第26回 モデラーズクラブ合同作品展報告

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2015年5月17、18日(土、日)、ツインメッセ静岡にて開かれた第26回モデラーズクラブ合同作品展に、車談呆人 カー模deリング GARAGE24」、及び「伝説のカーモデルコンテスト同窓会連盟」のメンバーとして作品を展示しました。

 

写真は初日夕方の交流会の様子。20年参加のクラブ代表が田宮会長から感謝状を渡されているところです。

「伝説のカーモデルコンテスト同窓会連盟」にご協力いただいている「めが」さんが所属する「世界ブラックマント同盟」も受賞サークルの 一つでした。

 

 
車談呆人 カー模deリング GARAGE24

今年のお題は「黄色い車」。

代表の「さかもっちゃん」が去年黄色い新車を買ったから。

「さかもっちゃん」のコルベットはドア開閉式に。 相変わらずの素晴らしい仕上がり。

アメリカレベルのこのキット、なかなか良いって言ってました。

黄色い車の中で一般ウケしたのが「mon」さんのこれ。

まあそうだよね。

同じく子供ウケしてたこれは「有楽町」さん (ピカチュウ)と「naga」さん(しまじろう)のコラボ。

ちょっと悔しい。

 

 

そういえば、ベネッセのサイトに
「しまじろうとどうぶつえんにいこう」
ってキッズゲームがあるけど、それってものすごくシュールだと思う。

タミヤの新作300SLが話題ですが、これは「mon」さんが中学生の時!に作ったもの。

メーカーを失念したけど、リアのトランクが開くキット。

しまっていたのが最近「発見」されたそうです。

「naga」さんのこのネタは、静岡朝日テレビ「ピエール瀧のしょんないTV」だそうです。

静岡県民ではないので、よくわからないのですが。

GARAGE24のブースの向かって右に座っているのは東京からやってきた中学生。

きっかけは彼からの
「良かったら僕の作品を見ていただけませんか」
というメールでした。

日曜日、お土産のお菓子を持参してやってきた彼の作品を見てちょっとびっくり。 早速GARAGE24のメンバーに見せたところ

「とりあえず今日は一日メンバー」

ってことになりました。

 

 

 

中学当時、メンバーの誰もこのレベルの作品は作っていませんでした。

当時と今では使えるツールの豊富さ(※1)、手にできる情報の量(※2)などは雲泥の差ですからそのまま比較はできないものの、それを差し置いてもこのレベルは実に頼もしいと思ったわけです。

 

※1 工具・塗料・素材

※2 工作手法・完成作例画像・展示会で実物を見る機会

またお金を無駄にしないよう、東京から新幹線でなく東海道線で片道三時間半かけて往復したことなど、少年モデラーはかくあるべしと思いました。

 

ただし少年の本分は勉強、部活、家の手伝い、友達と遊ぶことなんかだよ〜とは伝えています。

 

(あんまりプラモに夢中になってると、おじさんたちみたいになっちゃうよ。それはそれでまた楽しいのだけど)

「SHUN 1/24」さんとのコラボ、「デイトナフィニッシュ」も間に合いました。

私の分はとっくにできていましたが、「SHUN 1/24」さんの二台が完成したのは金曜の午後でした。

「伝説 」のブースにあった「ひろポン」さん作の展示台を借りてゴールシーンを再現。

ご存知かもしれませんが、

優勝・・・330P4スパイダー(屋根がない)
二位・・・普通の330P4
三位・・・プライベーターの412P

と個々の形状や仕様は違うのですが、写真で見ると皆同じに見えちゃうかな・・・。

 
 伝説のカーモデルコンテスト同窓会連盟

こちらには1/12のクレマー935K2や、日本グランプリネタを展示させていただきました。

目玉の一つはこれでしょうかねー。

1966年のアメリカ映画 「グラン・プリ」を再現したもの。

私も日本公開当時(1967)、映画館に二回見に行きました。

もしかしたらあの映画でカーモデルに興味を持ったのかもしれません。

 

この白い車は、その映画に出てきた架空のF1(ヤムラ)。コグレキットをベースにした改造作品です。

ドライバーは主演のジェームズ・ガーナーそっくり。

こちらは映画 「グラン・プリ」とは直接関係ありませんが、やはりコグレキットに手を入れたもの。

路面がとてもリアルで、ここは段でもついているかなと思ったら、手書き。

まさに「トリックアート」ですが、彼の職業はイラストレーター (一つ上の写真に図鑑が写ってる。誰かが勝手に置いたらしい です)

今回から正式メンバーになった「世田谷模型車庫」さんの作品。

信じられないのは、ここに写っている作品の多くがフルスクラッチだということ。

どうやって作っているかと聞けば

「プラ板を切った貼ったで」

と答えが返ってくるのですが、それって普通じゃないでしょ!って百回くらい言いたい。

中もこんな感じ。

繰り返しますが、キットじゃありません。

サスを沈めると、リアウイングも連動するんです。

いやはや、すごかった。

「トリノのI」さんが持ち込んだのはバービー人形・・・じゃなくて、 オオタキの自転車プラモ。

雑誌「モデル・カーズ」に掲載された作品で、スポークはステンレス線になっているなど、あちこち手が入れられています。

「かつてはこんな贅沢なキットもあったことを知ってもらいたい」

が目的です。

でも自転車だけの展示ではあまり目を引かないだろうとバービーに”協力”していただいたわけで。

おかげで立ち止まってみる人、写真を撮る人多数。

衣装の選択にも気を遣いました(支度風景をこっそり撮っちゃった)。

「ミーヤン」さんが作ったスバルR2とHONDA KAMUI(小さい方)。

 

プラモはまず金型を作り、そこに溶けた樹脂を流し込んで成型します。
何万、何十万個の製品を作るのには向いていますが、金型の値段はとても高いので数が出ないとなると金型費の償却もできず、メーカーも新製品の開発に億劫になってしまいます。

少数のマニアに向けて商品を出したければ、例えば何らかの方法で原型を作り、シリコンで型をとってレジンで複製を作るやり方があります。
いわゆるレジンキットですが、これなら個人でも「メーカー」になれます。

最近は3Dプリンタや3次元切削加工機の活用も現実的になってきました。

 「ミーヤン」さんの作品のパーツやボディ(HONDA KAMUI)はまずShadeでデータを作り、それをもとに3Dプリンタ(光造形方式※)で制作されています。

※3Dプリントには色々な方式があります。安いものは熱溶解積層法がほとんどですが、光造形方式はより精度が高い特徴があります。

 

このような新たな試みが、この先どのように模型の世界を変えていくか、非常に興味深いです。

 

こちらはかつてのモデルカーコンテスト(1973年の第3回と1974年の第4回)に参加した作品。

プラ板で架空のフォーミュラカーを仕立てています。

惜しくも一次予選まででしたが、タミヤのカタログにはしっかり載っています。

同じく第4回(1973年)入選作品。

何と!240ZGをベースにホイールベースを延長し、ルーフやドアも伸ばして260Z 2by2に改造したというとんでもない作品。

こちらはモデルカーコンテストに応募したことのあるUさんが中学生の時に作ったホンダF-1。

「最近、箱にしまってあるのを発見した。持ち上げたけど、崩壊していなかった」

とかおっしゃってました。

メンバーではないのですが、毎年作品展示にご協力くださっている「世界ブラックマント同盟」の「めが」さんの作品。

タミヤだけでなく、作りにくくて大変なプロター社のキットなども多数手掛けていらっしゃいます。

 

1/12は一台作るだけでも大変ですが、この水準でこの数。素晴らしいです。

 

こちらはメンバーの重鎮「K」さん(1971年の第一回コンテストではマトラで入選)がお作りになった「Short Mayo Composite 1938」。

どうして親子になっているかと言いますと、当時の飛行機は航続距離が短かったので、まずこの状態で出発して、親機の燃料がなくなったら空中で切り離し、子機がその先に飛んでいくって仕組みなんだそうです。

機体は前にできていたものの、接続の所がどうなっているかがわからず、最近その部分の資料が見つかって完成に持って行けたとか。

ちなみにキットはバキュームなので、中に木材で桁を入れたりして強度を確保しているそうです。

「K」さんは私より17歳年上。私も17年後もこのように精力的に模型を作っていたいです。

 

「伝説」のブースの一角を使い「もう一つのレジェンド」と称して、かつてのPPCの作品展を行いました。

PPCが何かについては、このボードを見てください。

会場にも

「かつて参加した」
「俺の作品がここに写ってる」

なんて方がたくさんいらっしゃいました。

これは「紫電」を改造したレーサー。

この作品、記憶にあります。

家に帰って資料をひっくり返したらこれを発見。

そうそう、これでした。懐かしいなあ。

 
会場で見たすばらしい作品

今年は二日間の参加でしたが、自分のブース(二箇所)を往復しながら、仲間やお客さんとお話しているだけでどんどん時間が過ぎ、他のブースを巡回する時間はほとんど取れませんでした。

数は少ないですが、素晴らしい作品を紹介。

 

右は「かっぱコーヂ」さんのメルセデスベンツ300SL。

ものすごくきれいな塗装が印象的。

あ、トランクも開閉式に改造。

今回初めてお会いできた「kwn」さんのカウンタック。

「kwn」さんの作品は今までネットでしか見ていませんでしたが

「きっと本物はすごく仕上がりがいいんだろうな」

と想像していました。

実物はその想像をさらに超えるものでしたよ。

 

 

「kwn」さんと同じブース、「SOF」さんの「アヴェンタドール 50th」。

すごく美しかった。

毎度おなじみ、スケールワークスさんです。

今年はこれを。

ヒロのキットのモノコックはホワイトメタル製ですが、この作品はそこにヘアラインを入れてステンレス風に仕上げています。

その他の金属パーツも、なるべく素材の特性を活かして仕上げています。

制作期間はほぼ一年だそうで。

「フェアレディZの父」と呼ばれ、今年2月に105歳でご逝去された米国日産の初代社長、片山豊氏。

尋常じゃない作品ですね。

と言うわけで二年ぶりに参加の静岡展示会、たっぷりと楽しんできました。「GARAGE24」の来年のお題も決まり、何をどうやって作ろうかなんて考え始めています。