第17回柏崎模型展示会に参加しました

2022年7月3日(日曜)、柏崎市民プラザで開かれた第17回柏崎模型展に参加しました。

三年ぶりの開催とあってか想定外の出品者が集まり、展示された作品数も800を超えたとか。

ラーメンも70杯と例年の4〜50杯を大きく超え、盛況だったことが伺えます。

皆さん、仲間と会える機会を心待ちにしていたんだね。

 

 

受け付け。
 
私としての目玉は東京からヒロシさんが来てくれたこと。

静岡ホビーショーでは毎回お会いしていますが、まさか来てくださるとは。

雑誌に紹介された作品を直に見られる・・・。

地方ではなかなか経験できません 。

私とは好きなジャンルが近いこともあって、彼とは時々ネタがかぶります。

今回は念願だった

「1/12スケール三本勝負」

を行いました。

静岡じゃまず無理な企画。

ヒロシさんの240ZGは大注目。

作りたい人、キットを持っている人、前に作って挫折した人がたくさんいるからでしょう。

特に窓枠はこのキットの鬼門。私も自分なりの解決方法を見つけ、ヒロシさんもそれを参考に作っていますので、窓枠に関する質問が多かったそうです。

私の新作49Bもお披露目。
ヒロシさんの49Bはオートモデリング2013年2月号の表紙を飾ったもの。
リベットは全部打ち直しているし、エンジンのディテールアップも尋常じゃないです。

 

 

ヒロシさんのブログを見ると、

「来年もぜひ参加したいと心に誓ったのであります」

と書いてあります。

来年はどのネタで対決しましょうか。

三重のMASAKICHI (MARUMASA製作所)さんは三回目の参加。
マイナーな国産車が好きだったり、製品化されていない車種は別のキットを改造して作っちゃう人です。
また作品カードの自虐風解説が面白くて ・・・。
毎回来てくださっている埼玉組5名。

今回はカーモデル界の重鎮、ミチバシリ(根岸裕一)さんの作品を集中的にご紹介。

根岸さんは私より年上ですが、昨年は20作、今年もすでに8作を完成させたと・・・。

工作のポイントを抑え、手を抜けるところは抜いているんだそうですが、全くそれを感じさせません。

こんな雑誌が置いてありました。「ゲンロク 」1988年4月号です。

トップ記事は

「ケーニッヒ・テスタロッサ・コンペティションの全貌が判明」

という、ちょっとスクープっぽいもの。

これがその記事ですが、何かおかしい。

ケーニッヒ スペシャル コンペティションの実車は1988年3月のジュネーブ・オートサロンで発表されています。

日本の車雑誌が事前(※)にこんな写真を入手できるはずないんですね。

 

※雑誌の4月号は3月発売だろうし、記事執筆はそのもっと前にやっているだろうから

実はこの記事、根岸さんがお作りになった模型を撮影したもの。

実車発表以前に公開されていたイメージスケッチをもとに、根岸さんがフジミのケーニッヒ テスタロッサを改造したんですって。

 

フジミの ケーニッヒ スペシャル コンペティションが出るのはもちろんその後の話です。
この雑誌が出た時、実車情報漏出かと勘違いされてちょっとした騒ぎがあったとかなかったとか・・・。
私も所属するGARAGE24からは地元のSHUN1/24さんはもちろん、 県外から7名が参加。

皆さん一癖も二癖もあるモデリングをしていてたまらない。

ただ今回は他の人の作品を眺めることが多かったため、さっと流させていただきます。

 

右は、にくきゅー/ジョンのシリさん(愛知)

 

 

 

 

有楽町@M2Fさん(長崎!)
トヨフリさん(愛知)

(後方は有楽町@M2Fさん作)

nagaさん(富山)
この写真はnagaさん提供。

業務用車両って模型では珍しいせいか、妙な生々しさがありますね。

三人の作品が並ぶと、さらに現場感が出ます。

(こちらの写真もnagaさんが撮ったもの)

n-hirobeさん(福井)
クニオさん(三重)

ヨタ8は私も大好きなんですよね。いつかこんな風に作ってみたい。

さかもっちゃん(愛知)。

空モノには進出したばかりですが、すでにこんなすごいレベルの完成品を作り出しています。

3Dプリンタにも挑戦中。

困った時はGAGAGE24の3Dベテラン勢に聞きながらやっているとのことです。

彼も結構いい歳なのにチャレンジ精神は衰えるどころかますますエスカレートしてます。
「伝説」メンバーでもある世田谷模型車庫さん(東京)。

コジマ KE007は誰もが驚くスクラッチ。皆さん驚きの目で見ていました。

(会場で写真を撮り忘れたので、写真は静岡の時のもの)

そんな世田谷模型車庫さんですが、ヤマダのプラモをスケールアップした自作のビックリ分解自動車を持ち込んできました。

走っていて何かにぶつかると、見事にバラバラになります。

こちらはもしかしたらKE007よりもウケていたんじゃないかという、ぬりかべ。

これで完成じゃなく、次は歩くようにするんですって。

以上が私が引っ張ってきた県外組でした。

 

ここからは会場で目を引いた作品をランダムに。

がんかすさんですが、以前お作りになったナウシカの柔和な表情に衝撃をうけたことあり。

この作品も彼にしか作れないかわいらしさ。

ホビロコンで金賞を取ったラキシス。フルスクラッチです。
SCHU(しゅう)さんの第一次大戦機。

私は今回イターラ(1905年)も持ち込んだんですが、そのエンジンに喰いついてくれたのが制作者のSCHU(しゅう)さんでした。

この大戦機も、時代が近いこともあってエンジンの基本構造はイターラとよく似ているんですよね。

ここがマグニートー(高圧磁石発電機)、こっちはキャブ・・・。

コックピットの右側にあるのが燃料ポンプ?

なんて話ができて楽しかったです。

MARTINI(ぢぇり)さん

1/12を作る人はみんなエライ。

同じ方の作品。

アウトウニオン他、全部ドイツ車。

今回はあえてそうしたみたいです。

こちら、ベースの模様は全部塗装だそうです。

確かにデカール貼りで苦労するより塗装の方がきれいに仕上がりますが、マスキングにどれほど手間がかかったのかと想像すると目眩がします。

艦船模型もハイレベルでした。
プロターのGSパリダカは43minaraiさんの作品。

ロードバイクですとこんな風に汚しが入ることは少ないですが、これはちょっとAFVを思わせるリアルさがありますね。

同じく43minaraiさん。

私も1/43を上手に作れるようになりたいので、じっくりと眺めさせていただきました。

新発田(しばた)のTONKAさんのスーパーアスラーダ01。
ストッキングを利用したカーボン調塗装が素晴らしい。
カーモデルも精力的に作っていらっしゃいます。
お仲間のクマペーさんのミレニアム・ファルコン。

細かく念入りに塗装されていますねえ。

  

  

  

  

長野から参加のkunnyさん。

ジオラマ仕立てにするとどうしても台座が大きくなりがちですが、kunnyさんは小さめの台座の中に一つの世界を作り出している。

このようなのを作れたらいいなと、いつも思ってます。
台座の大きいえりあんさん(殴。

参加者が自分の作品を自由に置いて撮影することもできます。

ラーメン、赤城着艦ゲーム、プラモプレゼント、ラジコン走行体験など・・・。

柏崎は参加者や来場者に喜んでもらえるネタを色々用意していますが、えりあんさんのジオラマも間違いなくその一つだと思います。

 

DeadHeadさん。

さりげなく置いてありますが、タミヤのキットを芯にしたスクラッチ。

3Dプリンタパーツも使用。

新作!

スクラッチした石川兄弟は前日まで色塗り作業してました。

当日は大幅に遅れて会場入り。電車で寝過ごし、柏崎を通り越して柿崎まで行ったらしいです。

このあたりの電車は一時間に一本くらいですから乗り過ごすとひどい目に遭います。1.5〜2時間ぐらい無駄にしたんじゃないかと思う。

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余談だけど、私が中学の時に幡ヶ谷から柏崎に引っ越した際、周りの人が

「何時の電車に乗る」

とか会話していて

「いや、駅に行けば2〜3分おきに電車来るでしょ」

と思ったものです。

ケインさんのブローニングM2重機関銃。

アメリカ軍の戦車に普通に使われている、とても有名な機関銃です。
これですね。

大戦中のアメリカ軍機の12.7mm機銃もこれと従兄弟のような関係らしい。

ポイントはここ。

弾薬(薬莢) とこれをつなぐリンク金具を3Dプリンタで作ってます(知人にやってもらったらしい)。

キットの状態はこう。

ある程度は曲がるけど、自由度が足りない。

そこでキットの弾薬をバラバラにし、自分でピンでつないでみたものの、納得が行かなくて3Dになったそうです。
弾帯が滑らかに垂れ下がるようになりました。

・・・・・・って何でここまでこだわるんだろう。他人のことは言えないが。

ケインさんのファーストガンダム。

ガンダムには詳しくないんですが、旧キットでしょうか。

キャラクターメカの汚しテクニックは人それぞれですが、「主流」と言われているものもあるようです。

ケインさんのテクニックは他の人とはちょっと違うようですが、逆にガンダムスタート当時の雰囲気が伝わって来る。

赤城着艦ゲーム。

参加者が多くてテーブルを増やした中、スペースは何とか確保できました。

ペーパークラフトがバージョンアップしてる。
プラモプレゼントにはこれだけ持って行きました。

キットは福井のn-hirobeさんも供出してくれたし、ガンダムなどを大量に提供してくれた人もいましたので、おおむね希望者には行き渡ったようです。

これらのキット、作れば楽しいものばかりですが、他の在庫に比べると制作優先順位は低め。

「どうしようかな、やめようかな」

と悩んだものもありますが、えいや!と決断。

 

また1/12のフェラーリ641/2は、どうか作りたい人のところに渡ってくれと念じていましたが、まさに1/12を積極的に作っている方の所にお嫁入りできました。

ムービングベルトは結構注目を浴び子供さんにも遊んでもらえましたが、開始30分で破損、現地では修理不能。

大事な部分の強度が不足していたんです。

次の機会までに、ちゃんと直します。ぜったいウケるんで。

埼玉のZR-1さんが1/43を持ってきてくれました。

彼からはこれまで1/12キットや1/43キットをいただいています。
(全て完成させ、そのうちの1/43の3台は今回完成品をお戻しできた)

で、今回紙袋には8台ほど入っていたんですが、ちょっと目を離した隙に誰かさんに奪われて4台になっていました。

でも残っていたのは私の好きな車種ばかり。

彼にも一緒に1/43の沼にはまっていただきましょう。

 

まとめと考察

三年ぶりの展示会とあって参加者の熱量は凄いものでした。久しぶりに会う人も多く、全ての人とゆっくり話す時間もなかったです。また、並んでいる作品のレベルが上がったのにも驚きました。ちょっと前なら来場者の話題を独り占めにしたであろう力作が、そこかしこに並んでいる。恐ろしや〜。

2003年にこじんまりと始まった展示会が、気付いたら県外からも出品者・閲覧者を集められる規模になったことに感無量です。

その理由の一つが私にあることも承知しています。ネットの知り合いや静岡の展示会仲間(主にカーモデラー)に声をかけ、全国から来ていただくよう働きかけたのは私ですから。

逆に柏崎はこれで良いのかとの不安もあります。私は人集めには貢献できますが柏崎には住んでいませんから、地元(柏崎模型好楽会)のメンバーが会場を確保したり設営の準備をしたりご飯を焚いたりするお手伝いはしていない。人が多くなれば地元の皆さんの手間も増えるわけで、本来一番楽しみたい地元の人たちの邪魔をしているんじゃないかと思う時もあるんです。

そんな話は会長のK君ともするんですが、幸いなことにK君も好楽会のメンバーも展示会が盛況になることを喜んでいて、来た人には楽しく過ごしてもらおうと思っていることを ありがたく思っています。

ただ忘れてはいけないのは、柏崎の展示会はあくまでも遊び場であること。上手い人じゃないと敷居が高い・・・なんて雰囲気には絶対なって欲しくないですね。 静岡では絵画展のような独特の空気(ある人は”殺気”と言っていた)を感じる時がありますが、そっちじゃないだろうと。

柏崎は初心者さんであっても気軽に作品を持ち込め、望むなら経験豊富な人にアドバイスをもらってスキルアップも目指せる・・・それが自然にできる場所であればなと思っています。

(まあ、会場でラーメン食べている時点で、ここはそういう所だとわかるんですけど)

来年もよろしくお願いいたします。

 

追 記
地元新聞 柏崎日報 7月26日の記事です。許可を得て転載します。一部個人情報に関わる部分にはモザイクかけました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

なお「静岡ホビースクエア」は施設名なので、これは「静岡ホビーショー」のことだと思われます。 ちょっとした伝達ミスでしょう。