こだわり道場過去ログ ビジネス編

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19.頑張れ模型メーカー・・・15/1/1勤めている会社(日用品メーカー)では「新製品開発」だとか「中長期経営計画」だとかにも首を突っ込んでいるんで、「こんな商品を作ったら売上や利益はどうなるだろうか」とか「そもそもこの商品売れるんだろうか」などの思いがいつも頭の中に渦巻いています。
 
タイミングもあって、企画した時点では市場に受け入れられそうに思えても、製品化に向かって時間をかけて検討しているうちに社会の空気が変わったり他社に先を越されたりして企画が凍結・延期・中止になる場合もあります。
また製品の一部は海外生産品と戦わなくてはならず、どう計算してもコストが合わなくて断念する場合もあります。
 
これまで長くやってきたジャンルの商品なら大体こんな感じで行けるだろうと予想できるんですが、やったことのない分野だとそれがなかなか読めない。 またこれをやれば売れるだろうとわかっていても、会社のポリシーに合っていない商品や他社と横並びの商品は作りたくないって意地もあるので、物事はそう簡単には行きません。

模型業界もなかなか難しい世界。ここのところの流れを見ていると、

・ガンダムを中心としたキャラクターメカの世界は相変わらず大きな勢力
・一方スケールモデルの世界は、特に艦船模型では精力的に新製品が出ているが、それ以外となると昔の勢い今どこに
・だが、アニメやゲームから横スライドした「アイマス」「痛車」「ガルパン」「艦これ」などのブームが、既存のスケールモデルと組み合わされて意外なヒットとなるケースがある(「城これ」はどうでしょうねぇ・・)
・模型のジャンルに入るとは言えないが、アニメやゲームキャラの完成フィギュア市場はかなり大きくなっている
・模型やフィギュア市場を支えてる層が子供から大人中心になったので、昔のようにたくさん買って作り倒してもらうよりも一個の値段を高くし、オプションもつける方向
・塗料や工具なども高価な専用品を売り出して、大人を喜ばせつつ儲ける方向にシフト

あたりがピックアップされるでしょう。

そんなことを考えながら最近のメーカーの状況を見ると、ちょっとびっくりするようなことになっています。
 
例えば「グッドスマイルカンパニー」。 この会社はミニカーや模型工作道具なども開発・販売しますが、売上のメインは「ねんどろいど」に代表される完成フィギュア。
社歴は浅いものの完成フィギュアの市場はどんどん成長しているようで、気づいたら一般的な企業の物差しから見れば羨ましいくらいの優良企業になっています。

これまでは生産を中国でやっていたので社員数も少なく済んでいたのですが、昨年は4億円を超える投資を行って鳥取にフィギュア製造工場を立ち上げ、100人規模の従業員を雇用し、12月には めでたく国産第一号の「桜ミク」が発売されました。
画像を見る限りではすごく出来が良さそうです。

国内にシフトしたのは中国で生産を行うリスク(為替変動・従業員の定着率・賃上げ圧力・技術の深耕など)を考慮して のことと聞いていますが、私はこれを歓迎します。
それは中国が好きとか嫌いという問題ではありません。モノは作る人がいれば買う人が必要なわけで、どんなに素晴らしいモノを作っても、買いたい人のサイフにお金が入っていなければどうにもならない。
 
鳥取で工場が立ち上がれば、例えば「その工場で沢山の人が働く」→「時には残業があって、近くのラーメン屋から出前を取る」→「ラーメン屋が儲かり、そこの息子の小遣いが上がる」→「その子がガンダムやネンドロイドを買う」というような循環も期待できるんですね。

個人的にも グッドスマイルの中の人にはお世話になっているので毎年年賀状をいただくのですが、今年は鳥取砂丘の砂を入れた凝ったもので(※1)、振るとサラサラ音がします。

(※1・・・と言うのはギャグで、鳥取砂丘の砂は採取が禁じられているため、砂は園芸店で購入したものだそうです)

 

一方、模型メーカーの代表企業と言えばタミヤ。個人的にも子供の頃からタミヤ製品にはどっぷりと浸かり、おそらくこれまで数百万円を貢いできたと思いますが(ラジコンが7割かな)、こちらもやはりネットで公開されている情報 を見ると表のようになっています。
 
売上高はグッドスマイルとほぼ同等ですが、社員数の多さが気になります。 タミヤは現在生産の7割ほどをフィリピンで行っているそうです。つまり3割は国内ですから、その分の社員が必要なわけですが、それにしても一人当たりの売上が約3000万円というのは経営者の方はもうちょっと何とかならないかと思っているのではないかと感じられます (※2)。

何はともあれ「痛車」「ガルパン」「艦これ」などのブームが既存の模型メーカーの金型の活用や売上に役立っているのは良いことです。昔のように子供達がこぞってプラモを作る世の中は来ないでしょうから、メーカーがどうやって生き残って行くのかは頭の使いよう次第。 今後も興味を持ちながら業界をウオッチし、できる範囲でお金を使って行きたいと思います。

 

※2・・・タミヤやグッドスマイル、あるいはゴッドハンドなどの高級ニッパーの多くが私の地元新潟の三条・燕の工具メーカーで作られているんですが、この地区の金属製品製造会社の従業員一人当たりの売上高は1000〜1500万円あたりが普通。利益率の高い商売なのかもしれませんが、決して楽な経営ではないだろうと思われます。
高い技術力を持って真面目にモノづくりをしている会社がもっと儲かる社会になってほしいなといつも思っています。

 

 



18.トップのレベルを知るのは良いことだ
・・・13/02/23

先日、某プロスポーツの選手だった人が私の勤務する会社に引退の挨拶にやってきました。会社がその人の所属していたチームをちょっと支援していたからです。
年齢はまだ二十代半ばですから体力・気力が衰えたわけではありません。そのつもりならまだ何年間かはプロとして続けることもできたでしょう。
でも彼は自分の実力を冷静に見つめ、その世界でトップクラスにはなれないと考え、ならば若いうちにきっぱり足を洗ってサラリーマンとして第二の人生を歩むことに決めたのです。
就職が決まった会社は堅実経営で財務状態も良く将来性もあるようです。あとはその会社でどれだけ頑張れるかです。

「子供の頃からスポーツ漬けだったんで、サラリーマンという仕事が何もわからないんです」
とおっしゃってましたが、私はきっと大丈夫だよと言い、こんなことも伝えました。

 
「 あなたは今までそのスポーツを一生懸命やり、トッププロを目指していたんでしょ? つまりその世界で自分がどの位置にいたか、トップになるには何をすれば良いのか、そして自分がそこに届かなかった理由もわかっています。

そういうのは普通に学校を出て社会人になった人にはなかなか得られない体験です。

 

 

 

 

 

 

今度はサラリーマンとしてやっていくことになるけど、一つの世界全体を見渡す目を持てたし、勝利の方程式を立てることもできた(解けなかったかもしれないが)。

あなたの貴重な経験はこれからの仕事の上で役に立つと思う。勝ちパターンを見つけることが仕事だから」
 

 

 

 

 

 

 

その話を聞いて彼はとても喜んでくれたので、私も話して良かったと思いました。彼の第二の人生に栄光あれ。

 

さて私の趣味の一つは模型ですが、今思えば若い頃からその世界のトップレベルの人たちと触れ合う機会があったのがすごく良かったと感じています。
 
例えば高校生の時に参加したカーモデルコンテスト、まさか全国レベルのコンテストで入賞するとは思いませんでしたが、同時に特選、準特選作品との差を痛感しました。
ラジコンでも全国大会に出ましたが準決勝止まりでした。決勝に進めなかった理由は説明できます。
またこのサイトを始めてから全国的な模型展示会に出品するようになりました。会場を回れば自分がどの程度のレベルで、トップの人達と比べて何が足りないかはある程度見えます。

こんな風に客観的に自分のレベルを知る機会に恵まれた経験は、色々な面で仕事にも活かせているような気がします。

では私がやっているカーモデルの場合、トップの人達のレベルを100点とした場合に自分は何点か・・・。視点の違いや好き嫌いも入るので難しいんですが、おおむねこんなところだろうと思います。
 
仕上げレベル・・・80点
及第点だとは思いますが、トップレベルとは明らかな差がある。
 
発想力・・・90点
何か面白いことを考えて形にしていく力はあると思う。逆にトップレベルの人はアホネタは滅多にやらないし・・・。

作り込み・・・70点
エンジンや室内などを細かく作り込んで行くにはパーツの準備や資料収集、そして途方もない時間が必要。私はそれを適当に済ます傾向がある。
 
塗料や工具、素材に対する知識・・・60点
塗料は手軽に入るクレオスやタミヤを使い、工具は適当。素材もありもので工夫したい性質。これらの知識や活用レベルを上げれば完成品の水準はぐんと上がるように思う。

正確性・・・70点
例えばレースに出た車を正確に再現するには、念入りな資料収集やキットの省略部分の追加工作などが必要。でも「ぱっと見てそれっぽければいいや。早く完成させて次!」と思う性格。

制作条件・・・60点
工作室を持っていたり、家族も生暖かく見守っていてくれていますから本来は90点と言いたいところですが、ホームページ運営やネットのやり取りに費やす時間が制作時間よりも多いくらいなので、更に30点引きま した。


このように自分の弱い所はある程度わかっていますから、その気になったら一部補うことも可能でしょう。
例えばネットをやめて制作に専念すれば今の倍は作れたり、もっと作り込むこともできるだろうと思います。
ただ、私にとってネットを通じて多くの人と交流するのは作ることと同じくらい大切なので、今のスタイルを変えるつもりはありません。
何だか負け惜しみみたいになってしまいましたが、これは「趣味」ですからね。


ここを見ている皆さんの中には、自分の作ったプラモをほとんど他人に見せたことがない人もいると思います。
「恥ずかしい」とか「まだそういうレベルじゃない」とか「何か言われたら立ち直れない」なんて思うのかもしれませんが、私は他人に見てもらうことは上手になるための大切なステップだと思いますよ。

 

17.小学生でもわかる産業経済・・・08/10/15以下は小学生の次男向けに書いた”おとぎ話”です。念のため、以下の分類を確認後、お読みください。

・第一次産業・・・農業、林業、漁業(水産業)

・第二次産業・・・鉱業、製造業、建設業

・第三次産業・・・電気・ガス・水道業、情報通信業、金融・保険業、運輸業、小売業、不動産業、サービス業など、第一次、第二次産業に含まれないもの全て

日本標準産業分類(平成19年11月改定)をもとにした概念

 

最初は誰もが第一次産業従事者だった
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 
昔昔、あるところに山の民と海の民が暮らしていました。
山の村では兎や猪を狩り、海の村では魚を獲ってそれぞれ平和な毎日を過ごしていました。
村人のほとんどは「第一次産業」従事者でした。

第二次産業の始まり
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
狩りをするにはワナや弓などが必要でした。魚を獲るには小船や釣り針が必要でした。
最初は各々が自分で道具を作っていましたが、人々の中に弓や釣り針作りがこのことのほか上手な者がいました。
彼の道具を使うと明らかに獲物がたくさん手に入ることから、人々が
「お前は漁に出なくていいよ。その代わりにみんなの釣り針を作ってくれないか。釣り針一本につき魚三匹と交換でどうだ」
と持ちかけたところ彼は快諾し、釣り針作りを生業にすることになりました。

第三次産業(の中の運輸業)の始まり
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
山の民は時々魚が食べたくなりました。そんな時は兎を持って海の村に行き、魚と交換しました。おおむね兎一匹=魚5匹が交換レートでした。 
しかし往復には丸一日かかるので、みんながそんなことをしていては兎を獲ることがおろそかになります。

そこである若者がみんなの兎を預かって海の村に行き、大量の魚と交換して戻ってきました。 
人々が
「お前はこれからも時々海の村に行ってくれないか。 持ち帰った魚の1割が報酬だ。」
と持ちかけたところ彼は快諾し、運び屋を生業にすることになりました。

人々は以前より頻繁に魚が食べられるようになり、大いに喜びました。

貨幣経済の始まり
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二つの村からずいぶん離れたところにもう一つの村がありました。
その村の海はいつも荒れていて漁に出るのは自殺行為です。彼らはいつもひもじい思いをしていました。
ただ、海岸にはいつもきれいな貝が打ち上げられていました。その貝(子安貝)は他の場所では滅多に見られないものでした。

あるとき、貝の村の若者が山の村に出かけて行きました。試しに子安貝を見せたところ、
「これは珍しい。とてもきれいだ」
「アクセサリーにもなるね」
と大評判になり、たくさんの干し肉と交換することができました。 
若者が海の村にも立ち寄ったところ、やはり同様にたくさんの干物と交換してもらえました。

「値段」の成立
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ある日のこと、山の村の運び屋はいつものように兎の肉を持って海の村に降りて行きました。
ところが運悪く不漁が続いていたため、海の村には肉と交換する魚どころか自分たちが食べる魚すらありません。海の民はとてもお腹を空かせていました。
 
海の民は懇願しました。
「この肉はぜひ置いて行ってもらいたい。魚はないが、代わりに子安貝を預ける。今度魚が獲れたらそれを持って必ず山に上がるから、預けた子安貝と交換してくれないか。俺たちを信じてくれ」 
 
山の村にとって、それは決して悪い話ではありませんでした。万一約束が反故(ほご)になっても、子安貝が手元に残るからです。運び屋は肉と子安貝を交換して持って帰りました。

人々は気づきました。 
「不漁はこれからもあるだろう。でも子安貝を使えば物々交換でなくても取引は成立するのだ」 
その後、子安貝一個=兎二匹=魚10匹(中型の場合)というレートが村同士で合意されました。

経済安定化への試み
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このことは貝の村の知るところとなりました。
子安貝は穴を開けて紐を通せば首飾りなどにはなるものの、それ以外の価値はほとんどありません。
でも山の村、海の村に持っていけば食料と交換できるのです。 村人たちはこぞって海岸で子安貝を拾い集めだしました。 

それに待ったをかけたのが貝の村の長(おさ)でした。 
「子安貝は採りすぎるな。必要以上に二つの村に出回るとインフレが起き、貝の価値が下がるではないか。集めた子安貝は村で一括管理する」 
このルールは一応守られたかのように見えました。

金融業(貸金業)の始まり
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

しかし中には子安貝をこっそり拾い、二つの村に持っていく者も現れました。
すでに肉や魚だけでなく、衣服や靴など様々の生活用品が子安貝と交換できるようになっていましたので、彼らは裕福になりました。 

彼らはさらなる儲けの方法を考え続けました。 

あるとき、細い糸を編んだ「網」という漁具を発明した者がおりました。それを使えば釣り針よりもたくさんの魚を獲ることができます。ただその値段は子安貝20個で、若者にはなかなか手に入れることのできないものでした。

彼らは若者を見つけてはこう持ちかけました。 
「君に子安貝20個を貸してあげよう。これを使って網を買いなさい。君が魚を獲ってきたらそれを売ってたくさんの子安貝が手に入るだろうから、その時は私に25個持って来てくれればいい」 
この企ては大成功し、彼らは益々裕福になりました。

貝の村に小高い丘がありました。そこには六本の木が生えていました。裕福になった者たちはその丘で高床式の掘立柱建物(ほりたてばしらたてもの)に住み、「丘族」あるいは「網(ネット)長者」と呼ばれました。
それに引き換え山の村、海の村の若者たちの生活にほとんど変化はなく、相変わらず竪穴式の家に住んでいました。 

そのため貝の村だけでなく、山の村、海の村の娘たちも先を争って「丘族」のところに集まり、結婚を迫りました。

パラダイムシフト
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あるとき山の村、海の村の若者たちは話し合いました。 

「死ぬか生きるかの苦労をして魚や獣を獲ってきているのに、何で俺たちはこんなに貧しいのだ」

「俺たちだって毎日遅くまで釣り針や弓矢や網を作り続けているのに、生活は楽にならない」

「それに引き換え、あいつらは拾ってきた貝殻でうまいことやっている。この村には若い娘がいなくなってしまった」 

「ただの貝殻をありがたがっていた俺たちがバカだったんだ。あんなものに価値なんてなかったのに」 

「でも、俺はあいつから子安貝を借りて網を買ったから、今こうやって生活できている・・・」

「それは認めよう。だが、ものには限度がある。今こそ考え方を変えなくては!」

 

その後どうなったかは私にもわかりません。現在進行形のお話ですからね・・・。

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私が言いたいこと

数百万年の人類の歴史の中で「食料の確保」が一番の関心事だったはず。社会にとって第一次産業がしっかりしていることがまず大切

第二次産業はその第一次産業を直接支えるもの

第三次産業ももちろん大切。だが、お金を転がす人たちの中の一部が異常な金持ちになっているのは、やはり変。

第一次産業従事者がもっと裕福になり、若者たちがその仕事に就きたがるような社会になったらいいな。


16.商品渡し忘れ事件
・・・07/12/08先日の土曜日、某ファーストフード店を利用したときの出来事です。

その店には平均して月に一回くらい行っています。車で30分弱かかりますが、とても美味しいので子供たちも私が誘うと大喜びです。ただ今回は一人で出かけた帰りだったので、持ち帰りサービスを利用しました。

受付でこれと、それと、あれを注文したのですが、その日は妙にレジの人がぎこちないのが気になりました。 
(ああ、きっと新人さんなんだな)
と思い、心の中で、
(がんばれよ〜、リラックスリラックス おじさん怖くないよ〜)
と応援しながらやり取りをしました。

でも、
「ご注文を確認します。 これと、それと、あれと、ほれですね。」
「え? ほれは頼んでないよ・・」
「すみませんでした!」
なんてことになり、正直 おいおい と思いながらも、お金を払って商品の入った袋を受け取ったのですが、家に戻り開けてみたら、

 

それが入っていませんでした・・・・。

 

そんなバカな、もしかしたら車の中かなと探してみたけど、ありません。でもレシートにはしっかりそれが印字されています。 ちゃんとお金だけは徴収されてる・・・。
家族には黙っていたので食事は何事もなく終わりましたが、正直一人でムカついていましたので、しばらく迷った後、その会社のホームページのお客様相談窓口に書き込むことにしました。

ただこのクレーム、私が嘘をついて・・・ホントは入っていたのに、食べた後「なかったぞ」といちゃもんつけて・・・いる場合もありうるわけですから、書く方も気が重い。

そこで、 

今日こういうことがあったよ。レシートの写真はこれだよ。 
金を返せとは言わないけれど、
1.注文の品物を袋に入れなかったことを、店では気づいたのか
2.気づいたとしたら、店ではどのような話が行われたのか
をお店に確認して回答してほしいのよ。 

といった趣旨で書き込みました。

火曜に返事がきました。 最初に本部のお客様相談窓口担当からの侘びの言葉があり、続いて店長からの文章が添えられていました。
その要旨はこのようなものでした。

○せっかく遠くから来ていただいたのに、多大な迷惑をおかけし、申し訳ありません。店長の私の教育不足です。
○実は車が出た後に私が気づき、あわてて追っかけたのですが、追いつきませんでした。
○店では「こういうこと」や「ああいうこと」を徹底させます。再発を防止します。
○できれば店に連絡をしていただけませんでしょうか。足りなかった商品の対応やお詫びをさせていただきたいのです。

なるほど、そういうことだったんですね。

「て、店長! 今出て行ったお客さんに商品渡すの忘れましたぁ!!」
何ぃ〜! 車はどれだっ!」
「あの白いワゴンです」
「おーい待ってくれー・・・はぁはぁ、はぁはぁ、  行ってしまった」
「あぁ、私どうしたら・・」

なんてシーンをイメージしてしまいます。きっとその店員さんは店長から相当怒られただろうし、店長さんも私が次にどう出るか戦々恐々としているんじゃないかと想像できます。

そこで早速返事を送りました。要旨はこう。

○私は決して怒ってはいない。ミスした本人が必要以上に落ち込んだり、一人で責任を感じていることのないよう、そして日々の接客を自信を持って元気良く行ってほしいと伝えてくれ。
○このメールで十分満足しているので、今回の件で連絡をすることはしない。これからも大いに利用させていただく。

これに対し、お客様相談窓口から私のメールを店長に伝える旨の返信があったことは言うまでもありません。

 

さて、もし店に連絡したら何が起きたんだろうなぁ・・なんてつい考えてしまいます。
こちらから出向いて行けば、足りなかった商品だけ渡して「ハイさようなら」ってことはないでしょう。何かおみやげくらいはつきますよね、普通。 
それに興味がないとは言いませんが、もし店長さんと顔なじみになってしまえば、次からは恥ずかしくって行けやしない。もう二度と行かないと決めた店ならともかく、あそこは気に入っているし、これからも時々利用したい。だから行かないんです。

以上が 商品渡し忘れ事件の顛末です。

 

今回の出来事で感じたことですが、最初に送った私のメール、読み返してみるとかなりとげがあるんです。
感情を抑えながらむしろ事務的に書いたことで、逆に秘めた怒りがかもし出されている。 

私も会社ではお客様からのメールに応対することが仕事の一つですが、 
「あ、このお客、なんか怒ってるな」 
と思うときは、メール返信はせずに電話をする場合もあります。そうすると 
「あらあらまあまあ、お電話なんかいただいちゃって。私そんなつもりで書いたわけじゃないんですよ、おほほほ」 
てなことになる場合が良くあります。

(どう見ても”そんなつもり”で書いてるだろう) 
と思いながらも話が丸く収まれば結果オーライですが、いやはや、メールってなかなか難しいものなんですよ。

 

15.「うまい、やすい、はやい」の次に来るもの・・・07/11/17ライバルのいない商売はない・・と断言してもいいでしょう。もしあなたが世界初の新商売を考え出したとしても、それが儲かっているとわかれば必ずライバルは現れます。現れないとすればその商売が儲かっていないからでしょう。

ライバルに勝つには何かしらの差別ポイント、つまり優位性がなくてはなりません。差別化ポイントは無数あると思いますが、あの吉野家のキャッチフレーズ「うまい、やすい、はやい」は、差別化ポイントを見事に表現した稀代の名コピーだと思います。

うまい・・・製品やサービスの品質や機能が優れている
やすい・・・製品やサービスに値段以上の価値がある
はやい・・・製品やサービスを求める時にすぐ手に入る

と書けば、ほとんどの差別化ポイントは三つの中のどれかに分類できます。「うまい、やすい、はやい」という言葉が吉野家だけでなく色々な所で使われている理由もわかります。

実はですね、この「うまい、やすい、はやい」を書こうとしたとき「あれ・・・順番は・・・、はやい、うまい、やすい だったっけ、それとも・・・」と今ひとつ自信がありませんでした。 そこで吉野家のホームページに行きましたら、社長さんの挨拶の中に、

「吉野家」には創業以来百年以上にわたり、「うまい、やすい、はやい」をお客様にお届けするために、その商品とサービスを徹底的に磨き続けてきた歴史があります。

とありましたので、「うまい、やすい、はやい」が現在の公式見解ってことで納得したんですが、その後色々調べましたら、吉野家のキャッチフレーズはどうやら

「早い、うまい」 
  ↓
「早い、うまい、安い」
  ↓
「うまい、はやい、やすい」
  ↓
「うまい、やすい、はやい」

と変化しているようなのです。
その理由はプライオリティー、つまり優先順位でしょうね。最初の頃は素早く美味い牛丼を出すことが差別化だったとしても、時代とともに客の求めるものは変化して行きますので。

※「うまい、やすい、はやい」の三つを全て満足させる必要はありません。高級レストランやブランドショップなどは「超うまい、高い、遅い」で商売しています。高くて遅くても特別のサービスをしてくれるなら、それは立派な差別化です。

※ちなみにですが、さらに色々調べましたら、
【24時間営業】うまい・はやい・やすいの牛丼専門店!世界にその味を発信する吉野家です!
 と紹介されている事例が多々ありました。この順番は以前のままのようですので、早々に修正かけた方が良いと思います(大きなお世話)。

しかしながら、最近は「うまい、やすい、はやい」だけで話がすまなくなってきています。

賞味期限改ざん、原材料偽装、粉飾、法令違反、個人情報流出・・・と並べれば今さら説明の必要もないと思います。例えば「あの問題」にしても、誰もその会社の製品でお腹を壊したわけではないのに、その会社が長年に渡ってごまかしをしていたことで、自らライバルを利することになってしまいました(その後、ライバルも同じ穴の狢だったって落ちがつきましたが)

法令や規則を守りながら商売をするのは基本中の基本ですが、では消費者に対して「自分たちのやっていることにやましいことはありません」と堂々と言えるだけのチェック体制を構築し、社員教育も行っているか・・それを難しい言葉で「コンプライアンス」と言いますけど、四つ目のこのファクターが今後はますます重要になっていくと思われます。

しかし、社長さんが社員に向かって、

「いいか! 商売で大事なことは うまい、やすい、はやい、そしてコンプライアンスだ!」

と言っても、なかなか届きません。

「社長、コンプライアンスって何ですか?」

と聞かれて、

「要するにだな、コンプライアンスとは
○法律や規則を守っているか
○消費者から見て倫理的に行動しているか
○社会に積極的に貢献しているか(CSR)
ってことだぞ」

と答えても何だか良くわからないまま右から左でしょう。大事なのは心に刻み込めるキャッチフレーズです。

そこで「コンプライアンス」に代わる適当な言葉を色々考えてみました。
できるなら「うまい、やすい、はやい、○○い」のように、三文字で終わり、最後が「い」になる言葉が理想。でもそんな形容詞はなかなか見つからない・・・。

 

 

若干不本意ではありますが、次の言葉を提案させていただきます。

「うまい、やすい、はやい、ただしい」

 

よろしければ各方面でご活用下さい。

 

14.革命的な格差・・・07/07/06先日、勤めている会社の取引先が主催するイベントにからみ、森永卓郎さんの講演会を聴く機会がありました。

万雷の拍手に迎えられて登場の森永卓郎さん、まずは「ハマコー」ネタで場内の笑いを取って掴みはOK(危険な・・・おいおい・・・ネタなので内容は書きませんが)
その後全く飽きさせずに1時間半を引っ張る手腕は流石でした。

以下は当日の公演内容のエッセンスです。私のメモから書き起こしたものなので、数字や内容に聞き間違いや誤解もあるかもしれません。中身に関しての責任は私にありますことを予めお断りしておきます。
あ、そもそも森永卓郎さんの講演メモをなぜここでお見せするかですが、それは私が勝手に森永さんを「こちら側の人」と理解しており、内容は皆さんにも「他人事ではない」からです・・・。

景気の拡大は労働者に還元されていない
小泉内閣の誕生からの5年間で景気は22兆円拡大した。しかし国民は豊かさを実感できないでいる・・・なぜか?
22兆円の何割が労働者に分配されたかを調べると、むしろマイナスになっている。所得の低下が5兆円、増税で5兆円、そして9兆円の社会保険料負担などを合わせ、労働者の取り分は19兆円減っている。
逆に30兆円が資本家に渡った。まずは株主。株の配当はこの5年間で三倍になっている。また大企業の役員の報酬は倍になっていた。
こういう世の中にするのが構造改革の目的だった。

豊かさは相対的なものである
1985年のプラザ合意で円の対ドルレートは240円から180円になった。日本人の所得はいきなり世界一になったのだが豊かさは実感できなかった。それは「皆が一律に豊かになった」からである。
「TIME」が家の広さと豊かさの実感との関係を調査したことがある。平均500坪の家が並ぶ高級住宅街に400坪の家を持つ人は自分が豊かだと思っておらず、逆に周りが30坪の街では40坪の人は幸せだと感じるとの結果が出た。

今、革命的な格差が生じつつある
まずは正社員の減少とパート比率の増加。世帯年収が300万円を超えていれば何とか家計は赤字にならず貯金もできる。だがパートの8割は月収20万円以下である。さらに下がって年収100万円を割ると食費も満足に捻出できない。
生活保護世帯は倍増し、23.8%の世帯は貯蓄が全くない。
ちなみに私の知り合いにも年収の少ない者がいるが、彼らにとって最もエネルギー摂取効率の良い食べ物は、ヤマザキの「つぶあん&マーガリン コッペパン」である。

電動士:私も調べてみたが、「つぶあん&マーガリン コッペパン」は582キロカロリーで92円。これよりカロリーの高いものとして、例えばヤマザキでは「レーズンシュガーマーガリン(690キロカロリー」がある。ただし定価は120円なので一円あたりのエネルギー摂取効率は低くなる。
なお、「つぶあん&マーガリン コッペパン」は栄養バランス的にはナトリウムやタンパク質がもの足りないので、過度な依存には気をつけよう。

もう一つの格差は単身者の増加である
2005年度の国勢調査で30〜34歳の男性の非婚率は49.3%だった。毎年1%増えているので、今は50%を越えているだろう。
社会は主流派が動かしている。非喫煙者が50%を超えた時から世の中は嫌煙にシフトした。将来ファミリーレストランという言葉もなくなり、シングルレストランになるだろう。

このような中、女性は結婚対象を二つに絞っている。
一つはお金がある人。
ここに若年男性の結婚率と年収などの関係のグラフがあるが、年収が高い人ほど結婚している割合が高くなっているのがわかる。
二つ目はイケメン。このどちらにも該当しない人、つまりお金持ちでもないフツメン・ブサメン・キモメンはすでに悟りを開いている。人間の女性を恋愛対象とせず、二次元美少女を求めてアキバに向かう。
ある調査ではかれらを集めてアダルトビデオを見せたが何の反応もなかった。だが美少女アニメを見せたらとたん、α波が出るのが確認できた。
そのような彼らも「オタク集会」などを開くなど多様化の源泉となっていている。

単身者は自由な生き方が出来る。私はかつて「専業主婦」「住宅ローン」「子供」人生の三大不良債権と呼び、奥さんから「私は不良債権か!」と叱られたが、独身者は収入が減っても生きていける。

電動士:昔は女性が就ける仕事が少なかったこともあり、女性は結婚しなければ生活できなかった面も否定できないでしょう。その意味で、今は女性の方が結婚に必然性を感じなくなっている面が大きいのではないかと感じています。

ネットには変な人どうしを集める効果がある
ITブームの際、「ITに関わると何でも儲かる、今にリアルな産業はなくなる」とまで言われたが、決してそうはならなかった。
アメリカではネットで自動車も買えるが、実際にネットで買っている人は1%程度。まず価格比較サイトを見て最安値を知り、リアルな店で値引き交渉に使っているケースがほとんどである。

だがネットの「変な人どうしを集める効果」は圧倒的である。
私はお茶の空き缶をコレクションしているが、こんな趣味を持っている人は日本全国を探してもいないだろうと思いながらネットで調べたら、・・・5人いた。一度この5人で集まったことがあるが、初めて会うにも関わらず20年来の友人のように盛り上がった。
私はペットボトルのフタもコレクションしているが、こんな人はいないだろうとネットで調べたら、・・・11人いた。

電動士:まあ、私自身もこのようにホームページを公開したことで「変な人」とたくさん知り合いになったんですけどね・・。え?あんたが一番変だって? 大きなお世話です。

世の中には変なマーケットが無数にある
ちなみに私のコレクションには日本では手に入らない「ペプシレモンライム味がある」。二本入手しているが、運賃等含めて一万円、一本の原価が5000円になった。
久米宏さんからタバコの吸殻をいただき、「久米宏の吸ったタバコの吸殻(本物)」としてヤフオクに出してみたことがあるが、8250円で落札された。落札者に「このようなものをよく落札しましたね。」と聞いたら、「酒飲み話のネタになる。落札する方もする方だが、出す方も出す方だ。」と返事が返ってきた。

電動士:模型の世界でも「レア」とか「お宝」とか言われる世界がありますね。私のストックにもオークションで「ええっ!」と驚く価格で取引されているものがあるのですが、こういうのって逆に始末に困ります。


これからは価格競争に巻き込まれないビジネスを展開できることが重要になる
その国の産業レベルを知りたければ、お土産に何を買って帰れるかで測ればいい。アメリカならTシャツ、キーホルダー、マカデミアナッツくらいしか浮かばないし、中国のお土産の半分は日本での企画商品だ。一方、イタリアは産業が空洞化しておらず、中国と競合しないモノづくりを行っている。これからは価格競争に巻き込まれないビジネスを展開できること、すなわち高くても売れるものを作ることが重要になる。
日本はイタリアを一つのお手本にしたら良いのではないか。

 

以上、メモから書き起こした講演内容でした(ホントはもっと色々話されたのですが、長くなるので一部のみの紹介にとどめました)。これを読んで何を感じるかは読んでいるあなたにお任せしますね。

 

 

13.「もしもし、中学○年生のお子様のお母様はいらっしゃいますか?」・・・07/06/21上の子が中学生なのですが、最近学習教材や塾の勧誘電話が頻繁にかかってきます。時間帯としては夜8時頃が多い。食事が終わって順番に風呂に入ったり団欒している時ですから、煩わしいったらありゃしません。

電話には主に私が出ます。すると大抵こんな会話になります。 

先方 「鈴木(仮名)と申しますが、お母さんはいらっしゃいますか?」 
私 「失礼ですが、どちらの鈴木様ですか?」 
先方 「○○家庭教師センターの鈴木(仮名) と申します。お母さんはいらっしゃいますか?」 
私 「私の母のことですか?」 
先方「い、いえ・・。中学○年生のお子様のお母様はいらっしゃいますか?」 
私 「私は父親ですが、私が話を聞いてはいけないのですか?」

このあたりで先方も「ちょっと勝手が違うな」と感じるのでしょうか、焦りが見える場合も多いです。

で、ありきたりのお話を”短く”聞いた後、 「あ、そういうことなら、今通わせているところがありますんで、これ以上は本人の負担にもなりますし、考えておりません。」 と言いますと、大抵の場合あっさりと引き下がってくれます。 
昔はもっとしつこく食い下がってたり、こちらが話を聞く気がないとわかると「バツッ!」と電話を切る”剛の者”も多かったのですが、法律が変わってからしつこい勧誘はしにくくなっていますし、ネット時代ですから悪い評判が広がると商売もやりにくくなるでしょうしね。

正直言って「張り合いないなぁ」とも思います。ただ問題はその絶対数の多さなんです。

テレビゲームと同じでしてね、終盤近く、レベルも十分上がり、いよいよボスキャラと対戦かと言うときに、一歩進むごとにスライムが出てきたら面白くもなんともないでしょう。三日にあけずかかって来る勧誘電話とのやり取りは、まさにそんな感じの無限ループです。

そこで勧誘電話専用の記録を作って電話機の脇に置き、電話ががかかってきた場合は番号を確認し、リストに載っている相手なら出ないことにしました。

気が向いた時には電話に出て、「おたくからはこれまで3回電話をもらってます」などと伝えたり・・・って、やっぱりめんどくさいなあ。何か別の楽しみ方はないものでしょうか。

※一度でいいから
「御社からの電話は3回目です。前回は○月の○日でした。その時もはっきりと断ったのですが、また電話をかけてきたってことは、特定商取引法の第17条に反していると思うのです。
この記録を”恐れながら”とお上に伝えれば、”市中引き回しの上、江戸十里四方所払い、あるいは寄場送り”になるかもしれませんよ。
え?特定商取引法第17条って何ですかですって。ほほー
とか言ってみたいものです。

「特定商取引法 第17条」でグーグル検索

 

このような勧誘電話をかけてくる業者を「悪徳」と決め付けているわけではありません。その教材を見たことはありませんし、それで本当に成績が上がるなら安いと考える人もいるでしょう。ただ、こういう電話を受けて契約する人が仮に100人に一人だったとした場合、契約しなかった99人にかけた電話代や人件費は、契約した一人が払うことになりますけど・・。

 

あ、今回言いたいことはこれではありません。私がこういう勧誘が嫌いなのは、電話によって強制的にこちらの時間と労力を奪われるからなんです。私は広告関係の仕事もしていますから、PRの価値はある程度わかっているつもりです。ただ、「そのサービスに興味があるかどうかわからない相手の時間を無理奪う」やり方は好きではありません。

例えとして「漁」を例に出します。 いか釣り漁船で漁火光らせてイカを集めるのはテレビ広告みたいなものですね・・・(現実的には無理だとしても)光を見てもそっちに行かない自由がある。 
一方、底引き網は魚の群れを丸ごとさらっちゃう方法ですから、獲られたくなかったら魚は逃げなくてはならない。これは何らかの強制を伴うので、電話勧誘に近い・・ただし、網はスカスカですが。

くだらん例えを出しましたが、要するに「広告するのは勝手だが、無理やりこっちのフィールドに入ってくるな」・・・ってことです。

 

12.間に合ってます・・・06/08/04私の勤務する会社は町のお店で売られている製品を作るメーカーなので、カタログ作りやマス広告なども必要になります。当然広告代理店や印刷会社とのお付き合いがあります。 新規の広告代理店や印刷会社の売り込みもしばしばですが、時には私にとって信じられないアプローチをして来る会社もあります。

その1 アポなし
いきなり受付に現れて、
「広告担当の方をお願いします。」
だもんね。 せっかくやって来られている人を門前払いにはしませんが、こっちだって常にいくつかの仕事をかかえる身、じっくり腰をすえてお話を聞くことはできません。 せめて事前に電話でくらいできないのかなあ。こちらもその会社のことを調べられますし、面談時間も十分割けるのに。

その2 下調べなし
訪問する会社のことを全く勉強していないセールスマンがいます。極端な例では
「御社ではどんなものを作っていますか。」
と来たもんだ。
「ホームページくらい見てから来いよ。」
と言いたい。 

もっと凄いのもあります。
「ホームページ作りませんか。」 
会社名で検索すればすぐわかるはずですし、一般消費者相手の製品を作るメーカーならホームページくらい持ってるだろう、普通。

その3 使う理由なし 
すでに入り込んでいる業者がいる場合、それをひっくり返すには相応の理由・・・早い話、それまでの業者より「早いか、安いか、上手いか」・・・が必要です。 
三つ備わっている必要はありません。「早い、安い、上手い」=「納期、コスト、品質」ですから、例えば品質は若干下がっても、圧倒的なコストと納期でやってくれるなら、これはこれで嬉しい場合もあるのです。 
ところが、そのどれにも当てはまらない中途半端な中堅業者が多いです。 
(先日来た印刷会社の営業などは、会社案内を出しながら「あまり出来のよくない会社案内ですが」と言ったのです。ウソじゃないですよ) 

中堅業者が総合力で電通や博報堂、大日本印刷などにかなわないのは仕方ありません。だったら彼らに絶対出来ないメリットで差別化してちょうだいって心から思います。

じゃあどうやって差別化するか・・・、難しいと言えば難しいのでしょうけど、必死になって考え、汗を流せば、きっとそれは見つかると思います。 規模は決して大きくはなくても、特徴を出している会社はいくらでも見つかりますもの。

 

キツネとネコ(イソップ童話かグリム童話・・どっちだったっけ)

キツネ「ねえネコ君、君にはどんなことができるんだい?」 

ネコ  「僕には木に登ることしか知らないなあ。でもじょうずだよ。」

キツネ「なんだそれだけか。僕なんか何でも知ってるぞ。もしここにオオカミがやってきても、100通りの切り抜けかたを考えられる。ボクは毎日いろんなことを考えているんだよ。ボクはこの森のリーダーさ。」 

ネコ  「それはすごいな」

そこに本当にオオカミがやってきた。 ネコはあわててすぐ近くの木に登った。

ネコ 「ああ怖かった。でもオオカミはこんな高い木には登ってこないから、助かったよ。」 

キツネはいろんな逃げ方を考えているうちに、オオカミに食べられてしまった。

 

きつねとねこ(電動士バージョン)

きつね 「ねえ、君の会社はどんなことができるんだい?」 

ねこ 「僕の会社は普通の印刷もやるけど、学校の卒業アルバム制作が得意なんだ。毎年たくさんの学校から依頼が来るよ。一年がかりの仕事でね、体育祭や修学旅行にも同行してスナップ写真を撮ることもあるし、クラブ活動の試合やコンクールなどにも行くよ。手間は大変だしなかなか儲からないけど、フットワークの良さは他の会社にはなかなか真似できないかなあ。」

きつね「なんだそれだけか。ウチの会社なんかすごいぞ。カタログや販促ツールからWEBデザイン、ノベルティーやプロモーションビデオと何でもござれさ。ほら、ウチの会社案内を見てくれ。」

新世紀を迎え、時代の変化は想像以上のスピードで進んでいます。 人がさらなる豊かさを求める中、当社はフレキシブルな発想と多彩な視点から、情報コミュニケーションのあらゆる問題を解決するトータルな提案を行い、お客様第一主義的立場に立ち、フェイス・トゥ・フェイスで皆様のニーズに応えて行きます。(※)

ねこ 「確かにすごいな。でも結局何が得意なのかよくわからないけど。」

そこに本当に大日本印刷がやってきた。ねこの会社はカタログ制作の仕事は減ったが、中核のアルバム制作にほとんど影響はなかった。

ねこ 「ああ、カタログの仕事が減って、ちょっと給料が下がったよ。でもアルバムは取られなかったから助かったよ。」

きつねの会社は売上が大きく下がり、きつねはその弾みでリストラされてしまった。

(※)良くあるパターンですが、実在の会社のものではありません。

 

11.「ママって言わないの!」・・・04/10/09自己紹介のページにもありますように、ワタクシ勤め人であります。会社の売上やシェアを上げるべく日々粉骨砕身しておりますが、思い通り行けば苦労はない。

そういう時は全然別の業界を眺め、伸びている会社やその業界を牛耳っている会社に注目し、なぜそうなのか、あるいはコンペティターの戦略は? などとウオッチいたします。

では、私が興味あるいくつかの業界を眺めてみましょう。

家庭用物置
私の家の物置は、100人乗っても大丈夫な「イナバ」です。購入するとき「ヨド物置(ヨドコウ)」のカタログもチェックしましたが、迷わず「イナバ」にしました。
ではなぜ「イナバ」か・・。以前、知り合いが100人の一人としてテレビに写ったからです・・ただそれだけ。
物置に乗っている100人、もちろん一人は社長さんですが、あとの99人は販売代理店の人が前の年の売上順に並んでいるんですね。
ちなみに家庭用物置業界では「イナバ」が一位でシェア4割くらい、二位「ヨド物置」が2割弱らしいです。
(もちろん「ヨド物置」が96人目でつぶれるとは思っていません。)


マヨネーズ
この業界では長らく「キユーピー」が7割、「味の素」が2割だったところ、最近「花王」が「(健康)エコナ」で参入してから、業界地図に変動が起きています。
「味の素」は全卵を使用したソフトな味わいで「キユーピー」との差別化を図りましたが、「花王」の「(健康)エコナ」は中性脂肪が上昇しにくいジアシルグリセロールとかいう油で差別化を図っています。
で、私の家では一体どこのを使っているのかと思ったら(って、普段気にしていなかった)、何と「エコナ」でした!

「こんなの買ってたの。他より高いんだろ?」
と一言発したら、
「あんたコレステロール値高いじゃないの。あんたの健康を考えてわざわざこれにしてるのよ!」
などと、倍になって帰ってきました。
(※ちなみに「エコナ」は、JASの規格上ではマヨネーズには該当しないので、「マヨネーズタイプ」と呼ばれているそうです。)

 
衛生陶器(要するにトイレの便器)
あなたの家の衛生陶器はどこのですか? ウチは「INAX」でしたが、確か家を建てるとき「TOTO」と比べて適当に選んだような気がします。
ちなみに、シェアトップは「TOTO」で6割くらい、「INAX」が3割・・・。残り1割をその他のメーカーが分け合っていることになります。
なお、2003年の衛生陶器(便器・洗面化粧台)の国内出荷で、「ジャニス工業」「アサヒ衛陶」を上回り、3位と4位が入れ替わったそうです! 
(あ、「アサヒ衛陶」のHPを見たら、カウンタがついていて77787でした。・・キリ番取り損なった)。


炊飯器
「象印マホービン」
「松下電器産業」が各々2割強のシェアでトップを争い、「タイガー魔法瓶」がちょっと下がって3位のようです。その後に各家電メーカーが続いています。
電気釜50年の歴史を誇る「東芝」、圧力一筋12年の「三洋」をも蹴散らし、大手家電メーカーと対等以上に勝負している「象印」「タイガー」に拍手を贈りたい気分です。
ちなみに、以前エアーポットが欲しくて、お店で「象印」「タイガー」のどちらにするかさんざん迷ったあげく、「ピーコック魔法瓶工業(株)」の製品を買った私ってお茶目〜。
(頼むからホームページくらい作ってくれ、「ピーコック魔法瓶工業(株)」)。

ガスコンロ
「パロマ」「リンナイ」が二強ですが、どうやらシェアは「リンナイ」が上らしいです。
「リンナイ」は林さんと内藤さんが作ったので、元は「林内商会」でした。そのせいかもしれません。
(説明になってない)。

パスタ
パスタ業界では、「日清フーズ(日清製粉グループ)の「マ・マー」が30%強のシェアで1位、「日本製粉(NIPPN)の「オーマイ(王米)」が2位で20%強となっているようです。
この順位は今回調べてはっきりしたのですが、「オーマイ」が1位でないことは前から確信していました。
以前「オーマイスパゲティ」のテレビCM、「オーマイ家の一日」でこんなのがあったんです。

庭かどこかでお母さんがスパゲティー料理を作っている。確かお母さんは秋野暢子。
子供が出てきてお母さんに「ママー」と言ったとたん秋野暢子が、
「ウチでは
ママって言わないの! お母さんって言いなさい。」

ライバルを名指しして行う比較広告(これは比較ってほどではないけれど)は弱者の戦略。通常トップのメーカーはやらないですからね。
(あ、うちですか? 特にブランドにはこだわっていません。スーパーで安いの買ってます。)

 

とまあ色々書きましたが、業界上位のメーカーがなぜ上位になったのか。あるいは一位と二位のメーカーの差はどこにあるか・・・。
理由は色々ありますが、私が特に注目しているのは、その会社の「ポリシー」「イズム」。創業者の精神を引き継いで、夢をバトンタッチしながら日々精進している会社が結局生き残っているような気がします。

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ところでここを見ている皆さんの多くは模型やる人ですよね。では聞きたいんですが、

○タミヤの田宮俊作社長さんの顔を思い浮かべられる人!・・・6割くらいの人が手を上げましたね。

○タミヤの社長さんのエピソードを三つ以上言える人!・・・なるほど、半数くらいに人が言えるようですね。

○アオシマ、フジミの社長さんの顔を思い出せる人!・・・おい、誰かいないのかっ(実は私も知らない)

 

調べましたら、各社の社長さんの名前はこうなっておりました。

青島文化教材社  青嶋典生
フジミ模型      長倉和則
長谷川製作所   長谷川勝重

え?何が言いたいのかって?・・そりゃまあ、色々と。

 

10.「アミノ」+「式」というネーミングセンス・・・04/01/31昨年度のテレビCMで何と言っても印象的だったのは、”♪燃焼系燃焼系〜”でおなじみ、サントリーの「アミノ式」ですね。様々な好感度調査で軒並み一位でしたし、「ACC CMフェスティバル グランプリ」も受賞しています。
私も初めて「女子高生 片足踏み切り前方伸身宙返り」を見せられたときは度肝を抜かれました(それほど難易度は高くない技とのことですが、普通はできない)。

商品もよく売れているようですが、CMによる貢献度は高いでしょうね。

そして「アミノ式」という名前も効いているはず。

で、考えるのは、「アミノ」と「式」をくっつけちゃうネーミングセンスです。

何かに「式」をつける言葉はたくさんあります。

プリペイド式携帯 零式艦上戦闘機 百式司令部偵察機 英国式庭園(イングリッシュガーデン) 二層式洗濯機 早川式繰出鉛筆(シャープペンシル) ヘボン式 公文式 竪穴式住居 サクマ式ドロップ」 「オギノ式」 「西田式健康法」

総じて言えるのは、「式」は「一つのお墨付きをもらった分類方法・手法」
だから、「アミノ式」も何となく良いイメージで伝わっていくのです。

「式」以外の分類言葉としては、「流」があります。

「伊賀流忍者」 「巌流島」 「宝蔵院流槍術」 「花柳流日本舞踊」 「自己流」 「すてき私流」 「俺様流」

どちらかというと、「その人なりのやり方を主張している場合」に使いますね。

この他、「風」なども洋風料理 中華風料理 地中海風料理などと使いますが、タイ式料理 タイ風料理はどっちもありますし、これら三つの言葉は必ずしも厳密に使い分けられていないから面白いです。

「アミノ式」というネーミング、出来てしまえば何てことないように見えますが、商品開発・企業イメージ・広告展開・店頭訴求等々をとことん突き詰め、スタッフや広告代理店らが何度も打ち合わせをしながら候補を絞り込み、時間とお金をたっぷりかけて作った言葉でしょう。

 

9.たかが1円、されど1円・・・03/12/06こちら新潟ではアルビレックス新潟がサッカーJ1に昇格が決まって盛り上がっております。

地元のある店ではアルビレックスチョロQを限定で売っているんですが、とりあえず三つ買いました。
店頭では「¥953、税込み¥1000」と書いてあったので、当然三つで3000円だと思っていたら・・・・3001円取られました。
(写真には二つしか写っていません。一個はすでにSHUN1/24さんにあげました。)

そのからくり
953×1.05=1000.65・・・端数切り捨てて1000円
953×1.05×3=3001.95・・・端数切り捨てて3001円

文句つける筋合いではないのは判っているけど、後で無性に腹が立ちました。

一個ずつ3回レジを通せば1円は払わなくてもいいことになりますけど、そこまでするほどのことでもないし・・。

で、ふと思い立って大阪在住のおまみさんに聞いてみました。大阪と言えば「値切りの街」ってイメージがありますしぃ〜。

回答はこのようなものでした。

●値切らない大阪人増殖中・・・最近は対人交渉がめんどくさいのか地域格差が少なくなったのか、大阪人でも値切りを美徳とする人が減ってきてるようです。実際大阪の家電店では値引き交渉に応じないヨドバシカメラが一人勝ちしていますしね。だから今は他県の人が思うほど値切りにうるさいわけでもないのです。ちなみにコンビニで値切る人は僕はまだ見たことありません。

あ、意外と普通ですね・・・。でも、

●大阪人で値切る人は少なくなったといっても、他県と比べればまだまだ圧倒的に多いと思います。

●今回のように「税込み¥1000」と書かれてあったのなら、紛らわしい価格表示をした店側にも責任があるので、個人商店だろうがチェーン店だろうがゴネる大阪人の方が多いような気がします。で僕の場合はやはり後者。以前同じような事を経験した事ありましてその旨を伝えると、しばらく奥に引っ込んで責任者とヒソヒソ話をした後、複数のレシートをいただきました。丁寧に対応していただきましたよ。

●ちなみに大阪人は、「お一人様○個まで」と書かれた特売品に何回も並んで買うのは当たり前で、お店側も3回程度なら努力賞として黙認してくれます。他にも客寄せ用の来店者プレゼントを何も買わずにもらっていくおばちゃんもたくさんいますが、あれは正直ちょっと心が痛みます。

●大阪では新年のデパートの福袋の封を破って中身を確認してから買う人が普通にいます。だから某電鉄系百貨店なんかは封破れによる見栄えの悪さ対策として、最初からチャック式の袋にしています。さらに試着もOK!
中には自分の気にいった物に
中身を勝手に入れ替えて「マイ福袋」を作ってしまう人までいますが、それはさすがに注意されます。新年のデパートは正直無法地帯です。

だそうで、安心しました。

ちなみにこの問題については、政府が私のために(?)便宜をはかってくれることになりました。
平成16年4月1日からは、製造業者が一般消費者向けに作成しているカタログ等において「希望小売価格」を表示する場合は、消費税額を含めた総額で表示することに決まっています。

今回の例で行きますと、税抜きで953円の商品は、
1.希望小売価格 1000円
2.希望小売価格 1000円(税込み)
3.希望小売価格 1000円(税抜き953円)
などと表示しなくてはならなくなります。ただ当面は「税込み」と「税抜き」の表示価格が混在することが予想されるので、1は混乱をまねくので避けるところが多いでしょう。2か3が現実的ですね。

めでたしめでたし・・・・・・でもない。

スーパーのチラシなどで特売と言いますと、98円とか980円などと値付けされることが多いです。ちょっとの差ではあっても、次の桁には行かない値段です。
でも実際に払うお金は、980×1.05=1029円。では4月から、

希望小売価格1029円(税抜き980円)

と書いて通用するか・・となると難しいでしょう。こういうのは気分の問題ですから、

希望小売価格 980円(税込み)

と書きたくなるのが人情です。

ではどうするか・・・。小売りは仕入れ業者に値下げを要求してくることは必至。私もメーカーに勤めていますので、この問題は非常に大きいのです。

 

6.戦艦大和のお値段・・・03/07/12昭和9年 (1934年)に設計が開始され、昭和16年 (1941年) 12月竣工、そして 昭和20年 (1945年)4月に沖縄沖で沈んだ戦艦大和ですが、その建造は費用的にも技術的にも当時の日本にとって国家的一大プロジェクトでありました。

建造費については諸説あるものの、予算要求時の金額が当時のお金で1億4000万円くらいだったらしいです。
(ちなみに翔鶴型空母が航空隊込みで一億円くらい。重巡は2〜3000万円、駆逐艦で1000万円くらいらしいです。航空隊込み・・・って「羽毛布団に布団カバーつけてこのお値段!」みたいです)。

1億4000万と言っても、全然ピンと来ません。今の物価で換算しなきゃわかりません。

1.一つのアプローチ方法は、当時の生活必需品から推定するものです。
まずはお米の値段を調べてみました。昭和10年頃のお米10kgの値段は・・・と、だいたい2円くらいでしょうか。今は4000円として、2000倍か。

その他の物価も色々調べてみます。今と比較してみましょう。

 

 

昭和10年代の価格

現在の価格(だいたい)

倍 率

ビール大びん1 本

41銭

310円

750

味噌1 キロ

20銭

350円

1750

カレーライス

20銭

600円

3000

もりそば

10銭

500円

5000

銭湯入浴料

8銭

400円

5000

コーヒー

5円

400円

80

小麦粉10キロ

4円

1500円

375

貸衣裳代(黒の振袖)

25円

5万円

2000

月刊少年雑誌

50銭

500円

1000

新聞購読料

1円20銭

3800円

3200

一律ではありませんね。当時贅沢品と言われたものは、倍率低いです。ただ、総じて2000倍という数字はそれほど外れてはいないようです。
その基準で言えば、戦艦大和は約2800億円。
今ひとつピンと来ません。今はそこそこ大きな企業なら年間売り上げで3000億円などはざらにあります。「国家的一大ぷろじぇくと!」と驚くだけのインパクトがありません。


2.国家予算から見てみましょう
「大和」の建造費は当時の国家予算の約3%だった書いてあるサイトを見つけました。平成15年度一般会計予算における歳出は約82兆円ですので、その3%となると2.5兆円になりす。上と全然違うね。
ちなみに今の日本の防衛費は国家予算の約6%の5兆円なので、もし今大和と武蔵を作ったら、自衛隊は弾一つ買えないことになります。ちょっと現実的ではない感じですが、当時の国家予算に対する軍事費の割合ははるかに高かったわけですから、2.5兆円は荒唐無稽な数字とも思えません。


3.自衛隊の艦船と比べてみる。
現段階で自衛隊はイージス艦を4隻保有しており、さらに2隻が加わるそうです。その建造費は1300〜1500億円だそうです。イージス艦は大きさで言えば軽巡クラスでしょうから、当時の建造費を2000万円として換算すると、7000倍。大和はおおむね1兆円程度になりそうです。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

とは言っても当時の軍艦と、電子装備満載の現代の兵器とでは直接比較はできません。今戦艦大和を建造する理由は全くなく(当時もなかったのだが・・)、そもそもお値段をはじき出す意味もないのですが、話のタネにまとめてみました。

で、結論ですけど、私は上の試算の中の2.国家予算的観点を最重視したいと思います。国民にとっての負担感を・・・。だから、大和の値段は、一声2兆円・・どう?


参考:

航空機の場合はF−16クラスが50〜60億円、F−15、F−2(国産)が100〜130億円くらい。逆に零戦が当時6万円から18万円くらいとのことですから、何と1万倍!!
現代の航空機の高さがわかります。性能や装備が全然違いますしね。

大和一隻建造するお金で、1000機単位の航空兵力を整えることができたことになります。1000機の飛行機と一隻の戦艦とどっちが役に立つか・・。皆まで言うまい。

 

3.広告宣伝費は企業の本気度?・・・02/11/30
大企業は広告宣伝費にいくら使っているか、知ってます? 2001年度のランキング(情報源:NEEDS日経財務データ)によると、堂々の一位はトヨタの1023億円です。
ものすごい金額! と思うでしょうが、トヨタの売り上げは8兆円を超えていますから、売上高に対する比率は1.2%でしかありません。

広告による効果は主に顧客や流通に目が向けられます。でも広告はインナー・・・すなわち働いている人にとっても励みになり、
「俺っちの会社はこれだけ広告してる知名度・信用度のある会社なんだから、しっかり働こうぜ!」
と一人一人がやる気になれば、投入する金額以上の効果もあると思っています。

売り上げのどれだけを広告宣伝に使うかは、業種によってずいぶん違います。
で、売り上げ金額に対する広告宣伝費割合を、簡単にまとめてみました。

分  野 割  合

コ メ ン ト

自動車 1.2〜3% 売り上げの少ないメーカーほど比率は高いです。スバルとトヨタでは売り上げは10倍近く違いますが、テレビCM量が1/10とは思えないでしょ?
家庭電化製品 0.7〜1.8% コンピューター方面が主力の会社はやや少な目。
ビール・酒 3.8〜5.2% この銘柄じゃなきゃいや!って人、いますか?
消費者金融 5〜7% 金は金だし・・。
洗剤・化粧品 7.5〜10% 多いと思う? でも学習教材販売方面は、さらに多い。

さて、ここで一つの法則を発見できます。すなわち・・

「製品の差別化がしにくい商品ほど、広告宣伝に金をかけざるを得ない。」

例えばテレビ・デジカメなら、どっちが写りが良いとか、クルマなら性能・乗り心地がいいとか、まあ、おおむねわかりますが、

Aという空気清浄機と、Bという空気清浄機、どっちがよく花粉を集められるか

・Cという洗剤は、Dという洗剤より汚れ落ちがいいか、あるいは除菌能力があるか・・。

わかりますぅ?


実際に色々テストすれば差は出ますが、一般のユーザーでそれを判別できる人はそういないでしょう。

「いや、俺には飛んでいる花粉が見える。」
・・・はいはい、あなたは”あっちの世界”に行ってくださいね。

となるとですねー、洗剤や化粧品、あるいはビタミン剤・栄養ドリンクなどの「性能差がよくわからない商品」ほどメーカーの信用度が大事になります。広告宣伝費が多くなるのはあたり前というわけ。
ただし繰り返し強調しますが、決して「宣伝ばっかして、その分高く売ってけしからん!」と言っているわけではありません。宣伝をしてよく知られたメーカーは、従業員のモラルも高いだろうし、簡単には逃げ隠れできない。
だから宣伝費はホンネの「本気度」ってことで。


お陰様で当サイトは10万アクセスを越え、多くの方々から掲示板にご祝辞をいただきました。その中にはネットワークビジネスの方も混じっておりました(←そんなつもりで来るわけはない)。
”ゲスト”のおひとりは健康補助食品や化粧品、もう一人は深山幽谷の松葉を使った、やはり健康に良いと言われる何とかを持ってこられました(←だから、お祝いじゃないって!)。

これらネットワークビジネスの方々の販売方法が、いわゆる「ピラミッド式」、「ネズミ講」、「マルチまがい」・・かどうかはどうでも良いです。
それ以前に彼らから効果のよくわからない商品を買うかどうか・・・・・・私は御免です。

・小資本で店舗も持たず
・ほとんど広告宣伝費も使わず、ネットを徘徊し
・商用サイトなのに、覗きに行ってみれば、てっぺんに広告あるじゃないか!(無料スペース、借りてるじゃないか)
なんて、いつ逃げ出す相手かわかりやしません。

それに比べれば、「エロサイト」の紹介の方が何倍も潔い。体を張って商売しているんですから。
(見つけるたびに削除するのは大変だけどね)。

 

2.カステラ一番、電話は二番・・・02/12/15景気がなかなか回復しません・・・。

景気が悪くなるとまず企業は何をするか。それは3Kを削ることだと言われます。普通3Kと言えば、「きつい、汚い、危険」ですけど、この場合は「交通費・交際接待費・広告費」などの経費です。

でも「交通費・交際接待費・広告費」を削ることが果たして良いことなのか・・。この種のお金は、使ったことがどのように効果に結びつくか、あるいは減らしたことがどうマイナスに作用するか判りにくい。でも、ここをセーブすることは、「攻め」から「守り」に入ることを意味し、長い目で見ればマイナスではないかと思っています。


ところで皆さん、子供の頃印象的だったテレビCM、ありますよね。私の場合1950年代の後半〜60年代の前半が子供時代ですから、びったし「タイムスリップグリコ世代」にはまります。ちょうどテレビが普及しだした時期にあたり、テレビから流れてくるCMがとても新鮮でした。

そう言えば、あの当時一世風靡したCMの会社は今どうなっているのだろう・・。

もちろん、ほとんどの会社は調べるまでもなく元気にやっております。広告をできるほどの大きな会社だったから、今でも大きいのか・・あるいは積極的に広告していたから、ブランドが確立したのかわかりませんけどね・・(私は後者を取りたいと思いますが)。

ただ、「そういえば・・最近・・」の会社がいくつか思い浮かんだので、ネットで追いかけてみました。

社 名

C M 内 容

で、 現 在 は ・・。

(株)アイデアル 植木等さんの
「ナンデアル、アイデアル」
で一斉を風靡。
今はテレビCMの時間単位は15秒ですけど、昔は5秒ってのもあったんです。
だから「ナンデアル、アイデアル」と言うだけ!
台東区で元気に操業中。
ホームページもあります。
ミツワ石鹸 「名犬ラッシー」のスポンサー。
「♪ワ、ワ、ワー、輪が三つ」
「♪ラッシー、ラッシー、がーんばれラッシー。ミツワ、ミツワ、ミツワーー石鹸」

のCMはコマーシャルソングのお手本と言われました。
残念!倒産していました。
ただしその前に家庭用石鹸部門をP&Gに売却していたそうです。
大阪前田製菓 「てなもんや三度笠」で”あんかけの時次郎(藤田まことさん)”が悪い奴を片付けた後、懐からクラッカーを取り出し、
「俺がこんなに強いのも、当たり前田のクラッカー!」
この他、
「前田のセサミハイチ。最近はこれですわ」
もあり。
元気です! 「前田のクラッカー」も発売中。
ホームページはないようです。
サンスター文具 「象が踏んでもこわれない」
アーム筆入は衝撃的でした。現在も発売中。
書くまでもなく、元気。
ホームページあり。
清酒神聖 「かあちゃん、一杯やっか」
・・伴淳三郎さんのCM、懐かしい。
ホームページあり。

この他、南利明さんの「ハヤシもあるでよ。」で日本中を席巻した「オリエンタル」は、現在業務用カレーを中心にがんばっておりますし、「伊東に行くならハトヤ、電話は4126(ヨイフロ)」のハトヤホテルも繁盛しているようです(まだ無名時代のかたせ梨乃さんが、ハトヤホテルのプールで水着を着て胸揺らし・・・やめとこ、品位が下がる)。

残念ながら新潟の地では「前田のクラッカー」や「前田の乳ボーロ」、あるいは名古屋の「オリエンタルマースカレー」や「マースハヤシ」になかなか出会えないのですが、地元では当たり前のように食されているのでしょうね。

なお、今回紹介した会社でホームページを持っているところにはぜひ行ってみてください(ネット検索すれば行けますよね)。
当時のCMのことに触れていますし、懐かしい曲をダウンロードできるところもありますよ。