番外・・タミヤニュースに関する主な出来事(前編)

 
2-番外1  妹の横目日記−番外編&エピソード0(前編)

【秘密】(名・形動ダ)
@ほかの人にわからないようにかくすこと。また、かくすこと。「−兵器」
A人に知られないようにすること。公開しないこと。

これは私が中学から愛用している国語辞典に載っていた「秘密」についての解説。今回、兄が半年近く隠していたタミヤニュースの事柄は、まさしく、辞書の解説にぴったりの日々でありました。

そこで今回、横日日記番外編&エビソード0ということで、兄が秘密にしていた『タミヤニュース』公開までの道のり、並ぴに、公開後の様子はどうだったのか?妹なりの目線で見たこと、感じたこと、経験したことを、日記形式で語ってみたいと思います。

2001.01.04

兄のホームページ初見学。その際、兄、自分のホームページが写ったパソコンの画面を見つつ、
「田宮模型の社長さんがホームページを見て、メールで感想を送ってくれれば最高なんだけどなあ〜……」
かなわぬ願いは承知の上さ、と言いたげなニュアンスでポツリとつぶやく。
妹、その時は軽く聞き流していた。

が、今から思えば、これが、半年以上にもわたる一連の騒動の始まりを告げる出来事だったのかもしれない……。

2001.02.04

兄一家、来訪。その際、兄の口から、寝耳に水の状態で『タミヤニュース(当時はまだ、社外報と聞いていた)』取材の件を聞く。

「4月に入って会うことになった。『優先させたい記事がある。それを先に載せるので、それからにしてほしい』といわれた」
とのこと。

また、助手さんのホームページをチラリと覗いた際、兄、
「5月に『タミヤニュース』に関する本が出る。それには助手さんも参加しているんだって」
横で見ていた妹に、さりげなく情報を伝授。とはいえ、タミヤニュースの実物も見ていない妹、実感湧かず。いつものように軽く聞き流すだけだった。

2001.04.30

兄一家来訪。その際、兄より、東京出張の際、『タミヤニュース』担当の人と会い、取材を受けたことを聞く。

2001.05.02

兄のホームページ見学ヘ。その際、[ツインスターメーリングリスト]メンバーのホームページ内、製作者紹介の中で、
『タミヤニュースに載った』
という内容、発見。
しかし、自慢している感じはなし。それどころか
『模型ファンの愛読書、タミヤニュース。そんな小冊子に自分のことが紹介された。昔の話とはいえ、いまだにその時の感動がよみがえる。いや〜、こんなに素敵なことが味わえるなんて……。ああ、わが模型人生に悔いなし』
その時の感動が素直に伝わる書き方。模型歴にさんぜんと輝く出来事だったのだろう。

妹、その画面を見つつ、
「へエ〜、『タミヤニュース』って、模型界ではそんなにすごいことだったとは……」
おぼろげながら、実感。

2001.05.03

兄一家が帰り、しばらくたった後、メグさん、愛犬ルナちやん(♀)を連れ、来訪。

メグさん、私の
「『タミヤニュースに載る』、ということは、模型の世界では“箔が付く”というか、一つのステータスになるらしいんだ」
という話を聞くものの、実感が湧かないのか、
「ふう〜ん。そうなんですか……」
いつものさわやかな声はどこへやら。気のない返事をした後、しばら沈黙。そして、ふと思いついたように、こうつぶやいた。

「それって『直木賞』を受賞したくらい、すごいことなんでしょうか?」

妹ビックリ!なるほど、そういう例えもあるか(でも、読書家のメグさんらしいコメント)。

「う〜ん……どうなんだろうねえ……」
「いや、だって、全然思いつかないんですもん。本当、わからないですよね」
「本当、わからないんだ」
「う〜ん……」
「う〜ん……」

2001.05.24

ここのところ、『タミヤニュース』に関する情報が人ってこない。
兄はバックナンバーで、自分の記事がどんなもので、どこに載るのか確認済。出るのを心待ちにしているのだろう。

・どこにあるのだ、『タミヤニュース』?
  (だって書店にないんだもん)
・いつ出るのだ、『タミヤニュース』?
  (月刊誌らしいことはわかっているけど……)
・本当にあるのか、『タミヤニュース』?
  (だって実物を見たことがないんだもの)
・あ……もしかしたら、兄上の、季節はずれのエイプリルフールかしらん?
  (でも、あのヨロコンでいる顔は、うそぢや、ないな)
なんてことを考える日々を送っていた。

そして、今日。朝、いつものように玄関の郵便受けから新聞を取り出し、一面をチラリとみた妹。その時、思いもよらぬ情報が目の前に飛び込んできた。

[タミヤニュースの世界]、明日25日発売。

一面下段、書籍広告欄のほぽ中央に発売予告のお知らせが載っているではないか!
おおっ、もしかしたらこれ、前に兄が
「5月に『タミヤニュース』に関する本が出る。それには助手さんも参加しているんだって」
と、話していた、あの本ですかい?

これはメデタイ!なんせ『田宮模型全仕事ピジュアル版全3巻』に関わった助手さんのことだ。今度の本も、資料てんこもり。読みごたえあるかもしれないゾ。
が、それよりなにより、これで『タミヤニュース』の正体がわかる。兄も載ることだし、参考書代わりに読むゾウ〜。
でも値段が……。結構するわな(¥2,200+税)。
よっしや〜、早速、図書館に予約だあ!
新聞を片手に心の中でガッツポーズをする妹でありました。

2001.05.31

メグさんの家にホームページ見学。その際、
[タミヤニュースの世界]
という本が出たことを報告。事情を知っているメグさん、即座に
「私も読みたいです!」
そこで図書館に予約した旨話すと大喜ぴ。妹の話を聞くうち、
『読みたい……』
という願望モードから
『絶対に読むぞ!』
の信念モードに変更したようだった。

その後、メグさん、兄のホームページの掲示板に
「[タミヤニュースの世界]が発売になったことを妹さんから聞きました」
と書き込み。妹、驚きつつも、兄の返事がどう来るか、次回のお楽しみにしておくことにする。

2001.06.17

兄一家、来訪。以下を質問。兄より返答をもらう。

「タミヤニュースはいつ出るのか?」 「7月の頭に出るよ」
「どこに置いてあるのか?」 「模型屋と、郵送による定期購読者向け。」
「書店に売ってる?」 「いや、売ってない」・・・(道理で見かけないと思ったんだ)
「[タミヤニュースの世界]はいったいどんな内容か?」 「今までの総集編。創刊号を復刻したものが載っている。助手さんが編集を手伝った。」

妹、遅まきながら、『タミヤニュース』の発行状況を確認。とはいうものの、現物を見ていないので、兄のいう『嬉しい出来事』がどのように嬉しいのかいまだに実感が湧かず。
それよりも
『早く来い来い[タミヤニュースの世界]。まずはこれでお勉強〜♪』
具体的な内容を知るにつれ、図書館に予約した本が手元に届くのを心待ちにすることに決めたのだった。

2001.06.30(公開まであと10日)

仕事に行く道すがら、書店に寄る。すると雑誌のコーナーで、[タミヤニュースの世界]発見。あまり時間がなかったので、表紙と、オビと、あとがきをチラリ。あとがきで助手さんの名前を見つける。
次いで奥付を見ると、増刷されたのか、1か月足らずで第2刷。妹、改めて、模型人口、並ぴにタミヤファンの多さを実感。同時に『タミヤニュース』をまとめた本ができた年に、本家『タミヤニュース』に兄が載る、という、キリ番ごときの不思議な縁に、思わずニヤリとしてしまう。

2001.07.01(公開まであと9日)

義姉の祖父の法事に出かける父に便乗し、兄の家へ。

兄より、[タミヤニュースの世界]を借り、チラリと拝見。同時に『タミヤニュース』の最新号を見せてもらい、自分はどの連載記事に載るのか教えてもらう(皆様ご存知の“模型ファンをたずねて”コーナーです)。
そして帰りがけ、他の号がないか兄に聞くと、兄、スーパーの小袋いっぱい、約2年分のバックナンバーを貸してくれる。
帰った日の夜、早速斜め読み。いろいろな模型が出てくるので引くかと思いきや、横目日記・5月27日分で、

だってAFV方面が「戦車の模型」だってこと、
全然知らなかったんだもん。
(T_T)

と、カミングアウトをしたおかげで免疫がついたらしく(それとも図太くなった?)、拒否反応ゼロ。写真を見ているだけで十分に楽しんでしまった。

2001.07.07(公開まであと3日)

絵本の読み聞かせ(本日は七夕スペシャル)の途中、出番が終わり、仕事に出かけるメグさんに、兄から借りた『タミヤニュース』の中からダブッていた355号と380号を渡す。
読み聞かせ終了。帰りがけ、会場となった公民館の別室にある図書館の分館に寄る。すると、予約していた[タミヤニュースの世界]が届いているとのこと。早速貸出し手続き。ホクホク顔で家路につく。

夜、ひたすら[タミヤニュースの世界]に没頭することに。とはいえ分量が多いので、まず、兄が載るという『模型ファンをたずねて』のコーナを開き、読み進める。が、今までに登場した人物一覧を見ていくうち、妹、ピピル。なんと、そこに登場しているのは妹も知っている著名な方ばかり。

だって、

石坂浩二さんでしょ(「なんでも鑑定団」にクリヤマ模型さんの親父さんが出た時、田宮のバッチで話が弾んだ理由、これで納得)。

小松崎茂さんでしょ(サンダーバードの模型が欲しい!今から十数年前、復刻版の模型が出た時、こう思った妹。その理由の1つに、小松崎さんが描く箱絵に惚れ、手元でじっくり見てみたかった、というのがありました)。

三遊亭金馬さんでしょ(やや、これは初耳)。

大塚康夫さんでしょ(予想はしてましたが……。でも、持っている模型はジープじやなくて戦車。その代わり、記事の方はジープの話がてんこもり)。

松本零士さんでしょ(あれ?トレードマークの帽子、まだかぶってない)。

中島悟さんは、まあわかるとしても、小倉智昭さんやロックバンド「ザ・ハイロウズ」の2人はちょっと意外。

そしてそのままぺージをめくり、『模型ファンをたずねて・リスト』のぺ一ジを読み進めていくと……。あ、助手さんの名前、発見(246号)。おお!新潟県出身の関取大寿山(138号)。あの掛布雅之さんもいる(329号)。す、すごいぢや、ないか。まるで有名人のてんこもり。あの顔、この顔、みーんな模型ファン?ヒエー!

ほ、本当にいいのか、兄上?
一介のサラリーマンがそんなところに出て
(・_・);;

うわ〜、こりや、ただじやすまんぞ。妹、公開3日前にしてようやく実感(おいおい)。
なるほど、これなら兄が秘密にしたくなる訳だ。“模型ファンをたずねて”は、新聞でいうところの一面記事の連載コラム。皆さんが憧れる場所だもんね。

2001.07.08(公開まであと2日)

夕食時、父、
「今日あたり、この前の法事の時に(父が)取り違えた分の喪服を持ってくるかな、と思ったんだが、来なかったな」
私に対し、少々不満げな声で言ったので、
「もしかしたら、今月発行の『タミヤニュース』に兄のことが載るから、それも一緒に持って来るのかもしれないよ」
と、答えたあと、事情を説明する。

父、兄から話を聞いていたものの、詳しい事情を知らなかったらしく、私の説明にブ然とした表情ながらも納得。そんなやり取りを聞いていた母、
「『タミヤ』なんて、ひさしぶりに聞く名前ねえ〜」
父とは違い、明るい声でつぶやいた。

2001.07.09(公開まであと1日)

夕食を食べていたPM6:30ごろ、メグさん、1人で来訪。
「あれ?ルナちやんは?」
「家にいます。今、別の用事の帰りに寄ったもんで……。これ、ありがとうございました」
メグさん、おととい貸したタミヤニュースを返してくれる。
「隅から隅まで丁寧に見させていただきました。お兄さんの名前、載ってましたね」
メグさん、兄の名前をしっかりチェック。そうなんだ。なんで2冊もあるのかな、と思ったら、355号のRACE REP0RTの優勝者リストに、兄の名前、載っているんだよね。

そこで話の種にと思い、
「ちよっと待ってて」
メグさんに断り、タコツボ部屋ヘ。先週の土曜日、図書館から借りてきた[タミヤニュースの世界]を持参。現物を見たメグさん、興味津々
「よし、今度行く時、(予約)入れておこう!」

力のこもった声でつぶやいた。

その後、
「この人が助手さんだよ」
の言葉とともに、メグさんに[タミヤニュースの世界]の編集に協力した助手さんの名前が載っているあとがきを提示。そして、
「お兄ちやんが載るのはね、ここらしいんだ」
メグさんに貸した『タミヤニュース』の表紙をめくり、“模型ファンをたずねて”のコーナーを見せる。するとメグさん、
「やっぱり。そうじやないかと思いました。ホームページのことも載るでしょうね」
弾んだ声で返答。そのついでに……ということで、今度は[タミヤニュースの世界]を開き、“模型ファンをたずねて”コーナーを見せる。

メグさん、若き日の石坂浩二さんの写真に一瞬
「?」
しかし、
「こんな人もいるんだよ」
の言葉とともにぺージをめくっていくうち、著名な人が次々出てくるものの、知らない人が多かったらしく、少々困惑気昧。が、秋本治さんのコーナーを見つけるとすぐさま指を指し、

「あ、この人知ってます。両津勘吉さん!(違うって)……すごいですねえ」

改めて、“模型ファンをたずねて”コーナーに登場した著名人の皆様の顔ぶれに驚いているようだった。