がポッキリ(根本から)!!
「ロッキードF104J(中型)の時も折れたじゃん!」・・・俺、あの日から大滝はあまり信用しなくなった。
今考えれば、あれはちょうど折れた部分にウエルドラインがあったのではないかと推測している(流動解析などしてなかったんだろう)。
そんな大滝もつぶれちゃったね。
※同時期に友人が作った1/35ニチモの紫電改より一回り大きかったから
射出成形のしくみ
●ホッパー(銀色のところ)に入れられたプラスチック材料(ペレット)は、その下左の加熱されたシリンダに送られ、溶融する。
●右にある射出シリンダーからの圧力で、樹脂は金型(オレンジのあたり)内に送り込まれる。
●しばらく保圧した後、金型は冷却され、成形品の取出(離型)しという工程になる。
●金型を開いての離型の際、成型品を金型からはがすために必要なのが「突き出
しピン」。 これが「フルビュー何とか」や「透明かんとか」を作る際の鬼門となる。
1.田宮模型を支える新潟県三条地区・・・01/8/12行きつけのクリヤマ模型さんがある新潟県三条市は、刃物や工具など金物の産地として有名だ。又隣町の燕市は洋食器の産地として知られている(学校で習ったことがあるでしょ?)。
三条市がなぜ、刃物や金物の産地になったかについては、新潟が農業県なので、農機具産業からの流れがあるなどと言われている。だからクリヤマ模型のラジコンチーム(SRD)の何人かは、仕事が金物・工具関係だったりする。そっち方面の会話は濃いよ〜。
さて、皆さんはプラモ作りにタミヤの「クラフトツール」を愛用しているかもしれないが、それらはどこで作られているのか? そう!かなりのアイテムが、三条製である。
ペンチ、ニッパー関係は、「マルト長谷川工作所」、ドライバー関係は「(株)兼古製作所ANEX」である(これらはクラフトツールのブリスターに書いてあるよ)。あと、ノギスは「シンワ測定」のはずだ。これらはここでは「近所のあの会社。」で通るのだ。
さて、夏だけはラジコンをやる私は、今「TB−01EVO」で四苦八苦しているのだが、このクルマ、モーターの交換が非常〜〜〜〜〜にやりにくい。TBシリーズはモーターが縦積みなのだが、後ろのサスペンションがじゃましてモーターを止めるねじにレンチがまっすぐ入れられないのが、理由である。
「おーい田宮さん、何とかしてくれ!」と思っていたら、SRDメンバーから、「会長(俺のことだよ)TB−01EVOでしょ? これ、「(株)兼古製作所ANEX」で作っているんだけど、あげますよ。」と頂き物をしてしまった。
おお!これは前から欲しかった「ボールポイント
ドライバー」ではないか!
写真を見ておわかりの通り、ボールポイントドライバーは断面は六角形だが、横から見ると先端が丸められているので、ねじに斜めに当ててもちゃんと回せるのだ。
早速持ち帰り、使ってみる。・・・・・ご・き・げ・んである。
タミヤさん頼みます。ぜひこのようなものを「クラフトツール」に入れてくださいな。で、どうせならモリブデンバナジウム鋼ではなく、硬質クロム鋼でも使っていただき、シャフトも六角形引き抜き材ではなくポリゴンで削っていただいて・・。
(ちょっと一企業の宣伝モードになってしまいましたが、全国のTB−01ユーザーは諸手を上げて歓迎すると思うので、他意はありません。)
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