PM4:30過ぎ、玄関のチャイムがなる。 
   
         
 「ひさしぶりだったねえ〜」
    
    まず、メグさんより
   
       
    「あ、妹さんに渡すものが」
   
       
     小さな折りたたみ式のパンフレットを取り出しつつ、
   
       
    「これ、TACさんからお兄さんに渡してくださいって頼まれました」
   
       
     の言葉とともに妹に渡す。
それは          
    [車が飾ってあるテーマパークカフェ那須PSガレージ]        
               
    という四つ折りになっているお店のバンフレット。          
    表紙には高級車とジープの写真がドドン。          
    中を開くと、おお!兄上が喜ぴそうなスポーツカーやバイクがカッ          
    コよく撮れている。 
        
    そして更に四つ折りパンフを全開にすると……ウヒャ〜!ジープご一行さまがズラリと勢ぞろい。 
        
    
        
    (なお、メグさんが帰った後、改めてじっくりながめたところ、裏面の          
    [お願い]という項目の中に、
         
    
         
              
              
     『展示車両の関係上、戦闘服等でのご来店はご遠慮下さい』 
      
          
            
    
      
    この店ならではの注意書きあり。読んだ途端、吹き出してしまった) 
      
      
  
      でもそのパンフ、なんでメグさん経由なの?するとメグさん、ニッコリ笑い、
      
            
    「実は、TACさんに会ってきたんです」 
      
            
    
      
            
 どっひや〜ん !
       
    メグさん、ニコニコ顔で前置きの後、次のように説明。 
       
    まず、TACさんとメグさんが会ったのは、9月のある休日。          
    場所は東京駅の、とある喫茶店。          
    TACさんは兄に渡して欲しいと頼んだパンフレットのお店(TAC       
    さんの知り合いがいるそうな)で、パーティーに参加した帰りだったという。
「TACさん、どんな感じだった?」 
      
      妹の問いに 
      
      「TACさん、大きかったです」 と、一言。 
        
    が、それにしても、メグさんとTACさん、お互いの顔を知らぬまま          
    、どうやって会ったんだろう?謎が解けぬ妹の問いに、
         
              
    「TACさんも加わっているホームページのメールコーナーに、私、メ          
    ールを送ったんです。それからしばらくメールでのやり取りがありまして。        
      その時、ルナと一緒に写した写真を送ったんです」 
       
             
      
 
      はて、兄上はこのこと、知っているんだろうか?なんて考えていると、 
        
      「そうそう、TACさん、以前、妹さんが書いていた戦車の雑誌について、『ドキッ!』としたそうです。なんでもTACさん、その雑誌に投稿して採用されたらしいんですよ」 
       
             
    メグさん、引き続きオフ会の内容について報告。 
       
      「あ、あの、図書館で開いてすぐに戻したあの本?そうか……。          
    でも、あれから免疫がついたから、大丈夫だな。また今度、惜りてみ          
    ようか?そしてメグさんと回し読みだ!」 
        
      
 
      その後、メグさん、
       
      「ありがとうございました」
       
      といって、玄関を出るが、ひさしぶりだったので、見送りに出た妹ともども話が尽きず。結局、おもとの鉢のそばで、TACさんのオフ会の話の続き。メグさん、以前、レンタルビデオでTACさんが演出した『        
      ウルトラマンネオス』を見ていたせいだろうか、 
       
      「ウルトラマンに関しては、私も、TACさんも門外漢でしたね。だから、話が来た時、TACさん、        
       『なんで?と思った』          
    そうです」 
       
               
    ルナちやんの体をなでつつ、TACさんから聞いた裏話的な話をチラ。 
         
    同時に、
       
            
       「でも、円谷プロはやはり、その分野ではすごいですよ。そこから声がかかったんですから、TACさん実力あるんじやないですか?」
「でも、円谷プロはやはり、その分野ではすごいですよ。そこから声がかかったんですから、TACさん実力あるんじやないですか?」 
      
       すごい人とオフ会をやったのかもしれない、といいたげな、冷静な声でつぶやいた。 
        
    そんなメグさんの話を聞きつつ、メグさんのそばですっかりくつろいでいるルナちやんを見た妹、ボディーが亀の子たわし状態から変化していることに気づき、じっくり鑑賞。すると、一部ながら、長い毛が産毛          
    のようにはえ初めているのを発見。 
       
               
    「ルナもやっと、暑くなくなってきているようですね」 
       
               
      メグさん、明るい声でつぷやく。      
    
      
          
            
    AM9:40過ぎ、兄よりTEL。応対に出た父と話した後、 
     
        
    「今日、家に来るって」 
    
        
    という父から受話器を受け取る。          
    兄、いつものあいさつの後、 
       
     「メグさんから、          
    『楽しい企みがある』って、メールを受け取ったんだけど、いったいなんだ?」 
       
             
    早速質問。そこで、 
       
             
    「実はメグさん、TACさんと東京でオフ会やったんだって!」 
       
             
    思わせぶりに言ったところ、兄、                      
    
 「はあ?????」                     
    
        
    予想外の返答にびっくりしたのか声が裏返り、 
      
            
    「なんでそうなったんだ?」 
      
            
    ハテナマーク全開状態で聞いてきたので、 
     
           
    「なんでもメグさん、用事があって東京に行った時に、TACさんにも会ってきたんだって」 
     
     事情を説明すると、兄、納得。                    
    
       
    「オフ会やったのか……」 
     
     信じられない…といいたげにつぶやく。
     
    「私も一通りのことしか聞いてないんで、詳しいことはよくわからない         
    けど。TACさん、その時、メグさん経由でお兄ちやんにプレゼントを渡してくれて。それ、預かっているんだよ」 
      
    
 
            
    すると兄、 
      
     「プレゼントって、なんだ?」 
      
            
    当然とも言える質問。そこで、
      
    「パンフレットなんだけど。これなら、お兄ちやんが見ても、十分楽しめるものだよ。 
    メグさん、3時頃ルナちやんを連れて来るって言ってたから、詳しいことを聞いてみたらどうだろう……」 
     
           
    さりげなくオフ会コールをする。 
     
    兄、プレゼントの概要がわかったうえ、メグさんが来ることを知り、          
    安心したらしい。 
       
             
    「今日は2時頃行こうと思っていたから、十分会えるな」 
       
    にこやかな声で返答。                      
    
         
    PM2:00ごろ、兄、          
    甥っ子2人を連れて来訪。          
    早速、メグさんから預かったバンフを持ち、玄関ヘ。靴を脱ぎ、あがりがまちに上がったばかりの兄に渡す。兄、パンフを見た途端、納得。 
       
             
    「ここ、TACさんの友人がやっているんだよな」 
       
             
    事情を知っていたらしく、嬉しそうにパンフを眺め始める。そこで 
       
             
    「裏にある[お願い]のところ、読んでみて」 
      
            
    さりげなく水を向けると、兄、パンフをひっくり返し、[お願い]の          
    部分を黙読。間もなく、妹が笑ったところがわかったらしい。                      
    
         
    「うはははは……」                      
    
         
    パンフをひっくり返したまましばらく笑いころげたのち、 
       
             
    「おかしいなあ、これ」 
       
     ニコニコ顔でつぶやく。                      
    
         
    その後、兄、パンフを広げ、しばし鑑賞。          
    そして時折、そばにいた妹に、 
       
             
    「(とあるスポーツカーの写真を指さし)これ、すごい車だよ        
    」
       
    ほほえみ全開でつぷやく。そして、その中の写真を指さし、 
       
    「これ、TACさんが『ウルトラマンネオス』の中で使ったのと同じ車だよ。」 
       
             
    見覚えのあるジープの名前について、サラリと説明してくれる。 
         
    その後、妹、居間へ。しぱらく隣の仏間にいた甥っ子2人のお相手。          
    すると、玄関にいた兄に呼ばれたので、なにごとかと思いつつ玄関ヘ。        
      行ってみると、兄、メグさんが来る、と言うこともあり、製作途中のポルシェの模型を 
       
       「ほら、すごいだろう……。今回はチカラ入れて作ってるんだ」 
       
               
    本体を左手で支えながら、いきなり妹の目の前で披露。 
       
               
    「ハンドルのとこ、見ててご覧」
       
       いわれたまま見ていると、兄、右手で前輪のタイヤを左ヘ。するとハンドルが動いたのでぴっくり!          
    このあと兄、本体をげた箱の上へ。 
       
      
     「このままだとポルシェに見えないけど、ボディーをつけると、ほら!」
「このままだとポルシェに見えないけど、ボディーをつけると、ほら!」 
      
              
    こういいつつげた箱の上に乗っていたガラス部分の入っていない車体          
    カバーをつけると…おお!げた箱の上にグレーのボルシェか出現。                      
    
         
    そ、それにしてもすごいぢや、ないか。          
    なんせ光っている部品は新品同様。          
    しかしエンジン部分はTACさん並みの汚しの美学。          
    塗りも部品ごとにリアル感あり。 
       
    1つ1つの部品は兄の手によって命を吹き込まれ、まるで炊き立てのゴハンのように自巳主張しているよう。にもかかわらず、お互いに調和が取れ、ボルシェとしての貫禄が十分備わっている。          
    妹、ただ、ただ、圧倒されっぱなし。 
 が、その一方で、          
    『う〜ん、なにかに似ている。なんだろう……』          
    またまたオバカな虫が顔を出し、 『…あ、これは[おむすび]ではないか』          
    心の中で、すぐさま[おむすぴボルシェ]と命名した妹。 
       
               
    「なるほど。本体がご飯で握ったおむすびで、車体カバーが高級海苔。          
    そういえば、形も二角おにぎりに似てますね。          
    でも、梅干しはいったいどこになるんでしょう?」 
       
               
    なんて、メグさんにユーモアモードで突っ込まそうな形容であるが。          
    けど、このおむすぴ、じやなかった、ボルシェ、モデラーさんが見たら 『おいしそう……』          
    って、思わずヨダレが出てくる作りだと妹は思うんだが。いかがでし        
      ょ?                      
    
なんて思いながら模型を見ていたところ、庭で作業をしていた父、区切りがついたらしく玄関へ。すると兄、今度は父を相手に模型の説明開始。
       
          
    「ラジコンレース、どうだったんだ?」 
      
          
    途中、さりげなく聞いた父の問いに、 
      
            
    「全然だめだった。ホームページの方に時間を取られたから、練習不足だったんだ」                     
    
                  
    
     
    PM2:45過ぎ、メグさん、ルナちやんを連れ、          
    来訪。 
       
             
    「それにしても、よく、(2人の)話が尽きなかったなあ……」 
       
             
    後日、父がびっくりしながら振り返るほど、兄とメグさん、しやべりっぱなし。時間にして1時間強のオフ会が始まった。        
    が、台所にいた妹、メグさんの訪問に気づかず。                     
    
間もなく 
       
             
    「メグさん、来たよう」
       
    兄に呼ばれ、玄関に行くと、メグさん、早速中に入り、兄からポルシェの模型を見せてもらっている真っ最中。          
    メグさん、ホームページで進行状況を見ているせいか、ただ、感心していただけの妹と違い、時折質問しつつ模型を鑑賞。                    
    
 ※TACさん経由て届いたパンフについての話題                   
    
兄、パンフ大喜ぴ。裏にかかれてあった[お願い]に関して 
    
    「戦闘服でお店に行きたいのはわかりますが、そうなると一般の人が利用しにくくなりますので、ご遠慮ください・・・ということだな。」                  
    
 おかしくて仕方がない、といいたげな顔で解説。                     
    
 その後、メグさんの 
      
            
    「行ってみたいですか?」
      
    の問いに対し、 
      
            
    「1回、行ってみたいね」 
      
            
    ニコニコ顔で返答。同時に、もし、行ったとなると、とあるスポーツカーは前に陣取って写真取りまくり。ジープに至っては
      
    「メジャー片手に計測するかもしれない」 
      
            
    ニカニカ顔寸前で、メグさんと妹に野望を話す。          
    おーい兄上、そ、それだけはやめてくれ。兄上の振る舞いが原因で、パンフにある[お願い]の、                     
    
『当店は、展示物鑑賞の妨げとなるガード類を、一切設置しておりません。どうか展示物には、お手を触れないよう、お願い致します。』                      
    
         
    の後に、                     
    
『模型製作を目的とした写真撮影、採寸や計測もご遠慮下さい。』                     
    
        
    って書かれたら困るぢや、ないか。         
    もしそうなったらどうするんだよう〜。         
    間違っても、店内ではカバの逆立ちのような振る舞いはしないでくれえ〜!