新たなる秘密基地から んちゃ! 後編

 

2002.05.24

図書館から兄のホームページにアクセス(AM10:50〜11:20)。トップページのFFを確認した後、すぐさま掲示板へ。
どんな人が書き込んでいるのか見て見ると、あら、イケシュンさんが
『実はイケシュンもです(5月23日03時03分15秒)』
のタイトルで、スモガレの状況を報告の傍ら、

『また、電動士さんは応援してくれている妹さんがいてくれて、羨まし いです。。。
イケシュンも妹がおりますが、『スプレーが臭い」だの「プラモが邪魔」だのと散々に批判しております。』

なんて、自分の妹に関する書き込み。
ふーん、イケシュンさん、妹がいるんだ。
でもイケシュンさん、妹さんの批判は当然だと思う。だって、女の子は、普通、そういうものに興味が湧かないものだから。と、いうか、

こ う や っ て 横 目 日 記 書 い て る 妹 の 方 が 異 常 な の。

でも、それがウケるんだから、ホント、世の中わからない。
それにしても、イケシュンさん、年、いくつ?妹さんの話が出て来るということは、まだ若いんだろうなあ……。と、思っていたら、翌日の書き込みで24歳の大学三年生であることをカミングアウト。あらぁ〜、あっいう間に謎が解けてしまったなあ。

2002.05.25

兄のホームページ見学&読み聞かせに出かけるべく、いつもより早めに公民館へ。
いつもの方法でホームページを呼び出し、マウス片手に書き込み画面をたどって行くと、おお、イケシュンさんが妹宛にレス。

『ようやく一週間が終わりました・・・。
(前略)
<妹さん>
はじめまして、イケシュンと申します。

いえいえ、こうしてお兄さんのHPを尋ねてこられるだけでも、素晴 らしい妹さんですよ〜!
イケシュンの妹と来たら・・・(以下、長い愚痴なので省略)。
ということで(?)今後もよろしくお願い致します。』

はい、こちらこそよろしくお願い致します。これからも気軽に書き込みに来て、常連さんになって下さい。

PM3:15過ぎ、兄一家、来訪。

・食玩戦車編
知り合いから譲られたという物を1つ、持って来る。ここ、2、3日、掲示板のレスで触れられていたものらしい(ちなみに兄がもらった物の中身は、Qエレファント重駆逐戦車・3色迷彩.ドイツ・1944年〜45年であった)。

早速拝見。すると、箱の表面の一角に01という番号表示があったので、てっきり中に入っている模型のナンバーだと思って聞くと、
「いや、これは第1シリーズ(あ、そうなんだ)」
おまけに箱絵を描いた人は、戦車イラストでは有名な人(どうりで。何処かで見かけたような気がしたんだ。もしかして、昔、兄が作っていた戦車の箱絵のイラストを手掛けた方かしら?)。そして原型を作ったのは、あの、谷さん。

それにしても、本当におもちゃなんだろうか、これ?
と、いうぐらい、良くできてる。原型、とても手作りとは思えませぬ。
なんて感心して眺めていると、
「この原型を作った人はね、この世界じゃ有名な人で、新潟に住んでいるんだよ」
兄、戦車を見せつつ、父と妹に説明を始めるが、ようやく手に入れた喜びも手伝ってか、まあ、色んなウンチクを語ること語ること。

例えば

「模型の原型を作るのは日本の人だけど、成型や着色は中国なんだ。1個250円するんだけど、これ、全部日本でやったらこの値段で買えないだろうね」

「あと、戦車の後ろにある、このリベットなんだけどさ。今までの模型は、物によって、ハの字型だったり、その逆だったりしてるんだ。
どうしてそうなるかというと、以前は資料が不十分だった場合もあるんだな。それに博物館は展示の関係で、部品をかき集めて修復したり、(展示の都合上)ネズミが入らないように網をかけたりする。で、それをそのまま信じてプラモにして売ってしまうこともあるんだよ。
でも、今回のこれは史実に忠実に作ってある。たいしたもんだ」

「お菓子なんか実際に少ししか入ってなかったよ。これはまさしく、大人向けの物だね(確かに。現に箱には[対象年齢13歳以上]という表示がありました(^^;)」

などなど。
まあ、父も妹も、門外漢とはいえ、昔、兄が作っていた戦車を見ていたから説明を聞いてもさほど苦にはならなかった。
けど、その前に延々と聞かされたお義姉さんは、さぞや拷問だったに違いない。
ま、それはともかく。
兄、まだまだ語りたい口ぶりだったが、呆れている父と妹の気配に気づいたか、
「まあ、そういった訳で……」
ちょっぴり照れつつ、話すのを中止。別の模型の説明に移る。

・フライングフェザー編


戦車の後、大きめの紙箱からまず取り出したのが、これ。前回入れて持って来たプラスチックの箱の底にティッシュを敷いた状態で持参。その箱からそっと取り出し
「はい、これが完成品」
こう言いつつ見せてくれる。
塗料が塗られたせいか、前回見たときよりも品があってまさしく手のひらサイズのかわいい模型。

しかし、底面は相変わらずテープで止めたまま。どうしてかなあ、と思っていると、兄、テープを取り、座席を取り出して見せてくれる(なるほど、そういう訳だったのね)。

「あ、これ?一こま一こま埋めて行ったという……」
「そう。ちゃんとチェック柄に見えるだろ?」
が、妹がホームページで製作状況をチェックしていたこともあってか、兄、これ以上の説明はなし。代わりに
「これ、置いて行くよ。後でじっくり見てね」
うれしい申し出をしてくれる。

 

 

・ホンダ フィット編

FFの説明が終わった後、入れ替えるように出して来る(この時、爪についていた塗料の色が、車のボディーの色とほぼ一致。妹、ようやく謎が解ける)。
「あ、これ、ホームページで座席が写っていた模型?」
「そうだよ。多分、日本で一番早く作って公開したと思う」
……、ん?
『一番早く作った』
って、どういうこと??
妹、一瞬、意味が分からず。

で、改めて話を聞くと、
この模型が問屋に入ったのが今月の21日。
そこから小売のクリヤマ模型さんに卸すのが発売日の24日だったのだが、たまたま、22日にクリヤマさんに問屋さんが訪問することになり、模型、一足早く店頭へ。
その情報を得た兄、翌日の23日にクリヤマ模型を訪問。即座に購入。 そして家に帰った後、製作開始。10時間という猛スピードの末、24日に完成(と、言いつつも、兄、製作途中の写真、しっかり撮影。一緒に見せてくれる)。Mizさんのスモガレに納車して、皆さんの度肝を抜くことになったとさ。

ところが兄、日本で一番早く作った、と、豪語するわりに、肝心の模型の出来に関しては
「満足してない。出来が悪いんだ」

ど こ が や ね ん !

思わず突っ込みたくなったが、兄には兄の言い分あるらしい。
早速どこが悪いのか説明するため、車体カバーを外して父の目の前に差し出し、
「ほら、ここの窓の外枠、ちょっとザラザラしている」
指を指しつつ、説明。

おまけに塗装に関しても
「終わり頃になって塗料が足りなくなってさ、ここの一角に変に飛び散っちゃってムラができたんだ」
門外漢にはちょっと見ただけでは判らない程度の着色について解説。 とはいうものの、完成品は完成品。しかも
「撮影すれば、ある程度はごまかせるし」
と、いうことで、完成ホヤホヤ、湯気の立っている(ンなわけないか)ホンダ フィットを、FFともども外で撮影(撮影場所について父に説明していたが、詳しい内容は聞きそびれた)。

その後、紙箱に並べて戻した模型について
「(FFを指さしながら)これは2カ月。(ホンダ フィットに移動して)こっちは2日。全然手の掛け方が違う」

ごもっとも(確かに、FFの方が品よく綺麗にまとまっており、思い入れがたっぷりこもっているのが良くわかりましたです、ハイ)、といえる言葉をつぶやいたのでありました。

2002.05.26

買い物の帰り、公民館に寄る。
昨日兄が我が家に持って来たタミヤの最新作、ホンダ フィットの完成写真が兄のコメント付きで掲載。
『あ、早速載せたのね。日本で一番早く作ったと豪語する(でも、出来は満足していない、という)模型』
なんてことを思いつつ、写真版をしばし鑑賞。

その後、掲示板へ。こだわり道の最新版を覗いていないのに気づき、一旦画面をトップページに戻した後、こだわり道場へ。画面が変わった途端、いきなり、見覚えのある家の模型が。
『あ、これ、3月に家に来た時にデジカメで撮ったのだ。でも、なんでこだわり道場に?』
そこで兄のコメントを読むと、今週は文章がまとまらず、代わりに兄の近しい人物がこだわって作った作品を紹介、というコンセプトで掲載したことが書いてある。

ま、模型の作者は、兄のコメントを読めば、父親であることは十分わかる。
しかし、材料は何で、いつ作られたのか、などといった背景は何も語られていない。って、いうか、兄上、ワザと隠したナ。



よし、ここは一肌脱ぎましょう。

妹、再び掲示板へ。モーリーさんがFITをたった10時間で作ったことに仰天しているカキコの上に、以下の内容を入力、送信。

『こだわり最新版の情報を少々・・・(5月26日10時52分41秒)
5月24日のこだわりに出ていたのは、実は父がマッチの棒といらな くなったさまざまな紙やら木屑を使って作った、父の知り合いのお家です。千葉にいたときから、休みの日を使ってコツコツと・・・。
いやあ、血は争えません。
でも、どーして妹には遺伝しなかったんだろう(TT)。』

2002.05.28

いつもの方法で兄のホームページへ。すぐさま掲示板に飛び、書き込みの状況を見ると……10時間で作ったFITのせいか、はたまた日曜だったせいなのか、いつもより多い書き込み(その中にはとくえもんさんの中国事情レポートも。兄の質問に丁寧に答えて下さった)。

そんなこともあってか、兄、日曜日は珍しく
『昼レス(5月26日15時21分27秒)』
『夜は一転してひとくせ、ふたくせ(5月27日01時24分47秒)』
の、タイトルでレスを2回。月曜日も、『FITの撮影裏話』という感じで、途中、書き込みをしていただいた人の名前をはさみながら、

・撮影の場所(ほほう、あの場所ですか)
・や り 方
(うーむ、ほふく前進とは……)
・回りの状況
(確かに、早く切り上げたのは正解です。ま、数人集まっての撮影会だったら状況は違っていたか もしれないけど)
・作った感想
(そうね。FFがフランス料理のフルコースなら、FIT はインスタント食品かもしれん)
を中心にレス。
『おお、ネタがあると皆さんの反応が違うねえ〜』
半ば驚きつつ眺めていると……あら、パズー親方さんが、妹宛にレス。

『実はパズーの「御得意先」の・・・。
>妹君 さま
初めまして、パズーと申します。
御父様の「スクラッチ」の件、プラモが無い昔の時代は「ムクの木」 を使った「ソリッド モデル」が主流でしたから、それこそ切りだし ナイフの「肥後之守」一本で何でも作り出してしまうのが極て普通の時代でいらっしゃると思います。
でも、遺伝には「隔世遺伝」も有りますから、将来、お子さんの才能に顕著に表れるやもしれませんね(^^;(環境も影響しますから、 10年位、お兄様の下に修行に出すのも良いかもしれません・・・。 さぞ「腕利き」のモデラーに成る事でありましょう)(^^

「体格的」には母方の遺伝系統と一発で判る・・・パズー@メンデル の法則でした。』

また兄も『昼レス(5月26日15時21分27秒)』のタイトルで、

『>妹さん
あ、アレって知り合いの家だったのか・・。(そーなんです。実は父 が懇意にしていた上司のお宅)今の実家をレイアウトする前のイメー ジ模型だと思っていた。まあ、あの親父の手先の器用さは大したもの で、インドネシアで働いたときに書いた風景画も、素人にはもったい ないと思うくらいだ。』

思わずうなずきたくなるようなコメント。

それから青月亭さんも
『妹さんのグチ』
のタイトルで、以下の内容をカキコ。

『>でも、どーして妹には遺伝しなかったんだろう(TT)
隔世遺伝とか言う前に、女性の脳は3次元把握能力において男性とは 違う特性を持つのではないかと、以前から思っておりました。
女性モデラーが少ないのは、戦争がらみの模型に馴染まないとか色々言われていますが、その方面が大きいのでは?』

おまけに兄も青月亭さんのカキコにからみ、
『女性って、何で昔のどうでもいいことをよく覚えているのかな。「結婚する前あんたはこう言った。」とか・・。へ?誰のこと・・?』

ややや、模型が主流の掲示板が、[遺伝]をキーワードにした科学のお話に……(^^;;)。

でも、まあ、最近、[話を聞かない男、地図が読めない女]なんて本がベストセラーになるぐらいだから、男と女の脳の差についてはまだまだ謎の部分が多いのかも知れませんね。
それにしても、皆さん、こだわり道場に突如現れた家の模型の正体が妹の書き込みによって明らかにされたので、思わずノッテしまったようで……。